スバル

スバル車関係のネタ.たまに○秘ネタもあるとかないとか.

79V先試車でのアメリカ走行試験について

これまで79V(初代スバル・フォレスター)の操安乗り心地開発についてあれこれ書いてきましたが、
今回は海外走行試験について書いておきましょう。
79Vは海外にも輸出して販売するいちおうグローバル車種でしたから
当然ながら現地での走行試験もしておく必要がありました。

試験車を輸送したり比較のためのレンタカーを用意したりと手間もお金もかかりますし
現地駐在員が同行する日程などの制約もありますから
いろいろな実験部署の人が何人か寄せ集めでチームを組んで海外走行試験をすることがよくあります。

ボクは79Vではインプレッサを改造しただけの台車・先試車と呼ばれる試験車の時にアメリカに
そして1試車と呼ばれるフォレスターの形をした試験車の時にヨーロッパに走行試験に行きました。
2代目ドミンゴの69D開発で欧州走行試験を経験済みとはいえ
本格的な海外走行試験としてはほぼ初めてのことになりますから
ある程度は試行錯誤的な形になってしまっているのはいたし方ない事かなと思ってますが、どうでしょう。
確かその後1試車か次の3試車(2試車はなかった)の頃にもう一度アメリカ・カナダの
海外走行試験をしましたが、その時はボクは行かずに一緒にやっていた後輩に行ってもらいましたね。

今日はその2つの海外走行試験のうち最初のアメリカでの走行試験について
その模様や裏話などを書いてみようと思います。
まっこの時にもそのアメリカ走行試験での動画を載せてますけどね。

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79Vはお金を掛けずに設計の手間を掛けさせてしまった

前回までの記事で79V(初代スバル・フォレスター)の操安乗り心地開発において
具体的にいろいろやったことについて書いてきました。
そこでも折に触れてあまりコストを掛けず型費も抑えて種類増も極力抑えたと書いてきましたが
一方でリアサスクロメン嵩上げ廃止やリア早当たりロングウレタンヘルパーなど
突拍子もない提案をしたので設計担当者にはそれなりに手間を掛けさせてしまいました。

もっともタイヤ開発やサスペンションの仕様決めなどそれほどやり直しや揺り戻しなどなかったので
開発全体としてみるとそれほど設計担当者に無理な負担を強いたとはボク自身思ってませんけど。
ただ、相手がどう思っているかは知る由もないですよね。

この辺についてもうちょっとだけ詳しく書いておきましょう。
といっても、今回の記事は手短にするつもりですが……

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79Vのタイヤ開発はスムーズだったが後々もめた

前回記事で予告しましたから今回は79V(初代スバル・フォレスター)の
専用タイヤ(OEMタイヤ)の開発について書いていくことにします。
前回の最後に少しふれたように、ほとんどの新車に装着されているタイヤは
たとえ同じタイヤメーカーの同じ商品名の同じサイズのものであっても
そのへんのカーショップやタイヤショップで売られている市販タイヤ(REタイヤ)とは別物です。
タイヤの構造、トレッドゴムも含めた材料、トレッドパターンなどあらゆる部分が異なっています。
それはどっちが良い物・高価な物を使っているかどうか(どちらかが手抜き品)ということではなく
OEMタイヤはその車だけにとって最適になるように特化されて開発されているのに対して
REタイヤはいろいろな車に幅広く合うように一般化されて開発されているからです。

ですから、新車を買ってそのタイヤがすり減ってきた時は自動車ディーラーへ行って
その車専用のOEMタイヤを購入して装着するのがベストというのが一般論です。
ただ、OEMタイヤをディーラーで購入するとかなり高額になりますから
安いREタイヤを適当に選んで履き替える人がほとんどではないかと思いますけどね。

なお、OEMタイヤを自動車メーカーがタイヤメーカーから購入している金額は超破格値です。
別にタイヤメーカーを叩いて安くしてるわけではなく(企業規模は大差ないし)
タイヤメーカーにとってはある程度の数量が安定的に見込めるということと
新車装着されると交換時も同じタイヤメーカーにしてくれる可能性が高いことや
スポーツグレードなどに装着されているとそれ自体が宣伝になるため安くしてくれるわけです。
逆にOEMタイヤをディーラーで扱うには少量過ぎて在庫管理等に手間がかかり
タイヤメーカーとしても自動車ディーラーとしても負担が大きく超高額になるのです。

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79V操安乗開発でアレコレやったことについて

今回は前回記事での予告通りに79V(スバル初代フォレスター)の
操安乗り心地開発においてやったことについて、
既報以外のアレコレについていっきに説明したいと思います。
ざっと箇条書きにすると以下のようになります。

1)リアサスクロメン嵩上げ廃止(既報)
2)リア早当たりロングウレタンヘルパー(既報)
3)リアトレーリングリンク付け根嵩上げ廃止
4)リアトレーリングリンク付け根位置後退=ホイールベース延長
5)リアサスクロメン取付け部補剛(既報)
6)リアサス・イニシャルトーイン
7)フロントサス・トップマウントのゴム硬度アップ
8)フロントサス・イニシャルネガティブキャンバー
9)ステアリング・ギヤ比の増加(スロー化)
10)ステアリング・ラバーカップリング装着
11)パワステ・アシスト特性チューニング
12)可変容量パワステポンプ採用
13)(超格安ダンパーの)減衰力チューニング
14)新規タイヤ開発

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79Vで嵩上げ廃止以外にリアロングヘルパーを採用

このシリーズ(?)の前回記事までで79V(初代スバル・フォレスター)の操安乗り心地開発で
リアの嵩上げを廃止したことを4回にも渡って長々と書いてきてしまいましたが、
次回は嵩上げ廃止以外のことについて簡単に書きますと宣言してしまいましたので……

といいながら、簡単に書き出してみたらそんな簡単な話では終わらなそうなことが判明したので(汗)
今回は「リアの早当たりロングウレタンヘルパー」についてだけ書くことにします。
予告と違ってしまい、また前回から随分と間が空いてしまい申し訳ありませんでしたorz

さて、サスペンションではもうそれ以上バンプできないというところでストッパーを設けないと
タイヤがボディに当たってしまったりアクスルシャフトの揺動角が許容オーバーしたりしてしまいますし
そのストッパーが金属などではガツンと衝撃を伴ったりしてしまいますから、
バンプストッパーとかバンプラバーなどと言われるようにゴム製のストッパーを付けたりします。

また、大きな突起を乗り越えたり、大きくロールした時などバンプストロークが大きな時の
乗り心地や安定性を確保するためにそれらの特性を調節しています。
こうなると、単なるストッパーというよりバネの補助する意味のヘルパーというようになります。

そして、79Vではこのヘルパーをより通常の走行領域でも積極的に使うことにして
リアサスペンションのヘルパーを早当たりロングウレタンヘルパーにしたということです。

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79Vはリアの嵩上げを廃止しちゃった(4)

前回の(3)で予告しましたので(笑)、今回は
79V(初代スバル・フォレスター)の操安乗り心地開発においてリアサスの嵩上げを廃止して
当初の狙いの他に結果オーライでラッキーだったことを書いてみます。

79Vの開発がスタートした時点(1994年)では既に初代アウトバックがあり
それはレガシィをベースにフロントもリアも嵩上げをして大径タイヤを履かせたものでした。
その嵩上げするために高さ30mmの鋳鉄製のブロックを車体とサスクロの間に咬ませてました。
※サスクロ=サスペンション・クロスメンバーです。
フロントのサスクロもリアのサスクロも左右それぞれ前後に並んだ2本のボルト
つまり計4本のボルトでボディに取り付けられているのですが、
鋳鉄製ブロックはその前後に並んだ2本のボルトを1組として咬ませるようになってます。

しかし、そんな鋳鉄製ブロックは重いですしコストもかかります。
レガシィ系には少々コストを掛けられますし(社内的に何故かレガシィにはいつもお金をかけていた)
アウトバックは急造だったこともあって鋳鉄製ブロックによる嵩上げを選択したのでしょうが
売れるかどうかよく分からない79Vにそんなお金はかけられませんから
79Vでは丸パイプと板金によって嵩上げされたサスクロを造る計画になっていました。

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スバル車の試乗でオリジナルカラビナマグをゲット(*^^)v

スバルディーラーで9月1日まで「体感!SUBARU SUV FES」ということで
試乗車に試乗するとオリジナルカラビナマグという
取っ手がカラビナになっている断熱二重構造のマグカップが貰えるという
キャンペーンをやってるというので、
完全にそのマグカップ、それもその中のオレンジ色を目当てで
最寄のスバルディーラーである富士スバル伊勢崎つなとり店までいってきました。

当然、スバル車ではなくストライダEVOでの出撃でしたけどね(笑)

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79Vはリアの嵩上げを廃止しちゃった(3)

前回、そして前々回と79V(初代スバル・フォレスター)の操安乗り心地の開発において
リア・サスペンションの嵩上げというものを廃止して、
やや前のめりのロール感にするとともに大きくロールしても腰砕け感がでないようにしたと書きました。
今回はロール感とはちょっと違った視点でのリア・サスペンションの嵩上げ廃止の狙いについて
書いていきたいと思います。

前々回ではロールセンターとロール軸の概念からロール感を
そして前回ではロールセンター変化に目を向けて腰砕け感の話をしたのですが、
今回はロールセンターではなくトレッド変化(スカッフ変化とも)に着目して
安定性、とりわけ高速安定性や過渡安定性というものについて話をしていきます。

なるべく分かりやすく書いていくつもりではありますが
それでも図解するのは面倒なので(orz)文章だけで済まそうとすると
なかなか上手く伝わらないかもしれません。
その点はご容赦お願いいたします。
もっとも伝わらなくてもお互いに不利益はないでしょうけど(汗)

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79Vはリアの嵩上げを廃止しちゃった(2)

前回、79V(初代フォレスター)の操安乗り心地の開発において
やや前のめりのロール感の実現のためにリアサスのロールセンターを上げる手段として
SUVらしく車高を上げるために行っていた嵩上げをリアだけ廃止する提案をしたと書きました。
今回はそれの続編ということで、ロールセンターの高さ変化ということについて書いていきます。

ロールセンターはサスペンションの図面があれば幾何学的に求められますし、
サスペンション基礎特性計測装置などと呼ばれる
サスペンションを上下にストロークさせながらアライメント等を計測して解析する
大掛かりな装置があればそれを求めることはできますが
そんな装置があるのは自動車メーカーや一部の研究機関だけでしょう。
サスペンションの目で見えるところに支点や軸があるわけでもなく
ここがロールセンターですと目印があるわけでもないので一般には分かりづらい概念でしょう。
(興味ある人は正しい教科書で学んでくださいね)

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79Vはリアの嵩上げを廃止しちゃった(1)

初代スバル・フォレスター(開発符号79V)の操縦安定性・乗り心地の開発にあたって
当時ぺいぺいの実験部員であったボクが目標性能(数値)を設定して
さらに数値に表しづらい走り味・乗り味を密かに決めていたことを前回記事に書きました。

今回からはそれらの数値目標の達成や走り味・乗り味の実現のために
どのようなことをやったのかを書きていきたいと思います。

なお、当時のスバル(富士重工業)にはプラットフォームという概念はありませんでしたが
会社の業績はよくなく、79Vはまったくお金を掛けられない(コストも投資も)ですし
そもそもがインプレッサのフルモデルチェンジ(スキンチェンジ)からスピンオフした車種ですから
今で言うプラットフォームに相当する部分は初代インプレッサのものを流用することが基本でした。

ちなみに、初代インプレッサも初代レガシィのプラットフォームに相当する部分を流用して
後席フロアパネル(とAWDの場合はプロペラシャフト)を短くしただけとも言えます。

そういう中では、新車の操安乗り心地開発といってもタイヤを替えて
あとはバネ(定数)、ダンパ(減衰力)をチューニングするだけ、
あるいはせいぜいスタビライザーとブッシュを少しチューニングする程度、
つまりいわゆる街のチューニングショップと大差ない程度にしか思われないかもしれないですね。
もちろん、そういうことも重要なことなんですけど。

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