スバル

スバル車関係のネタ.たまに○秘ネタもあるとかないとか.

X(旧Twitter)の話ではなく、スバル「X-MODE」命名秘話

Twitter が イーロンマスクの個人的な趣味で先月下旬から X となったわけですが
単に唐突に X と言われたってなんのこっちゃとなりますわなぁ。
だから未だに X(旧Twitter)とかX(旧ツイッター)と書かざる負えないわけで面倒きわまりないです。

まっ、ボクは一時期このブログとmixi の連携をツイッター経由でやってた時期があるくらいで
ツイッターを積極的に使ってないし、マスク嫌いなこともあり積極的に使う気もさらさらないので、
Xだろうがなんだろうが知ったこっちゃないんですけどね(笑)

それはそうと、ここのところこのスバル・カテゴリーでは2000年前半にボクがSKCにて
あれやこれやと雑多な業務をしていたことを紹介しているのですが、
今日はその“X”つながりというほどでもないですが、ちょいと思い出したので、
10年ほど飛んで2010年前半、つまりは今から10年ほど前の
4代目スバル・フォレスターに初搭載した「X-MODE」についての話をしようと思います。

このX-MODEについてはこれまでのこのJET-LOGにおいても書いているように、
ボク自身が発案して、概要を提案し、目標性能作成やその実現から市場導入まで中心的に関与し、
さらにそのネーミングについてもボク自身が言いだしたことが元になっています。

といっても、ボクひとりで全てやったわけでもないし、出来たわけでもないし、
小規模ながらも自動車メーカーとしてやっているわけなので
非常に多くの人たちが協力して仕事をしてきた結果として完成したことには変わりないのですけどね。

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LMS社への業務委託の顛末

こちらの前回記事からまた1ヶ月以上とずいぶんと間が空いてしまいましたorz
暑い日が続くとか、プロ野球&高校野球のテレビ観戦で忙しいとか、
まぁ言い訳は幾らでも言えるのですが、単にやる気がないだけのことでして……(汗)

で、前回まで2004年ごろにベルギーのLMS社に「ハンドリング評価手法」の先行開発を委託し、
まずは操縦安定性の定量評価とCAEとの相関を取ることから始めることになり、
21Zの量産車を手配して、部下の方に操縦安定性の計測とサス基礎計測をしてもらい、
結果をちょいちょいと英語に翻訳してLMS社に提出してハイ完了! 

となるハズ。というところまで書きました。

 

そう、なるハズだったのですが……結果を提出してしばらくしてLMS社より問い合わせが来ます。
なんかサス基礎特性の値・グラフがおかしいんじゃないかと。
もちろん、英語での問い合わせだし、もっと具体的な問い合わせですが。

確かによーく見るとなんか変。微妙に数%のレベルで整合していないような部分があります。
で、サス基礎特製計測装置を製作している鷺ノ宮(サギノミヤ)製作所に問い合わせるも、
ほとんどまともに取り合ってくれず梨の礫(なしのつぶて)でしばらく放置状態。

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LMS委託業務の続きの前に、サス基礎特性計測装置の話

前回記事では2004年ごろに、ベルギーのLMS社に「ハンドリング評価手法」の先行開発を委託し、
まずは操縦安定性の定量評価とCAEとの相関を取ることから始めることになったと書きました。

そこで、ボクら実験部では操縦安定性の定量評価の測定結果とサス基礎特性の測定結果を提出し、
LMS社と設計部内にあった(操安性)CAEグループの両者がCAEとの相関を取って、
それぞれ比較しつつ意見交換をして、精度を高めることをやりましょう。という計画です。

なので、ボクら実験部はいままでやってることをそのままやって提出するだけですし、
特にボク自身にとってみると、定型化している操縦安定性の試験とサス基礎特性計測などは
部下の人に丸投げでやってもらうだけで済むので、まぁ楽ちんでいいやとほくそ笑んでいたわけです。

 

ところで、ここでサス基礎特性というものについてその測定装置とともに説明しておきましょう。
メーカーによっては車両基礎特性とかとも呼ぶらしいのですが、
サスペンションとステアリングのパラメーターを台上試験で計測したものになります。

ステアリング特性、バネ特性、アライメント変化、サス剛性などに分けられるのですが、
ひとつづつもう少し詳しく説明しておきます。

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LMS社に「ハンドリング評価手法」を委託

ここのところこのスバル・カテゴリーでは2000年初頭にボクがSKCにて
あれやこれやと雑多な業務をしていたことを紹介しているのですが、
(といいつつ、前回記事からかなり間が空いてしまいましたけど)
今回もAWD関連やNR1,NPFなどとほぼ同時期に併行してやっていた
LMS社との共同業務というか形式上はLMS社への委託業務という形での
「ハンドリング評価手法(Vehicle Handling Analysis)」について紹介しておきましょう。

たしか、2004年の活動だったと思いますが、
その前の折衝・準備などは2003年ごろからはじまっていたのだと思います。

この頃のスバルは業績は大してよくなかったけど何故か社内的にはバブリーで、
よく知らないけどGMからお金をかすめ取っていたんでしょうけど(笑)、
それとともに先行開発などもちゃんとやらないといけないという認識も少しづつ出てきて、
だから自社内だけでやりきれないものは社外のコンサルティング会社なども利用して
多少お金を払ってでも積極的に研究や先行開発をしようという気運も出てきた頃です。

その一環という感じで、LMS社に「ハンドリング評価手法」を提示してもらうことになりました。
LMS社=LMS International はベルギーに本社があった主に自動車に関する解析ソフトウエア等を
開発・販売している会社なんですが……今、どうなっているのかと思い調べてみると、
あぁ2012年にはシーメンスに買収されているんですね。

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リニアモーションマウントとNPFについて

スバル・カテゴリーとして前回まで道草を食いながらですが2000年初頭のNR1の先行開発である
NPF(ニュープラットフォーム)についてリアサスフロントサスについて書いてきました。
このNPFではエンジンマウントというかパワーユニットマウント方法についても先行開発してたので、
今回はそれについて少しだけ書いてみたいと思います。

といっても、ほんのちょっとしか携わらなかったので大した深い内容のものではありませんから
さらっとあっさり薄味の記事としましょうかね。

 

NPFではプラットフォーム刷新ということなのでパワーユニットのマウント方法も一新する計画で
いろいろな案を試行錯誤していました。
どちらかというと、振動騒音関係がメインでしたけど、操安乗り心地にも影響があるということで、
少しだけ研究開発したということになりますが、
そのNPFの話の前に当時の21Z(4代目レガシィ)のリニアモーションマウントに触れておきましょう。

これについてもボクは傍から眺めていただけなので詳しい事まで理解しているわけではないのですが、
21Zの開発終盤になってから急に降って湧いたように採用することになって
かなりスッタモンダ揉めて採用した挙句、量産直後から問題続出で3度も仕様変更を余儀なくされ、
最終的にはビッグマイナーチェンジを機に後期型から已めてしまったという、
今となっては無かったことにしたいようなスバル迷走を象徴するようなモノです。

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NPFのフロントサス先行開発はほぼ成果ゼロだった

スバルカテゴリーの記事としては前回は直近の役員人事の話をしましたが、
今回はまた時を2000年代初頭に戻して、前々回の記事の続きとして、
NPF(ニュープラットフォーム?)のフロントサス先行開発のことを書いていきましょう。

もっとも前々回とその前とアッカーマンの話や21Zで舵角差を小さくした話など道草を食ってたので
実質的にはこちらのNPFのリアサス開発に続く記事ということになりますけどね。
ただ、今回の記事を書くに当たってはアッカーマンとか舵角差のことを知っててもらいたかったから
少し寄り道をしてきたということなんです。

 

さて、21Zでは軽量化目的でそれまでのプラットフォームとは微妙に違うものを
フロント部分はほぼ全面的に金型を造り直すくらいの大改造・大投資をしたわけですが、
NR1およびその先行開発の位置づけのNPFでは、同様にバブリーになってた時代でもあり、
フロントからリアまですべてを一新するというような形で企画・構想が進みます。
だからNPF=ニュープラットフォームなんて仮称になってたわけですが。

一方で、水平対向縦置きシンメトリカルAWDのレイアウトはもうスバルとしては変えられなく
NPFでもそこはもう“ありき”でしたけど、
それでもEJ→FAエンジンやCVT化は織り込んでの検討だったと記憶してます。

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株式会社SUBARUの新社長は大崎氏(驚)

5年前のこの記事で、株式会社SUBARUの社長が吉永泰之氏から中村知美氏へと交代になると
2018年3月に(実際の交代は4月から)書いたわけですが、
今度はその中村知美氏から大崎篤氏へと社長交代するというニュースが少し前にアナウンスされました。

いやー、率直な感想としては、「えっ、大崎さんってあの大崎さん、ホント!?」って感じですね。

もっとも、ボクは大崎氏と一緒に仕事したことはほぼないので、
そんなに大崎氏の人となりを分かっているわけでもなんでもないんですけどね。

5年前の記事に書いたように、現社長の中村氏も一緒に仕事をしたことは皆無でしたけど、
一度だけひょんなことから呑み会で一緒になって盛り上がってたことはあり、
なんとなくこんな人なのかなぁというイメージだけは持っていましたけどね。

 

で、新社長の大崎氏ですが、一時期、商品企画部にいたので、顔を合わせる機会は少しありました。
でも、同じ部署とか同じプロジェクトで一緒に仕事をしたことはありませんでした。
というか、商品企画でどの車種を受け持っていたのかいまや思い出せないくらい印象はなかったです(汗)

ただ、市場導入イベントだかなんだかの出張で、同席することが何回かあって、
その流れで出張先の居酒屋などで一緒に呑む機会も3、4回ほどあったと記憶しています。

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21Zは舵角差を小さくしたらしい、どうして?

前回は、ステアリングジオメトリについて、アッカーマンとか舵角差について一般論的な話をしました。
そこでは、水平対向エンジン縦置きの歴代スバル小型車はステアリングギアボックスが前置きで
アッカーマンに近づけにくい=舵角差を大きく取りづらい構成であり、
実際にスバル小型車は他社よりも舵角差が小さい部類にあるということを書きました。

しかし、21Z(4代目スバル・レガシィ、2003年~)の開発においては、
何故かさらに舵角差を小さくしてしまうというある意味で改悪をしてしまったのです。
その件についてボクは直接携わっていたわけではないので、
傍らで見ていて他人から聞いた話でしかないのですが、
今回はその辺のところのことを書きたいと思います。

 

なお、スバルでは初代レガシィでプラットフォーム(この時、共通プラットフォームの概念はないが)を
一新し、その後、小改良はありながらも2代目、3代目レガシィまでは基本的に同じものを使ってます。

初代インプレッサは初代レガシィのBピラー以降を短く切り詰めてホイールベースを-60mmし、
初代フォレスターはそのインプレッサのを踏襲しつつ嵩上げしていて(+5mm伸びてますが)、
2代目レガシィは逆にBピラー以降を伸ばしてホイールベース+50mmとし、
3代目レガシィはリアサスを一新して、後席フロア以降は作り変えてホイールベースも+20mmです。

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NPFとしてのFtサス先行開発、の前にアッカーマンの話

前々回はNPFとしてのリアサスの先行開発を話を書きましたが、
前回はそれを元に量産として世に出た3代目インプレッサのマガジンXの評価を一部紹介しました。

今回は、またNPFに話を戻して、そのフロントサスの先行開発の話を書こうと思いましたし、
前回もそのつもりで予告をしていたのですが……

いざ記事を書き出すと、その前にマッカーマンの話、あるいは舵角差の話をしておかないと
なんだかよく分からないような内容になってしまいそうなので、
今回はまずはその辺りのステアリングジオメトリーの話をしておきたいと思います。

なので、一般論的な話が中心となりますからそんなの知ってるよという人も多いでしょうが、
そういう人は今回はスルーしていただいて構わないです。
というか、このブログは誰でも読みたい人だけが勝手に読めばいいだけなんで、
多くの人がスルーしているんでしょうけどね(笑)

とはいえ、ステアリングジオメトリーなんてのは普通の量産車ではそう簡単に変えられないし、
だから自称クルママニアの方でもあまり知っている人や話題にする人はいないでしょうから、
まぁ興味をもっていただければ、そのいいきっかけになればという思いもありますけど。

また、とっておきの〇秘ネタみたいなものがあるわけではありませんが、
できればスバル関連のネタとして少しは面白そうなことも書いていきたいと思います。

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新Wウィッシュボーン・リアサスのマガジンXの評価は?

スバル・カテゴリーの前回記事で、NPFとして新型ダブルウィッシュボーンのリアサスの先行開発の話を
書きましたが、今回は予告通り、その後にそのリアサスをベースに用いて量産開発となったスバル車の
雑誌マガジンXの覆面座談会の内容を紹介していきましょう。

最初に書いてしまいますが、そんなに良い評価はされていません。
まぁ、覆面座談会では良いことが書かれることはどんなメーカーのどんなクルマでも滅多にないのですが。
でも、(3代目)レガシィのマルチリンク・リアサスはかなり辛辣な評価なのをこの記事で紹介したわけで、
ボク自身が先行開発に関与したWウィッシュボーンについてスルーしちゃうわけにはいかないですよね。

 

さて、この新型Wウィッシュボーンのリアサスを初めて搭載したのは3代目インプレッサ(ZR1)です。
前回記事で書いたように、ボク自身はこのZR1の初期構想時(55C)にこのリアサスを推したけど、
それ以外ではこのZR1の開発には何ひとつ関与していませんので、あくまでも先行開発しただけですが。
※スバルとしてはトライベッカB9が最初ですが、あれは別物で失敗作ですし、国内未発売でした。

2007年11月号のマガジンXの「マガジンX流新車インプレッション ざ総括。」に
その3代目インプレッサは登場しています。
ただし、WRX STIは遅れて発売されたこともありいわゆるノーマル系のみの評価となっています。

それでは、リアサスに関係する部分を見ていきましょう。

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