スバル

スバル車関係のネタ.たまに○秘ネタもあるとかないとか.

44年前のスバルの小冊子「0次安全の思想」を読み返してみた

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1977年に作られたスバルの販促用小冊子が未だに手元にあります。
富士重工で働いていた時に何かの拍子に手に入れたとかオークションなどで入手したとかではなく
おそらく当時にスバル・ディーラーで働いてた父親が家に持ち帰ってきたものを貰ったのでしょう。
それを今まで持っているわけですから物持ちがいいというわけですな(笑)

それにしても、カタログでもなくこのような小冊子、といってもA4版で20ページほどあるものを
富士重工がこの時期に作っていたというのはどういう意図があったのでしょうかね。
定期的に発行していたんだろうか。。。

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水平対向もシンメトリカルAWDも理想ではないけど……

このスバル・カテゴリーの一連の記事では前回まで
軽トラの理想は(富士重工製サンバー採用の)RR,四独サス、4気筒エンジンではないという話や
軽乗用車にとっても4気筒エンジンや四独サスが理想でもないという話を長々と展開してきましたが
その流れでいうなら次は現在までのスバルの小型車(ここでは普通自動車含む登録車)の特徴である
水平対向(ボクサー)エンジンおよびその縦置きエンジンも含めたシンメトリカルAWDについても
それが小型乗用車にとって理想なのかどうかも話をするべきかもしれません。

個人的な考えでは、水平対向エンジンのメリットはまったくゼロではないでしょうけど
エンジン単体として常識的に考えれば水平対向4気筒より直列4気筒の方が様々な面で良いでしょう。
正直なところ、スバルの開発本部内で本気で水平対向エンジンが良いと思ってるエンジニアは
ほとんどいないのではないかと思います。
他社との差別化や水平対向に拘るお客さんがいるから必要悪としてやめられないとか
普通の直4横置きのエンジンとプラットフォームを今さら新規開発・製造するお金はないとか
そういう意味でのスバルは(EVまでは)水平対向で行くしかないという諦念の状態でしょう。

だって、本当に水平対向エンジン縦置き、シンメトリカルAWDが理想の乗用車だというのなら
軽乗用車だってリッターカーだってそうすべきですし、
逆に言えばそうではなくとも初代FFレックスやヴィヴィオはあれだけの優れた乗用車足り得たわけで
それはスバルの技術力、というより開発姿勢がそれらの優れた乗用車を生んだわけですから。。。

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スバルの軽乗用車が四独サスだったことで辿った末路

前回記事で軽乗用車に4気筒エンジンは不要かどうかの自論というか
どうしてスバルは軽乗用車に4気筒を採用したのか
その結果以降の商品展開にどのような影響があったのかを推考してみました。
今回は軽トラの時と同じようにスバルの特徴のひとつとなっている四独サス(四輪独立懸架)についても
それが不要なのかどうか、それが商品展開にどのような影響があったのか推考してみようと思います。

先ず、スバルの自動車造りの礎を築いた百瀬晋六氏のポリシーとして
スバル車は四独サスに限るという不文律があったわけではないでしょう。
市販化は出来なかったけど幻のスバル1500(開発コードP-1)は
当時としてはオーソドックスなFRでリアサスはリーフリジッドでしたしね。

ただ、その開発経験も踏まえてプロペラシャフト、重いアクスルハウジングが上下に動きスペースを取る
いわゆるリジッドアクスル(車軸懸架)は無駄が多いということを理解したのも事実でしょう。
つまり、この時点ではサスペンションの性能として四独サスが良いというよりも
人間優先のパッケージングや軽量化という点で四独サスの理想的だとなったのでしょう。

そして、スバル360ではRRとしたので必然的にリアサスは独立懸架となったわけですし
それに続くスバルR-2、初代レックスも必然的にリアサスは独立懸架で四独となっただけのことでしょう。
RRでド・ディオンは難しいし軽トラのように過積もないのでメリットはないですからね。

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軽乗用車にも4気筒エンジンは不要か?

このスバル・カテゴリーでは前回記事で軽トラには4気筒エンジンは理想でないと書きましたし
前々回記事では軽トラに四独サスが理想ではないとも書きましたが、その中で
ついつい軽トラだけでなく軽乗用車にとっての4気筒エンジン、四独サスにも少し触れてしまいました。

ボクは現役時代に軽乗用車(軽商用バンベースの乗用登録車は除く)の開発に携わったことはないので
軽乗用車の理想についてあれこれエンジニアリング的に語るほどの知見も資格も持ち合わせてませんが
あくまで個人的かつ傍観者的な率直な感覚として結論から言わせてもらえば
軽乗用車に4気筒エンジンも四独サスも不要だけどあっても悪くはないというスタンスです。

と、これだけで話は終わってしまいますけど、
それでは何故スバル(富士重工)は軽乗用車に4気筒エンジンを搭載し四独サスであり続けたのか?
それによってスバルの軽乗用車はどのような変遷を辿ったのか?
今回の記事ではこれらについて、社内の開発現場にいてそれなりに近くの傍観者としての
ボクなりの推測を含めて考えてみることにしましょう。

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軽トラに4気筒エンジンは要らない

このスバル・カテゴリーでは前回記事まで軽トラの理想はRR、四独サスではないと書いてきました。
今回は予告通り軽トラの理想は4気筒エンジンではないということをさらっと書いておきましょう。

もっともボクはエンジンについては門外漢ですからあまりエンジニアリング的にどうこう書けませんし
だからその点ではあくまでも一般論的な話しかできませんので、
おそらく皆さんの予想通りの展開と結論で終わってしまうでしょう。

そう、結論から書けば、軽トラに4気筒エンジンは過剰でメリットはほとんどなく
3気筒で十分というか、それが適しているということになります。

660ccで4気筒にすると1気筒当たりの燃焼室が小さくなりすぎて熱損失が大きくなるし
4気筒より3気筒の方が吸排気の効率も良くなります。
部品点数、特に可動部の部品が多くなるので摩擦損失が大きくなります。
つまり、一般論としては燃費が悪くなるわけです。

それに部品点数も多くなるということはコストアップや重量アップになりますし
車幅が限られた軽自動車に横置き搭載するにも4気筒は不利で設計自由度も制限され
それによりまた余計に性能の妥協を強いられたりコストアップにつながったりします。

なお、2気筒でも軽トラは大丈夫な気がしますが軽乗用車と共通にするなら3気筒が良いでしょう。

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軽トラの理想は四独サスではない

前回記事では軽トラの理想はRR(リアエンジン・リアドライブ)ではなくて
MR(ミッドシップ・リアドライブ)であることの理由について
荷台のリアオーバーハングだけでなくリアサスペンションの設計自由度の制約があると書きました。

そして、サスの話が出たところで富士重工製スバル・サンバーのRR以外の特徴と巷でよく言われる
四輪独立懸架(四独サス)についてもボクは軽トラにとっての理想とは考えていないということを
今回は書いていきたいと思います。

もっとも、四独サスについてはサンバーに限らずスバルの特徴というか
一部にポリシーみたいな言い方をメーカー自ら発信していたところもあるのですけど……

確かに昔ながらのリジッドアクスル(車軸懸架)はバネ下質量が重くて
路面の凹凸に対して乗り心地に悪影響があり接地性も悪いので操縦安定性にも難があり
特にリーフバネの場合は前回記事で触れたジオメトリ特性やコンプライアンス特性などの
設計自由度が低く、少なくとも乗用車向けとしては性能上褒められたサスではありません。

操縦安定性や乗り心地という点だけでなくリジッドアクスルはそれ自体が上下に動くため
さらにFRであればプロペラシャフトまでも上下に動くため大きなスペースをとり
それによってリアシートのクッション厚が不十分となったりセンタートンネルが邪魔になったり
乗用車としては全体のパッケージングに対して大いにネガティブな要因となってしまいます。

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軽トラの理想はRRでない【続編】

前回記事で個人的にエンジニア目線での理想の軽トラはRR(リアエンジン・リアドライブ)ではなく
MR(ミッドシップエンジン・リアドライブ)もしくはMRベースの4WDだと書きました。
そして、その理由の一つとしてホイールベースの長さとリアオーバーハングの関係の話をしました。
今回はもう一つの大きな理由としてのRRとリアサスペンションの設計自由度の話をしていきます。

クルマにあまり詳しくない人はサスペンション(以下サス)というと
路面の凸凹でただ上下にタイヤが動くようにしているものという概念しかないかもしれませんが
凸凹だけでなくクルマがロールしたりピッチングしても動きますし
その動き方もそのまま垂直に平行移動するのでなく僅かにタイヤ(車輪)が向きを変えて
さらにタイヤの接地面に横力や前後力がかかっても僅かにタイヤ(車輪)が向きを変えています。
これらを適切に設計してコントロールすることでクルマは操縦性を良くし安定性を良くしています。

サスが上下にストロークすることによりタイヤの向きが変わることをジオメトリ特性
横力や前後力によりタイヤの向きが変わることをコンプライアンス特性と呼んだりします。

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軽トラの理想はRR、四独サス、4気筒ではない

このスバル・カテゴリーの記事も先日は「田舎のポルシェ」というサンバーが登場する小説の話となり
ボクの現役サラリーマン時代の思い出話からは脱線してしまいましたけど、
その記事でも少し触れた「田舎のポルシェ」「農道のポルシェ」とか呼ぶのが嫌いだということについて
今日はもう少し書いてみようかなと思います。

「農道のポルシェ」はほとんどは肯定的な意味合いで使われてる言葉なのでしょうが、そこには
ポルシェ(911系)と同じRR(リアエンジン・リアドライブ)であるとの理由が大きいのでしょう。
もっともポルシェ356発売の1948年当時でも初代サンバー発売の1961年当時でも
RRはそれほど珍しいレイアウトでもなかったし、そもそもRRという言い方も
スバルがスバル1000でFF(フロントエンジン・フロントドライブ)と言い出してから
FR(フロントエンジン・リアドライブ)とかRRとか呼ぶようになっただけのことですけどね。

富士重工製スバル・サンバーを評する時に出てくる言葉はこのRRの他には
四独(四輪独立懸架)サス(※サンバーだけでなくスバル車共通の特徴として)とか
4気筒エンジン(5代目、6代目のみ)というのもありました。
ボクはこういうレイアウトやメカニズムでもってクルマを決めつけるような言い回しが嫌いなんです。
だからこそ、レイアウトやメカニズムが似てるからと他車になぞらえて呼ぶのがさらに嫌いなんですね。

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単行本「田舎のポルシェ」篠田節子著を読了

普段はあまり小説は読まない方ですし読むとしても安い文庫本の場合がほとんどなのですが
珍しく単行本の小説をしかも通販で購入して読みました。

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文芸春秋の「田舎のポルシェ」篠田節子著です。
そうまでして買ったのはこのジャケットから一目で分かるようにスバルサンバーが登場するからです。
実際に小説内では単なる「軽トラック」としてしか書かれてなくて
“スバル”とも“サンバー”とも年式も“富士重工製”かどうかも明記されてませんが
リアエンジンリアドライブ、田舎のポルシェだ」と喋る場面が出てくるので
ジャケットの絵の通りの富士重工製の最終型スバル・サンバーということでしょう。

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20世紀末の「スバル開発理念」は等閑視されていた

さて、このスバル・カテゴリーの記事もボクが2000年秋に謎のAWD-CoEという部署から
SJ14(車両研究実験第1部 車両研究実験第4課)の操安乗り心地実験部署に出戻りとなり
それにともなって勤務地が群馬県太田市から栃木県佐野市(当時は葛生町)の
SKC(スバル研究実験センター)に変更になったところまで話は進みました。

その後、テストコース内外での業務中の交通事故のカミングアウトや
遠距離クルマ通勤の話などで道草ばかり食っていて
出戻りして何をしたかの話題に辿りつきませんが……

今回の記事はその2000年秋から時間を巻き戻して
1998年1月に社内のスバル開発本部にて宣言された「スバル開発理念」を紹介しましょう。
本来なら79V(初代フォレスター)開発がひと段落したこの辺りで記事にしておくべきでしたが
何せ行き当たりばったりで記事を書いているので申しわけないけどこういうこともありますわな。
というか、不要書類を断捨離していた時にこの書類を見つけたというわけですけどね。

ボクは現役サラリーマン時代でも何でもかんでも手元に保管しておくという性格ではなかったですが
なのにこの「スバル開発理念」なるA3一枚の紙を20年ほども捨てずにいたわけですから
ボクとしてはこれはかなり重要なモノという位置づけだったわけです。

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