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新書「宇宙の超難問 三体問題」

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ハヤカワ新書「宇宙の超難問 三体問題」谷川清隆監訳 田沢恭子訳を読みました。
著者はマウリ・ヴァルトネン、ジョアンナ・アノソヴァ、コンスタンティン・ホルシェヴニコフ、
アレクサンドル・ミュラリ、ヴィクトル・オルロフ、谷川清隆と総勢6名も名を連ねており、
誰がどのパートを受け持っているのかとかもよー分からんですが、
それが分かったところでボクみたいな読者にはなんの意味もないので、そっとしておきましょう(笑)

本書は2024年4月初版発行となってますが、その直後に面白そうだと買ってしまったものの、
タイトルからして小難しいそうだなとなかなか読みだすことができずに、
積読状態になってしまっていたのを意を決して(大袈裟)読んでみることにしました。

実際に読んでみると、三体問題そのものを解こうとすると、いや完全に解けてないので当然ですが、
超難問なわけですが、それそのものの解法を説明しようとしている内容ではなく、
三体問題とは何か、何が難しいのか、そして過去にどんな人がどんな挑戦をしてきたのかを
比較的わかりやすく説明してくれているものでしたので、
難解すぎて手におえないほどではなかったです。

本書の「はじめに」では次のようにはじまります。
                                    (以下引用)
 一般読者を対象として三体問題の解説書が書くのは、ことのほか手ごわい挑戦だ。三体問
題は科学そのものと同じくらい古くから存在し、その解を目指して数え切れないほどの科学
者たちが力を注いできた。それにもかかわらず、われわれはこの問題が解決できたと宣言で
きる段階にまだ至っていない。数式を使わないでこの問題のおもしろさを一般読者にいくら
かでも伝えるのも、また容易でない。(中略)
 本書では、歴史的なアプローチをとる。(中略)
 この小著が読者の関心を刺激し、数学の素養をもつ人にとって三体問題という謎をさらに
探究するきっかけとなれば幸いである。                 (引用終わり)

著者は著すのに苦労したかもしれませんが、一般読者のボクにとっては比較的分かりやすかったです。
とはいえ、「数学の素養をもつ人」となっているように、数式はほとんど出てきませんが、
中学卒業レベルの数学の概念くらいは理解できてないと難解かもしれませんけどね。

 

それで、三体問題とはなんぞや? ですが、その名称からなんとなくは想像できますが、
というか少し前に「三体」というSF小説が話題になったのでそれで知っている人が多いかもですが、
本書の「序章」で次のように感いてある通りで、聞けばなーんだという話です。
                                    (以下引用)
 数学の歴史には、何世紀ものあいだ偉人たちの想像をかき立ててきた問題がたくさん存在
する。そのなかで、解決不可能だと判明した問題が三つある。円積問題、立方体倍積問題、
角の三等分問題だ。(中略)
 三体問題もこのカテゴリーに含まれ、先ほどの三つの問題と同じくらい古くから存在して
いる。地球と太陽と月のような三つの天体の運動を扱う問題である。その解が必要となるの
は、たとえば日食を予想するときだ。                  (引用終わり)

そう、三つ、三つ以上の天体がそれぞれ重力を及ぼし合っており、
それらの天体の運動を正確に表し、予測するというのが三体問題なわけです。
ただ、ボクはそんなの今では、代数的に完全に解くのは難しいとしてもコンピュータで計算するなら
簡単に出来るんだと思ってしまっていました。

ただ、そんな簡単な話ではないということは本書を読んでよく分かりました。
地球にしても(月でも太陽でも)完全なる球体ではないし、剛体でもないし、質点でもないし、
相対性理論や量子理論も必要になるし……と難しいことまで考えるまでもなく、
三体になった時点で計算が複雑になり僅かな誤差が将来の予測を困難にしてしまう。

例えば、次のような話が出てきます。
                                    (以下引用)
 そのよい例が、アポフィスという天体だ。二〇〇四年に発見され、二・七パーセントの確
率で二〇二九年に地球に衝突すると計算されたことから、しばらく懸念された。しかしもっ
と正確な情報が得られたため、今では二〇二九年に衝突する可能性はないと考えられている。
とはいえ、二〇三六年四月一三日に衝突する確率はまだゼロではない。二〇三六年に衝突す
るかどうかは、二〇二九年にアポフィスが地球にどれだけ接近するかによって決まる。わず
か幅八〇〇メートルの狭い領域が、二〇三六年に衝突が起きるかどうかの分かれ道となる。
                                   (引用終わり)

このアポフィスは直径325mあるので、地球に衝突すれば人類滅亡に近いことが起こり得るかも。
ということさえ分からないのだから、いつなんどき地球に衝突する小天体があっても不思議はないわけで、
まぁ10年後にどうなるのか、神のみぞ知るということですかね。
いや、たとえ神がいたとしても神さえ分からないということでしょうけど(笑)

 

最後に三体問題とは直接関係ないですが、与太話みたいなことを紹介しておきましょう。
                           (以下引用、改行位置一部変更)
 恒星は銀河全体で均等に分布しているわけではない。一部の領域には、多数の恒星が集中
する「星団」がある。プレアデスは、おうし座にある有名な星団だ。英語の一般名「Seven
Sisterts」(七姉妹)や日本語の名称「六連星」は、この星団に六つか七つの容易に認識で
きる恒星があることを示す。 (中略)
 プレアデス星団は、散開星団の一例だ。全体としての寿命はおよそ三億五〇〇〇万年で、
寿命が尽きるころには恒星は単独星、連星、または三連星として徐々に去っていき、もとの
星団に残るものはあまりない。現時点では、プレアデス星団はまだ一億歳に達していない。
                                   (引用終わり)

クルマの「スバル(すばる)」はこのプレアデス星団からとった車名からであり、
そのエンブレムは6個の星を象った六連星であり、
今や会社名もスバルになり、社章も六連星になりましたけど、
英語圏だと7個の星にしないといけなかったんですね。

というのは昔、どっかで聞いた覚えがあったなぁと、今さらながら思い出しましたが、
それはそれとして、散開星団だったとは知りませんでした。
というか、散開星団という呼び名もそういう運命をもつものだというのも初めて知りました。

散開しちゃうのかぁ。できれば散開しないで存続してもらいたいものですなぁ(笑)

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