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新書「スピン流は科学を書き換える」

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インターナショナル新書「スピン流は科学を書き換える」齋藤英治著を読みました。

まさに帯に書いてあるように「スピン流って何だ?」と思ったので買っちゃいました。
とはいっても、スピンなので……クルマでスピンしたなんて話じゃなくて(汗)
なんとなくは量子力学的な話かなと想像してましたけど、
それにしてもそのスピンの流れってなるとちょっと想像できなかったのでね。

本書の「はじめに」では次のようにそのスピン流の説明からはじまります。

                                   (以下引用)
 本書のテーマは、「スピン流」です。
 読者の方々にとって、初めて聞く言葉かもしれません。
 私たちは日常的に電気を使っています。電気の流れ、つまり電流とは、電子というとて
も小さな、大きさすらない粒子が持つ電気的な性質、電荷の流れのことをさします。私た
ちはこの電荷の性質を電気として利用してきましたが、電子にはもう一つ「スピン」とい
う性質があります。
 スピンは「自転のようなもの」であり、その回転の量にともなって磁石の源となる磁気
を産み出します。そして、電子が持つ電荷の流れが電流であるのに対し、スピンもまたあ
る条件のもとで流すことができ、その流れをスピン流といいます。    (引用終わり)

あぁ、なるほど。電子のスピンが磁気を産むんですね。
初めて知りましたけど、そう言われれば特段に不思議な話ではなく
電磁気ですから表裏一体みたいな関係とも言えますからねぇ。

でも、電気(電荷)の流れ⇒電流なんだから、磁気の流れ⇒磁流と呼んでもよかったのにと(笑)
けれど、調べると「磁流」という言葉はちゃんとあって、文字通り磁気の流れとも言えますが、
電磁気学ではそのようなものはないということになっているようで、
一方でアンテナ工学などでも「磁流」という言葉があるようですが……
これまた本書の「スピン流」とは直接関係ないし、よー分からんのでスルーしたいと思います(汗)

 

なにはともあれ、本書での「スピン流」については同じく「はじめに」において
次のように締めくくられています。

(以下引用)   国内外ともに、スピン流の研究は始まってまだ間もないのですが、目ざ
ましい発展を遂げています。さらには、その現象の数々を応用することも現実の視野に入
ってきました。
 本書では、専門書さえまで少ないこの新領域を、できる限り平易に、しかし重要なポイ
ントは押さえて解説するべく腐心しました。
 科学の新しい領域、スピン流の世界を紹介していきましょう。     (引用終わり)

そうですか、スピン流はまだ最新研究分野なんですね。なら、知らなくても恥ではないですかね。

そんなわけで、といってもどんなわけかはよく分かりませんが(汗)、
あまりここでスピン流について事細かに紹介しても意味はないというか、
興味のある人だけは本書などでしっかり勉強してもらえばいいのかなと思うわけですが、

 

そもそも、スピン流の手前の電子のスピンが磁気になるということについて、
ボクはそれすら知らなかったわけですが、その部分について軽く紹介しておきましょう。
                                   (以下引用)
 たとえば、鉄の原子は26個の電子を持っていて、決まった軌道に決まった数の電子が存
在しています(図1-11)。多くの原子の場合、アップスピンの電子のダウンスピンの電子
がペアになって軌道上に存在するため、それぞれが打ち消し合って、磁気は発生しません。
磁石になる鉄の場合は、この26個の電子のうち、およそ14個がアップスピン、およそ12個
がダウンスピンと、アップスピンの電子が約2個多いため、磁石の性質を持っています。
鉄の磁石の内部では磁区という小さな集団をつくっていて、その磁区自体は原子の磁極
(S極とN極)の向きがよく揃っているため強い磁石になっています。しかし、大きな鉄の
塊として見たとき、無数の磁区は磁極の向きがバラバラになりやすく、磁力は打ち消し合
っています。そこに磁石を近づけると、磁界を受けることで磁区が変形し、磁極が同じ方
向に揃うため、鉄は磁石とくっつきます。               (引用終わり)

へぇー、そういうことなんですね。
後半のくだりについてはなんとなく聞いた覚えがありましたけど、
アップスピンとダウンスピン……これはスピンの回転方向の違いということですが、
その差によって磁気が発生した状態になるということなんですね。知らんかった。

 

ということで、スピン流はおろか磁気発生の理屈という基本的なところから勉強になりましたが、
とはいえ本書の中身は量子力学に負うところが大きいですから、それなりに難解です。
突き詰めて考えようとすると、なんでそうなるの? と疑問がたくさん出てきますが、
あまり突き詰めずに、あぁそうなんですねと割り切って読むことも必要なのかもしれませんね。

本書の最終章にもスピン流とは直接関係なく次のようなことが書かれています。

(以下引用)     それ以前の古典物理学では「この世界には物理法則があり、ものご
とはその物理法則に沿って進んでいて、それを客観的に見て観察することによって人が世
界を知る」という考え方をしていました。しかし、量子力学が示したことは、「客観的な
実在はない」という真実です。観測を行って初めて存在や状態が本質的に決まるというの
です。筆者が大学で量子力学を習った頃は、この部分は「なぜ、こうなっているのか?」
などという疑問があったとしても「そこを考えてもいいことはない」と言われていました。
「自然がそうなっているのだから仕方がなく、深く考えても意味がないことだ」という位
置づけでした。                           (引用終わり)

まぁ、量子力学でなくても世の中には「そこを考えてもいいことはない」ことは多々ありますし、
そういうことはボクも還暦過ぎた今ではかなり受け入れられるようになりましたけど
二十歳前後の学生の頃にそう言われてもモヤモヤしただけというか、
たぶん反発したんじゃないかと思いますが……脱線してしまったのでこの辺で。

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