« ポタ&麺紀行:芝浜で修業した新店・太田市の「中華そばHIBARI」 | トップページ | ゆるポタ&麺紀行:「いの季日和」の「イワシちらし丼と八割そば」 »

新書「物理は存在しない」

B260208_1
朝日新書「物理は存在しない」田口善弘著を読みました。

先ずタイトルが気になり、帯の「F=maは嘘!?」に驚き、
何を言いたいのか疑問に思い、とんでも理論なのか、スピリチュアルな世界や宗教の話なのか……
なのに著者はボクとほぼ同年代の中央大学理工学部教授とのことだし、
本書は左開きの横書き、つまりはちょいちょい数式が出てくる構成となっていて……

面白そうなので買って読んでみました。

さらに、本書の「はじめに」にはこんなことが書かれています。
                               (以下引用、改行位置変更)
驚くかもしれないが、多くの人が学ぶ高校の力学、速度とか、力とか、運動の法則、みたいなも
のはある意味、人間の脳が作り上げたまがい物である。なぜなら、現実の世界を統べているのは
我々が慣れ親しんでいる力学の世界とは似ても似つかない法則だからだ。    (引用終わり)

まがい物」とまで言われてしまうと、ボクらが高校とかで学んできたものはなんだったんだ。
さらに人によっては必死で受験勉強したのなんだったんだ、じゃぁ大学で学んだのは?
エンジニアとしてだって高校物理や大学での物理学が基本になってたはずでは?
それらがまがい物だというのなら……なんて、まじめに心配になったり、逆に憤慨することもないですが。

 

で、結論から言うと、物理そのものが存在しないという話ではありませんでした。
まぁ、「物理」の定義にもよりますし、「存在」という言葉の定義にもよりますが。
本書では「高校で習う古典物理学」というのは存在しないというか、正しくはないということになります。
これまた、正しくない=嘘といっていいかどうかもいろいろな捉え方があるのでなんとも言えませんが。

つまり、古典物理学ではなく量子力学として見れば、古典物理学は正しくないというか
古典物理学では正しいとは言えないところがたくさんでてくるという話でいいでしょうね。

っていうか、物理学なんてのはある仮定の上に構築されているものですし、
自然の現象の真理を探るというより自然の現象を上手く説明できる法則を探るものなので、
ある仮定やある条件の下で上手く説明できていれば、その範囲においては正しいとみなせばいいだけで、
また別の仮定や条件で上手く説明できなければ、別の法則を考えるということだと思ってます。

さらにいうと、今の量子力学にしても、それが絶対的な真理であるとは誰も言えないわけで、
むしろ量子力学こそ、様々な自然の現象を上手く説明できる方法を考えた挙句に
こう考えざるを得ないということから出てきた理論だとボクと捉えているので、
ある意味ではどっちもどっちという感じもなきにしもあらずかなとさえ思えてくるのです。

 

まぁ、そのあたりのことも本書では織り込み済みで、「終章」ではこんなことが書いてあります。
                               (以下引用、改行位置変更)
 この本では電磁気学や熱力学は、相対性理論や量子論と整合性があり、人間の外界認知の誤謬
から影響は受けていないというスタンスで扱った。しかし、より高次の存在から見たら、電磁気
学や熱力学もF=maのような認知バイアスの上に成り立った科学であることがわかり、物理学
は結局は人間の大脳が世界をどう理解しているかという心理学の研究に他ならなかった、という
オチがいつかやってくるという運命線の上を我々は生きているのかもしれない、と思わないでも
ない。                                  (引用終わり)


あらら。という感じになってしまいますが、だからといって本書は
物理なんて意味がないとか、科学なんて信用にならないとか、
高校で物理なんて学ぶ価値がないとか、エンジニアなんてほら吹き野郎だとか、
そんなことをいいたい本でないことは明らかで、

まぁ、量子力学についてわかりやすく(?)解説している本のうちのひとつということになるでしょうね。
ボクなんかは「F=maのような認知バイアスの上に成り立った科学 」で認知してきた人間なので
なかなか量子力学の世界は認知しにくいんですけどね。
実生活にはほぼ関係ない世界ですし(笑)

|

« ポタ&麺紀行:芝浜で修業した新店・太田市の「中華そばHIBARI」 | トップページ | ゆるポタ&麺紀行:「いの季日和」の「イワシちらし丼と八割そば」 »

コメント

お読み頂いてありがとうございました。

投稿: 田口善弘 | 2026-04-15 10:46

>田口善弘さん

著者ご本人様ですか。コメントありがとうございます。

投稿: JET | 2026-04-15 14:14

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ポタ&麺紀行:芝浜で修業した新店・太田市の「中華そばHIBARI」 | トップページ | ゆるポタ&麺紀行:「いの季日和」の「イワシちらし丼と八割そば」 »