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新書「あんかけ焼きそばの謎」

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ハヤカワ新書の「あんかけ焼きそばの謎」塩崎省吾著を読みました。

いきなりあんかけ焼きそばってかなりニッチなところを突いてきたなぁという感じもしますが、
本書の著者・塩崎氏はこちらの「ソース焼きそばの謎」を著していた人でして、
この本も同じ出版社であることからもその続編というような扱いの本なのでした。

麺好きなボクでも個人的にはあんかけ焼きそばはそんなになじみがないのですが、
ソース焼きそばとは違うジャンルという印象は強いし、お店も別ジャンルという雰囲気だし、
それにあんかけ焼きそばとひと口に言ってもかた焼きそばとそうでないのがあって
これまたそれぞれはまったく別ジャンルじゃないかとも思えるので
ものすごく謎に満ちている麺料理だなぁとは常々思っていたわけですから、
本書を読まない理由はまったくないのであります、ハイ(笑)

しかも、表紙に(実際には全面帯といえるものなのですが)「アメリカから伝来した!?」なんて書いてあり、
えっ、チャイナからじゃないの? なんでアメリカ? ウソでしょ!?
なんて感情が定まらない状態になってしまい、いてもたってもいられずに買って読んでみました。

 

本書の「まえがき」には次のようにも書かれていて、一刻も早く本文を読みたいとなってしまうのです。

(以下引用)                        ソース焼きそば以前、焼き
そばといえばあんかけ焼きそばだった。それだけなら意外性は薄いかもしれない。だがその
あんかけ焼きそばが、あんかけ〇〇焼きそばだったとしたら。しかも、その〇〇の発祥は中
国ではないとしたら。一体なぜ、どこから、どのように日本に伝来したのか。
 いや、先走りすぎた。ともかく、あんかけ焼きそばは焼きそばの歴史におけるいわばミッ
シングリンクであり、それを埋めることが本書の目論見である。前著を読んでくださった方
には自信を持っておすすめできるし、本書を先に読む方も問題なく楽しんでいただけるよう
に心がけた。  (中略)
 あんかけ焼きそばの謎は、まるで揚げ焼きにされた麺のように複雑に絡み合っている。中
華餡のようなアツアツの熱意を注いで、じっくりと粘り強く、その謎を解きほぐしてみよう。
                                   (引用終わり)

というわけですが、これを読んだだけでも「〇〇焼きそば」が何なのかは察しがついてしまうでしょう。
カタ焼きそばなのか揚げ焼きそばなのか、要するにバリバリに揚げた固い麺に餡かけの焼きそばですね。
そして、それはチャイナからそのまま日本に伝わったのではなく、
帯に書いてあるようにアメリカからというかチャイナからアメリカ経由で日本に伝わったというのです。

もちろん、これは著者の考察であって確定ではないですが、様々な調査を経て本書で解説されてます。
それらについてはここでいちいち紹介しませんが、少なくともボクは確かにと納得できるものでした。

 

それに、本書では、炒麺(チャーメン)、上海風焼きそば、支那うどん、(太麺)皿うどん、
(細麺)長崎皿うどん、さらにはチャプスイ、ちゃんぽんなんかも登場してきて、
単なるあんかけ焼きそばやソース焼きそばだけでなく麺料理の歴史の謎にも触れられていて、
とても楽しめる一冊となっていました。これは前作「ソース焼きそばの謎」以上に面白いです。

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