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文庫「サイコパスの謎」

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王様文庫の「面白すぎて時間を忘れる サイコパスの謎」心理学者内藤誼人(よしひと)著を読みました。

“サイコパス”ってたまに聞くけど具体的に何なのかというとよく分かってなかったりします。
本書の「はじめに」ではのっけから次のようなことが書かれています。
                                 (以下引用)
「サイコパスって、いったいどんな人なんですか?」 (中略)
 なぜうまく説明できないのかというと、サイコパスはあるひとつの性格の人、ある
いはひとつの行動パターンをとる人のことではなく、ある特定の「性格群」あるいは
「行動パターン群」を持つ人のことだからです。          (引用終わり)

そういわれちゃうと余計に分からなくなるというか混乱しちゃいますが、
同じく「はじめに」では次のように続いていきます。

                                 (以下引用)
 サイコパスをわかりやすく説き明かそうとすると、

*ナルシスト
*共感性がない
*無責任
*無感動
*暴力的
*道徳意識の欠如
*場の空気を読むのがヘタ……

と、何十もの特性をずらずらと並べていかなければなりません。   (引用終わり)

ここに挙げられたものも一部なのでしょうけど、具体例を挙げられれば少し分かってきます。
が、誰でもここに挙げられた項目の一部は程度の差こそあれ当てはまる気がしますが、
その境界もなかなかはっきりしないので、まだまだ曖昧模糊とした感じです。

まぁ医学的にはサイコパスと判定するなんらかのテスト(診断法や基準)があるのかもしれませんが、
普通はそんなテストは受けないし、テスト結果を受けて誰々はサイコパスであると公表されないので、
サイコパスってこんな人なんだなと明確になることも一般人にはないわけですしね。

ただまぁ、日常会話でも(早期リタイア後はほとんど誰とも喋らない生活してますが)
誰々はあるいは誰それのこんな行動はサイコパスっぽいよねという話はありますから、
本書ではそんな程度のサイコパス気質が強めかどうかくらいの話として捉えればいいんでしょうね。

 

そして、サイコパスの脳は扁桃体が小さい傾向があり、その点では先天的であると言えるし、
とすれば人生を積み重ねても変わらない(治らない)ということになります。
ただ、すべてのサイコパスがそういうわけでもなく後天的要因でサイコパスになることもあるし、
逆に長い年月を経てサイコパス気質が弱くなって(治まっていく)場合もあるそうです。

なんにしても、この人サイコパスだなと思ったら不用意に近づかないのが得策と言えそうですね。
まぁボクも基本的には会話でお互いを理解し得るという立場ですけど
中にはまったく会話が成立しない人もいるわけで、
そのいう人がサイコパスかどうかはさておいても会話が成立しない人には近づかないようにしますから。

なんて書き方をしていると、自分自身は決してサイコパスではないという前提のようですが
その辺は自分では分からないのですが、本書ではサイコパスの見分け方などにも触れてます。
意外だなと感じたのは次のような話です。
                                 (以下引用)
 相手がサイコパスかどうかは、こちらとその人との「距離」でも判断できます。
 サイコパスは、普通の人に比べてかなり近くまで寄ってくる傾向があるからです。
「うおっ、この人はなんだか顔が近いな」と感じたことがある相手は、サイコパスの
可能性が高いかもしれません。                  (引用終わり)

なんとなくサイコパスは陰湿なイメージを持ってたので人との接触も少なくするのかなと思ったけど、
でもよく考えたら他人のことに無頓着で自己中心的なんだからパーソナルスペースも広くないわけで、
そもそもパーソナルスペースという感覚すら持っていないのかもしれないんですね。

となると、ボクは人見知りタイプだし、パーソナルスペースも広くとりたいので、
その点からするとサイコパス度は低いのかもしれませんねぇ。どうでしょうか。

 

そして、人類は社会性生物であるのに何故サイコパスのような反社会的ともいえる性質の人が
人類進化の過程で淘汰されずに残ったのかという疑問もあるのですが、
それについては次のようにズバッと解説されています。
                                 (以下引用)
 サイコパスが、どうして人類の歴史の中で淘汰されなかったかというと、サイコパ
スほど異性にモテるから。 (中略)
そのため、サイコパスの特性は淘汰されずに、現代にもしっかりと受け継がれている
のです。 (中略)            その理由は、サイコパスの男性は、いつ
も堂々としていて自信満々に見えるから。             (引用終わり)

ふーん、そうなんですね。ボクはモテないしなぁ、、、
それにあまりに堂々としているような人は異性でも同性でもちょっと苦手なタイプですけど。
ただ、これはこれとしてもサイコパスの女性は男性にモテるのか?
サイコパスは男性が多いのかと思いきやそうでもなくて女性のサイコパスも多いらしいですし。

なんにしても、サイコパスといっても全ての面で反社会的であるとも言えず、
むしろサイコパスの方が適した職業=社会的役割などもあると言われています。
例えば次のようなことが書かれています。
                                 (以下引用)
 英国の国立大学であるアングリア・ラスキン大学のクリーブ・ボディは、 (中略)
 この仮説を検証するため、三百四十六名のホワイトカラーについて調査をした結果、
やはり組織の序列でいうと、上の階層になればなるほど、サイコパス度が高くなるこ
とがわかりました。 (中略)
 つまり、どんどん出世していけるという点では、サイコパスは羨ましい特性を持っ
ている人だと言えるでしょう。                  (引用終わり)

これはなんとなく肌感覚でも分かりますかねぇ。
もちろん、全ての会社役員や管理職の人がサイコパス度が高いと言うわけではありませんが、
サイコパス度の高い上層部の方として何人もの顔が浮かびますからねぇ(笑)
また、この点からしてもボクは大して出世もできなかったのでやはりサイコパス度は低いんでしょう。

他にも政治家、外交官、軍人、探検家、アスリート、救急医療関係者はサイコパスに向いているそうです。
最後の救急医療関係者というのは意外にも感じましたけど、
患者が死にそうに苦しもがいていても共感も動揺もしないので冷静に処置ができるからなのだそうです。
一般の医師や看護師などは患者に寄り添って共感してくれないと困るのですけどね。

まぁなんにしてもボクはサイコパス度は高くなさそうですし、
逆にサイコパス度の高い人(特に政治家とか探検家とか新興宗教の教祖とかとか)を
自信満々と見ることも羨ましいとも賛美しようとも思わないんですけどねぇ。

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