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新書「永遠なる『傷だらけの天使』」を読了

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集英社新書の「永遠なる『傷だらけの天使』」山本俊輔、佐藤洋笑(ひろえ)著を読みました。

本書の最初の「プロローグ」は山本氏が、最後の「あとがきにかえて」は佐藤氏が書いてますが、
本文についてはどちらがどんな分業・協業で書きすすめたのかはよく分かりません。
いずれにしても、山本氏が1975年、佐藤氏が1974年生まれとのことなので
ボクよりひと回りほど若く、「傷だらけの天使」を現在進行形で視聴していた世代ではありません。

かくいうボクも「傷だらけの天使」(以下「傷天」)は再放送でこそド嵌りして観入ってましたけど
本放送の時にはその存在すら友達の間でも話題になったことはなかったと思います。
田舎の中学1年生には観てもよく理解できない世界観だっただろうしね。

そして、本書の「プロローグ」には次のように本書の説明がされています。
                                   (以下引用)
『傷だらけの天使』。それは1974(昭和49)年10月から1975年3月にかけて全26本
が放送された伝説的「テレビ映画」である。(中略)
 本書は、昭和の若者たちに鮮烈なインパクトを与えた名作青春「テレビ映画」の制作関
係者の証言、そしてその影響を多大に受けたクリエイターたちの回想をもって、この稀有
な番組の成り立ちを解き明かし、その価値を改めて世に問うものである。 (引用終わり)

ということなので、そもそも「傷天」を知らない人にとってはまったく意味をなさない本ですし、
逆に「傷天」世代の人にとってはどれもこれも懐かしくかつ「へぇ~、そうなんだ」の連続です。

特にオチがあるわけでも、そこに著者の強烈な主張があるわけでもありませんので、
ちょっと面白そうな逸話などを紹介して、本書についての記事とさせていただきます。

 

まずは「傷天」ではなく、その前にショーケンこと萩原健一がマカロニ刑事として出演していた
これまたボクも熱中して観ていた「太陽にほえろ!」での話題です。

(以下引用)               第1話のクライマックスでは白昼の後楽園球
場の客席で、萩原が犯人を全力疾走で追跡する。段差もあり、非常に足元が悪い中で萩原
は走った。段取りなどなく、犯人役を本気で全力で追跡する。受ける犯人役も本気で逃げ
回る。迫真の映像は説得力にあふれていた。「あ、これで『太陽』はいけるな」と岡田は
感じ入ったという。ちなみに、ここで犯人役を演じたのが、子役出身でその演技力には定
評のあった水谷豊だった。                      (引用終わり)

あらっ、2人にはそんな縁があったんですね。
実際にもそんな縁があったことも影響して「傷天」での共演につながったみたいですし。

 

そして、「傷天」でのその2人と言えば、「アキラ~!」と「アニキ~!」の掛け合いですが、
それが生まれたのも次のような経緯からのようです。
                                   (以下引用)
   あのドラマではアフレコといって、収録を終えた後にセリフを吹き込んでいました。
  だからアフレコの段階で変えさせられたセリフもある。収録のとき、修は亨の顔を見
  るたびに勢いで「バカヤロ~!」と怒鳴っていたんですが、プロデューサーから「バ
  カヤローが多すぎるんじゃないかな」と苦言を呈された。だからその部分をアフレコ
  のとき「アキラ~!」と吹き替えたんです。(中略)
 それに水谷豊が「アニキ~!」と呼応して、結果的に『傷天』名物の2人のやり取りが
誕生したのだ。                           (引用終わり)

アフレコだったというのも結構驚かされましたけど、そんないい加減なノリだったんですね。
まぁ「傷天」そのものが全然台本通りではなかったとか、
台本にセリフすら書いてなかった時もありアドリブで進んでいくこともあったそうですし(驚)

それと、この「アキラ~!」っての、個人的にボクはよく覚えているというか浸みついていて、
というのも再放送で観ていた高校生(から大学まで)の頃にとても仲の良い友人がいて、
彼の下の名前が「あきら」だったのでこの「アキラ~」というのが彼のあだ名となってたんですよ。

ボクらの周りではボクも含めて苗字をもじったりしたあだ名が一般的だったんだけど、
やはり「傷天」の影響が強くて下の名前そのものの「アキラ~」があだ名になっちゃったんだよね。

 

ただね。本書ではこんなことも書かれているんですよ。
                                  (以下引用)
 もちろん水谷自身もノッていた。萩原との「オサム~!」「アニキ~!」の掛け合いも
板について、萩原に負けない番組の「顔」としての存在感も、どんどん増していった。
                                 (引用終わり)

あれっ、萩原演じる小暮修(おさむ)の子分格が水谷演じる乾亨(あきら)なので
水谷が萩原に「オサム~!」と呼ぶことはないし、無論萩原が誰かに「オサム~!」と言わない。
ここは「アキラ~!」「アニキ~!」の掛け合いの間違えではないだろうか。

校正も含めて、ここを間違えちゃダメじゃない?

なお、本書では関係者の証言などもそのまま掲載されていることもあってか、
萩原健一も萩原、ショーケン、役名の修、オサム、アニキなどいろいろな名前で出てくるし、
水谷豊も水谷、豊ちゃん、役名の亨、アキラなどごちゃ混ぜになって出てくるし、
他の出演者も同様なので、いちおう「傷天」を観てきたボクでもときどき混乱しちゃうほど。

 

それにしても、帯に書いてあるようにもう「放送開始から50年」にもなるんだなぁ、と感慨ひとしお。
内容的にというか昨今のコンプライアンス事情を鑑みるとテレビでの再放送は絶対無理でしょうから、
ネットででも漁ってまた観てみようかなぁ。

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