« 麺紀行:前橋市の「真心庵 そばひろ」の十割天せいろ | トップページ | 冷凍自販機麺:吉野家×富士宮「牛肉やきそば」 »

新書「クルマの未来で日本はどう戦うのか?」を読了

B240609_4
星海社新書の「クルマの未来で日本はどう戦うのか?」島下泰久著を読みました。

著者の島下氏は「間違いだらけのクルマ選び」を徳大寺有恒氏から引き継ぐ形で毎年著している
モータージャーナリストです。

ボクはその「間違いだらけのクルマ選び」を毎年購読していた時もありましたが、
だんだんと飽きてきて、2015年版の徳大寺氏・島下氏の共著のを最後に買っていません。
徳大寺氏は2014年に死去されてますから、2016年版からは島下氏単独での執筆となってます。

まぁ、買わなくなったのは上述のように飽きてきたからですが、
それにはこの頃になるとクルマの全体の出来もそれなりになってきて間違えも何もなくなりつつあり、
別に好きなモノを買えばそれでいいじゃんということにもなってきたし、

やはり徳大寺氏の毒舌をどこかで読み物として期待していたのにそれが薄れつつあったこともあります。
そして、島下氏になって正直真面目過ぎてこれまた読み物としての面白味がなくなったかなと。

そう、徳大寺氏の評論は決して的を得ているとは思ってもなかったのですが、
その突拍子もない視点・論点が面白いので「間違えだらけ……」だけでなく徳大寺氏の本は読んでます。

一方で、島下氏の本は真面目過ぎて変な視点がないというか正論なので面白味に欠けるんですよね(汗)
ただ、今回は「クルマの未来で……」と、なんか変な日本語のようなタイトルなので、
それで気になって手に取って読んでみようと思ったわけです。

なお、ボクは島下氏とはたぶん面識はありません。
もしかしたら、どこかで顔を合わせたとかすれ違ったくらいはあるかもしれませんが。

 

さて、本書の内容というか、引っ掛かった変な日本語のタイトルについてですが、
「未来のクルマ社会で日本メーカーは……」とか「未来のクルマ観の状況で日本メーカーは……」とか
まぁそんな意味合いのことになりますかね。
ハードウエアとしてのクルマだけにとどまらない話なので、その言外に含みをもたらすためなのかな。

そして、ここで未来といっているのは何もBEV(バッテリー電気自動車)だけの話ではないよ、
エネルギー源や動力源だけの話ではないよということです。

ちょっと前までは、EVに乗り遅れた日本メーカーはもうダメだみたいな論調があったし、
それは昨年読んだ文庫本「EV」でもそうした文脈だったのでボクは違和感を抱いていたわけですが、
ところがここ最近になって世界的にEV販売が急減速するようになると
手のひらを返すようにEVよりハイブリッド車みたいなことを言い出すメディアが多くなったりと。

そこにもまた違和感というか浅はかさを感じるわけで、それは島下氏も同様のようで、
というかちゃんと取材している方なのでそんな単純な話じゃないでしょうという考えもあり
それで本書を著したということだと思います。

なので、まぁいわんとするところはよーく分かりますし、
でも逆に真面目に正論だし、そのとおりですねという感じもあって、逆な意味で面白味に欠けるかなぁ。
あくまでも個人の感想としてですし、変ちくりんなことを書いている人よりマトモでいいんですけど。

 

というわけで、本書の大筋のところの紹介はこのくらいにしておきましょう。
ただ、本文中で「クルマの未来」の一例みたいな感じで語られていたこと、
まぁ語っていたのは某メーカーの方のようですが、
少しひっかかるところがあったので紹介しておきましょう。
                                   (以下引用)
「運転の上手い人の横に乗ると、すごい安心できて、なのになんでこんな速いんだろうっ
て思う。ああいう走りを、運転支援によって実現できれば、運転していても同乗していて
も、クルマで移動することの新しい喜びがもたらせるんじゃないかと思うんです」
                                  (引用終わり)

うーん、どうなんですかねぇ。
スバルも運転支援に頼らず運転が上手くなったかのようなクルマを……とか言ってた人がいましたが、
個人的にはなんか違うなと思うんですよね。

むしろ、往年の樹木希林と岸本加世子出演のフジカラープリントのCMの
「美しい人はより美しく、そうでない方はそれなりに」じゃないですが、
「上手い人はより上手く、そうでない方はそれなりに運転できる」方が安全だし楽しいと思うのよ。

もう少し突っ込んでいうなら、上手くなりたいと意識して走らせればちゃんと上手く走らせられ、
そうでない方はそれなりにダメな部分はダメとはっきりと分かるように運転できる、のが良いかと。
ダメな運転なのに、上手いと錯覚させるのは一番危険なことで、
危険に近い運転は危険な状態だと認識させることがまず大切かと考えているんですよ。

本当に危険なところでは最低限のお助けをしてくるのはいいんだけど
その時はちゃんとウォーニングなどで危険な状態を知らせる必要もあるでしょうし。

アニメ「ハイスピード・エトワール」の世界観ように
ゲームとかクローズド・サーキットのなかだけでの機能としてならいいけど、
公道上で、一般の運転者に対してそういう機能や特性を提供するってのは違うかなと。

それに、そもそもダメな運転って本人はダメとは思ってなくて、
というか上手いとか下手とかそんなことすらまったく意識してない、いわゆる意識低い系なので、
勝手に上手く走れても何も喜ばないでしょうし。

ただ、運悪く下手な運転に同乗させられる身になった時は、こんな機能のクルマだと助かるかもね(笑)
でも、そこまで下手な運転に出遭うことも滅多になかったし、今後はますますないでしょうけど。
それよりやっぱ完全自動運転車を早く出して欲しいですな。ボクが免許返納するくらいまでにね。
もちろん年金生活者でも買えるくらいの価格(サブスク可)でお願いします(笑)

|

« 麺紀行:前橋市の「真心庵 そばひろ」の十割天せいろ | トップページ | 冷凍自販機麺:吉野家×富士宮「牛肉やきそば」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 麺紀行:前橋市の「真心庵 そばひろ」の十割天せいろ | トップページ | 冷凍自販機麺:吉野家×富士宮「牛肉やきそば」 »