« ベルクのお惣菜、「うどんdeナポリタ~ン」 | トップページ | カップ麺:期間限定「濃い味スガキヤラーメン」 »

BLUE BACKS「疲労とはなにか」を読了

B240415_4 
講談社BLUE BACKS 「疲労とはなにか すべてはウイルスが知っていた」近藤一博著を読みました。

もう早期リタイアしてからは疲れて帰ってくるとか疲れが取れないなんてことはないし、
運動するにしてもヘトヘトになるほど追い込むこともないので、疲労とは無縁なんですが、
MPS(筋筋膜性疼痛症)となっていた頃にはちょっとした筋肉疲労が元となって
歩けないほどの疼痛が続くことにもなっていたので、「疲労」には関心があります。

なんですが、何故かサブタイトルに「ウイルス」なんて出てくるので、どうして?となって、
逆にそっちの方がよけいに気になって買って読んでみることにしました。

なお、著者は疲労・うつ病・新型コロナ後遺症などの研究している方ですが
一方で医科大学のウイルス学の教授でもあるとのことです。
なので、本書では一見繋がりがなさそうな、それらが実は大いに関係があるという驚きの内容です。

と、その前にまずは「はじめに」ではこんなことが書かれてますのでその紹介から。
                                     (以下引用)
 ところが欧米では、まず「疲れているのに頑張って働く」ことは、よいことだと思われてい
ません。効率の悪い、愚かな行為だと思われているのです。そのため、欧米の人は疲れたとき
は休んで、仕事の効率を上げようと考えます。疲れているのに無理をして働いている人は、
「自己管理のできないだらしない人」だと解釈されます。日本で「頑張っている誠実な人」だ
と解釈されるのとは大違いです。だから欧米では、疲労の問題は「自己管理」や「労働管理」
の問題とされ、医学的には重要視されてきませんでした。          (引用終わり)

だから世界の疲労研究はなかなか進まず、相対的に日本の疲労研究が進んでいたという話なんですが、
それとは別にこの疲労に対する日本と欧米の意識の違いというのは確かにそうだなと思うところですし
ボク自身のマインドとしては欧米の考え方に近くて、現役サラリーマン時代でも
忙しいアピールや疲れてるアピールやそれでも栄養ドリンク飲んで頑張ってますアピールの人は
苦手というか心の底では「効率の悪いダメな人」だと考えていました。

ただ、頭ではそう考えていても、振り返ってみるとどこか自分自身も頑張っちゃっていたというか
頑張ってる素振りを見せないようにして頑張るみたなことになっちゃってた時期もあったかなと。

MPSなんかも基本的には筋肉自体の疾患なんだけど、
悪循環の途中の血流障害や神経の知覚過敏なんかはたぶんに精神的な面も含まれているので
筋肉疲労+精神的疲労の両面で蓄積されていたのかも知れません。想像でしかないけど。

その点ではボク自身もボクが軽蔑していたダメな人だったのかも知れないですな(恥)

 

ところで、疲労は「生理的疲労」と「病的疲労」に分けられるそうです。
                                     (以下引用)
 仕事や運動などで発生し、1日休めば回復するような短期的な疲労を、生理的疲労といいま
す。
 これに対し、何ヶ月も続き、少々休んだくらいでは回復しない疲労は、病的疲労と呼ばれま
す。(中略)
 病的疲労のなかで、最も発生する頻度が高いのが「うつ病」の疲労です。また、「慢性疲労
症候群」という原因不明の慢性疲労も有名です。              (引用終わり)

本書では主に後者の病的疲労に関して詳しく述べられていますので、
ボクみたいに筋肉疲労などを思い描いて読み始めるとあれっという感じになりますが
MPSにしても何年も続いたのである意味では病的ですし、
それよりなによりあまりに想定外の科学的事実が書かれていて非常に興味深かったのが本書です。

なにしろ、疲労は“すべてウイルスが知っていた”というんですから驚きです。
ですが、素直に言うと、本書の内容は結構難しいです。
聞きなれない専門用語も多用されてるし、予備知識ゼロだと理解しづらいことだらけです。
なので、ボク自身も完全に理解できたとは言い難いのですが、、、
まぁ興味のある方は本書を読んでみてくださいとしか言えないですかね。

 

疲労とウイルスの接点ということについて軽く紹介しておくと、
先ずは疲労を科学的に数値化するのにヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)の利用がある点です。
これは唇にできる「口唇ヘルペス」を引き起こすウイルスで
子供のころに感染して一生涯体内に潜み続けるという潜伏感染するウイルスです。

疲れるとヘルペスが出る人がいるようにウイルスの増減で疲れ度合が分かるのだそうです。
そこから、どうして疲れるとそのHHV-6が増えるのか、それと疲労を感じる仕組みは?
などと話が展開していきます。

もうひとつ、疲労とウイルスの接点では新型コロナ後遺症とうつ病、疲労の関係です。
コロナウイルスそのものが後遺症を持続させているのではないのですがウイルスが関係していると。
さらに、HHV-6とうつ病の関係で言えば、
人のDNAにおいてSITH-1(著者が命名)遺伝子が関与しているということです。
ある意味において、うつ病は遺伝病ともいえるということにもなります。これまた驚き。

 

さらに本書では、最終章において著者自身がこれは空想科学だとしつつ面白い説を唱えています。
それは、次のような説です。

 ホモ・サピエンスは約7万年前にヘルペスウイルスを取り込みSITH-1遺伝子を獲得し、
 それによってうつ病までではないが不安に駆られるようになり、
 結果的に大集団を形成してネアンデルタール人など他の人類を絶滅させたのではないか。

まっ、これについては信じるか信じないかはあなた次第です。ということでしょうけどね(笑)

|

« ベルクのお惣菜、「うどんdeナポリタ~ン」 | トップページ | カップ麺:期間限定「濃い味スガキヤラーメン」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ベルクのお惣菜、「うどんdeナポリタ~ン」 | トップページ | カップ麺:期間限定「濃い味スガキヤラーメン」 »