BLUE BACKS「重力のからくり」を読了
講談社BLUE BACKSの「重力のからくり 相対論と量子論はなぜ『相容れない』のか」山田克哉著を読みました。
先日読んだ「宇宙最強物質決定戦」でもアインシュタイン方程式から「重力を制するものが覇者となる」
ということで、重力を最強の指標として選んでいましたが、本書はその重力についての話です。
ただ、“からくり”なんていうと個人的には機械仕掛けで中身を見ればだいたい分かる気がしちゃうけど、
当然ながらそんな簡単な話でなく本書を読んでもその“からくり”が明らかになることもないんですけどね。
そもそも、重力についてはそのほとんどが未だに分かってないことだらけなのが実際のところで、
サブタイトルにもあるように(アインシュタインの)相対論と量子論は未だに相容れないので、
それらの統一理論(統一場理論)が完成されない限りは重力のからくりは解明されないわけですし。
そして、本書の「はじめに」では次のようなことが書かれています。
(以下引用)
本書では、一般相対性理論の本質を予備知識のない人でも理解できるよう噛み砕いて説明しな
がら、電磁力など他の力とは大いに異なる重力の不思議な特徴について紹介していきます。「質
量」と「重さ」の違いを考えることから始まる旅が、やがて物理学の最前線で探究されている重
要な課題にまで私たちを連れて行ってくれますので、どうぞお楽しみに。(中略)
最終第6章は、本書のハイライトです。「きわめて弱い力」である重力がなぜ、宇宙を支配す
る強大な力になりえたのか――その秘密を解き明かし、物理学を支える二大理論、すなわち一般
相対性理論と量子論がなぜ相容れないのか、その謎解きに挑みます。現代物理学の最先端で活躍
する物理学者たちがいったい何を目指しているのか、その取り組みもご紹介します。
重力とは果たして何者なのか? さあ、ご一緒にそのからくりを探索してみることにいたしま
しょう。 (引用終わり)
ちょっと長々と引用してしまいましたが、本書の内容は要約すればこの引用部分そのものです。
なので、もうこの記事でも「以上」で終わりにしてもいいのですが(笑)、
それではあまりにも手抜きだしネタバレじゃないかとも言われそうですね。
けれども、ネタバレでもなんでもなく重力がなんだか分かってないのが現代科学なので
この「はじめに」のみならず本書をしっかり読んでもネタ=結論はないんですよね。
けっこう序盤あたりでも次のように書かれていて、あぁやはり分からないんだと分かります(笑)
(以下引用)
ただし、じつは厄介なことに、質量をもつ物質どうしがなぜ引っ張り合うのか、その理由はわ
かっていません。質量をもつ物質どうしが引っ張り合う力=万有引力がもし存在しなかったな
ら、太陽も地球も、銀河もブラックホールも、そしてもちろん私たち生物も、この宇宙のありと
あらゆる存在(すなわち万物)が誕生しえなかったわけですが、その根本をなす力=重力が生じ
る原理がいまだ理解できていないのです! (引用終わり)
このように、ただ答えが知りたいという人は本書を読んでも何も得ることはできません。
でも、分かってないから面白いと思えるボクみたいな人間は興味深く読むことができるでしょう。
ただ、日常生活を送る上ではまったくといっていいくらい役に立たないことですけどね(笑)
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