新書「岡田タイガース最強の秘密」を読了
宝島社新書の「岡田タイガース最強の秘密」
吉田義男 田淵幸一 江本孟紀 掛布雅之 金村暁 赤星憲広 改発博明著を読みました。
前回紹介までの単行本4冊に続いてこれで阪神タイガースがらみの本を5連チャンで紹介となり
もういい加減にせいやとの声も聞こえてきそうですが、
まぁ2024年シーズン(キャンプイン)前の駆け込みで
2023年リーグ優勝&日本一の余韻にもう少しだけ浸っていたいということでご容赦を(笑)
なお、今までの「ぶっちゃけ話」「そら、そうよ」「火の玉ストレート」「幸せな虎」までは
ブログ記事は今年になってからですが実際には昨年末に読んだものになりますが、
本書は今年になってから買って読んだものになります。
ただし、発行は昨年12月22日付けとなっていますけどね。
それで、まずは本書の著者たちですが、改発博明氏以外は阪神タイガースOBなどの元野球選手で、
ボクも現役時代から知っている方々ですし、現在でも野球評論活動などもされてますから
彼らの岡田阪神評についてもネットなど含めてよく見聞きしてきた感じですので、
内容的にはそれほど驚くようなことは書かれていません。
まぁ、阪神タイガースファンしかこれを読まないでしょうし、阪神タイガースファンにとっては
別にいまさらの内容であってもそれを読んでウンウンそうだよねぇと思うのも楽しいわけですし(笑)
ただし、改発氏だけは元選手ではなく元トラ番記者、現デイリースポーツ特別顧問ということで
物書きの専門家ですし、視点も少し異なっていて、新鮮に感じる内容も豊富でした。
ちなみに、ぼくは改発氏のことは今までまったく知りませんでした。
というか、改発(かいはつ)なんていう苗字があることすら知りませんでしたよ(汗)
その改発氏は最終章を執筆しているのですが、まずは今回の岡田監督就任の舞台裏を明かしています。
(以下引用)
夏場に球団フロントは1つの答えを出していた。「平田勝男2軍監督を、1軍監
督に昇格させる」という案だった。フロントは岡田監督を怖がっていた。また恐怖
政治が始まる。フロントにとっては最もやりにくい監督だ。その点、平田監督なら
これほど、やりやすい監督はしない。(中略)
角会長が指摘した。「平田監督で優勝できるのか」。(中略)
「鶴の一声」で、最終的には岡田監督で固まった。(中略)
岡田彰布氏に監督要請すると同時に、平田ヘッドのコーチ人事も申し入れた。
(引用終わり)
平田ヘッドコーチはてっきり岡田監督が招聘というか推薦して決まったのだと思ってましたよ。
それが、平田氏に一度は監督要請をしてしまったので手のひら返しにならないように
フロントから岡田監督にお願いする形でこうなったとは意外な話でしたね。
もっとも、フロントからお願いされなくても岡田監督は平田氏を招聘したかもしれませんが。
それにしても、「フロントは岡田監督を怖がっていた」というのは興味深いですねぇ。
前政権時代(2004~2008年)の時はそんな「恐怖政治」だったんですかね。
確かに、改発氏以外の章でも岡田監督は前政権時代より格段に丸くなったという意見が多く、
裏を返せば前政権時代は尖りまくっていて「恐怖政治」だったということなのでしょう。
そのことと関係するのでしょうけど、阪神OBの中でも金村氏が執筆しているのも少し意外です。
というのも、金村氏が阪神に移籍したのは2008年で岡田監督とは1年しか直接の接点がありません。
金本監督、矢野監督時代には阪神の投手コーチをしていたというのはありますが。
ところが、次のような裏話が書かれていました。
(以下引用)
実は私、今回の岡田彰布監督が就任される折に、2軍投手コーチのオファーを受
けてお断りしているんです。 (引用終わり)
その断りの理由がやはり岡田監督の厳しさを知っていたからということのようで、
もちろんそれはフロントに対する厳しさではなくコーチに対する厳しさもあるでしょうが
それよりもやはり選手個人個人に対する厳しさが過ぎるのではないかとの懸念があったようです。
ただし、本書の中で結果的にそれは思い違いであって、
今回の岡田監督には選手(特に投手陣)に対する優しさや気遣いを感じ
それが投手陣の強さにつながっているというような考察となってます。
ここでもやっぱり岡田監督は65歳をすぎて丸くなったということなのでしょう(笑)
最後にまた改発氏の話に戻りますが、他愛もない話というか「最強」とは無縁の話ですが、
ちょいと面白いので紹介して終わりにしましょう。
(以下引用)
わたしには岡田監督の「おーん」が「おーん」と聞こえたことはない。あいさつや、
自分への相づち、接続詞であって、単に「おお」と言っているだけだ。
ところが若い記者には「おーん」と聞こえるらしく、監督も笑ってそのままにし
ている。 (引用終わり)
ボクなんかからすると何と発音してるのかよー分からんというのが正直なところですが、
実際には「おお」と言っているのが関西弁独特のイントネーションなどから
若い記者や関西圏でない人には「おーん」とも聞こえるのかもしれないですね。
でも、確かに文字にしたときに「おお」より「おーん」の方が面白いのは確かですからねぇ。
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