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新書「人類滅亡2つのシナリオ」を読了

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朝日新書「人類滅亡2つのシナリオ AIと遺伝子操作が悪用された未来」小川和也著を読みました。

年末に人類滅亡なんて絶望的なタイトルの本を紹介するのもなんですが、
まぁ年始に紹介するよりマシでしょうし、タマタマのタイミングということであしからず。

で、なにやらSFの話なのかそれともノストラダムスの大予言(懐かしい!)や古代マヤ暦など
少々オカルトめいた話なのかとも思えるようなタイトルの本ですが、
人類滅亡の要因としてAIと遺伝子操作が挙げられていることから科学的な内容の本です。
もちろん、科学だけの話ではなく各国政府や世界的な規制なども関係があるんですけどね。

そして、そのようなAIと遺伝子操作の負の側面を取り上げてネガティブな未来を想像したのが
この本の内容ということになります。
とはいえ、必ず人類滅亡すると著者がそれを示しているわけでも予言しているわけでもなく、
そのような可能性があるということと、それに対してどうすべきか議論しましょうということです。

ここで、面白いのは、いや面白いという言い方は不謹慎かもしれませんが、
今、人類滅亡というと真っ先に出てくるシナリオは地球温暖化と核戦争ということなんだと思いますが、
著者にとってはその2つよりも先にAIと遺伝子操作が挙げられるということみたいです。

個人的には巨大隕石衝突とか太陽スーパーフレアの方がよほど人類滅亡に直結するとは思いますが、
(異星人=未知の知的生命体による人類抹殺や地球征服などはあり得ないと考えてますが(汗))
まぁその場合は誰が悪いとかではないので仕方ないと諦めるだけだと考えてますけどね。
ただ、それを言っちゃうとAIや遺伝子操作でも個人の力ではどうしようもないので、諦めが強いですが。

 

なお、本書では「人類滅亡」の定義を「はじめに」で示していますが、
その中には次のようなことも含まれていて、そこに焦点を当てていると書かれています。
                                   (以下引用)
 ・人間社会が機能しなくなり、人間による文明や技術が崩壊し、人間の生活が維持でき
  なくなる状況。そこには、人間による主体的な統治の終了を含む。
 ・現生人類の個体数が大幅に減少し、種としての生存が不可能になる状況。
 ・遺伝子の変化は種の絶滅に該当しないと考えられることが多いが、一般的なホモ・サ
  ピエンスとは異なる人間、たとえば数世代に及ぶ遺伝子改変の結果、現生人類とはか
  け離れた性質を持つ「ポストヒューマン」が誕生し、種の進化とは見なせない人間に
  ホモ・サピエンスが置き換えられてしまう状態。

 本書における「人類滅亡」は、特に最後の3つに焦点を当てている。  (引用終わり)

ということなので、もしかしたら人によってはその「人類滅亡」の世界を必ずしもデストピアととらえず
むしろユートピアを目指して突き進んで結果的に別の人にとってはデストピアに至ってしまっている、
こんなシナリオもあり得るということです。

あるいは、悪意をもった一握りの集団や特異的な集団がそれらのシナリオを突き進むというより
多くの人々がユートピアに向かうと信じて支持して、気付いたら結果的にデストピアに至ったという、
そんなシナリオもあり得るということです。

そして、本書ではAIと遺伝子操作について様々な問題点を指摘して(もちろんメリットも示してます)
それらにより最悪のシナリオも提示しているわけですが、
そのシナリオをここで書いてしまうとネタバレみたいになってしまうのでやめておきます。

また、最後には「“終末”を避けるために何ができるか」という章で、
その最悪のシナリオにならないような考え方や方策なども提言していますけど
それらも結論だけ書いてしまうのは意味がないですからやめておきましょう。

 

まぁなんにしても結局は人間の倫理観でコントロールするしかない問題ではあるわけで、
それが可能なのかどうかにつきるのだと思いますけど。
ただ、この2つの問題に限らず世界中の人々の倫理観はてんでバラバラなのが現実なので
まぁどうなるのかなぁという感じで、確かに悲観的にならざるを得ないのかもしれません。

ただ、個人的には諦観しつつも楽観的に生きて、そして死んでいきたいと思ってますけどね(笑)

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