文庫本「大谷翔平は、こう考える」を読了
PHP文庫の「大谷翔平は、こう考える 不可能を現実に変える90の言葉」桑原晃弥著を読みました。
WBCでの活躍、ホームラン王、MVP獲得、そして驚愕のFA移籍で話題沸騰ですし、
人間的にもほぼパーフェクトと言えるような大谷選手ですから、
少しはあやかってみよう、というわけでもないですが(汗)
タイムリーな本ということで、買って読んでみました。
まぁタイムリーと言っても、今年の10月16日発行なので、FA移籍前のところまでなので、
それほどタイムリーとは言い切れないかもしれませんけどね。
なお、著者は野球関係者でもなんでもなくフリージャーナリストとして
有名な企業家、投資家、経営者などを扱った著書を多く著しているような方みたいです。
そして、本書は総ページ数200ちょいとたいして厚さもないですし、
見開きの右ページには大きなフォントで大谷氏の言葉が2,3行ほどで簡潔に書かれていて
それに対する背景や関連事項などを左ページで解説しているという構成になっています。
場合によってはその解説部分が3ページほどに渡っているのもありますが、
それでも多くのページ、90の言葉なので90ページはスカスカの余白のあるものですし、
解説の内容についてもあまり小難しい話はないので、すらすら~とすぐに読み終えてしまう本です。
でも、本当に大谷選手の大ファンなら、また大谷選手を見習うような立場の野球少年とかなら、
さらに野球に関係なく人生の糧を得たいのなら、ただすらすら~と読んでハイ終わりではなくて、
大谷選手の言葉をひと言ひと言噛みしめて、そして何度も読み返して、心に刻むんでしょうけど、
まぁさすがにボクはそこまで入れ込んでいるわけでもないのでね。
それでも、また何かの機会には読み返してみるのもよいのかもしれません。
チャンピオンリング獲得とか、再度ホームラン王や3度目のMVPに輝いたとか、そんな時かな。
大谷翔平ならどれも普通に達成しそうですけどね。
中身についてはあまり紹介するのもなんですけど、ひとつだけ(ウソ)
(以下引用)
「僕からはひとつだけ、憧れるのをやめましょう。マイク・トラウトがいて、ムーキ
ー・ベッツがいたり、誰しもが聞いた選手がいるが、僕らはトップになるために来た
ので。今日1日だけは彼らへの憧れは捨てて、勝つことだけ考えていきましょう」
(引用終わり)
これはWBC2023の決勝直前の侍ジャパンの声出しで語ったことで、超有名な言葉ですね。
ただ、後日談で当時の侍ジャパンのメンバーによると、結局最後の場面では憧れちゃったらしいし、
最後のバーターとなったトラウトよりも、味方であり日本人である大谷選手に憧れちゃったみたい(笑)
まぁ、日本球界のトップレベルの選手でも大谷選手には憧れちゃうわけですから、やはり超人ですね。
ひとつだけと書いておきながらですが、もうひとつだけ紹介します。
(以下引用)
なんと言っても、比べる相手がいないので。
どう評価すべきなのか、難しいところです
大谷翔平は2021年にはアメリカン・リーグのMVPを獲得していますが、20
22年にはニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジが大谷を抑えてMVPに
輝いています。(中略)
数字だけを見れば、大谷の成績はどちらもメジャートップレベルであり、その貢献
度は両方をこなす大谷のほうがジャッジを上回るはずですが、メジャーで使われるW
AR(選手の総合貢献度を表す指標)を算出するとジャッジが10.6、大谷が9.6に
なります。理由は大谷はDHで守備につかないため、守備位置補正でマイナス1.7
がつき、結果的にジャッジの数字を下回ってしまうのです。 (引用終わり)
これは大谷自身の言葉がどうこう、あるいは考え方がどうこうという話ではなく、
本書の著者の解説の部分に違和感があるという話ですが、
この本の紹介でも書いてたようにそもそもWARという指標が勝敗への総合貢献度なので
二刀流の大谷選手の場合は打者大谷と投手大谷のWARが合算されているわけで、
だからDHで守備をしていないから補正されるのは計算方法として当然なわけです。
なのに、著者はそれをさも前例がないから正しく計算されてないかのごとく解説するのは
ちょっと違うんじゃないのという気がしましたね。
そりゃぁ確かにDHであっても打者と投手の両方をやる二刀流というのは凄いことだし、
その両方ともに非凡なことを証明しているのは驚異的なことだと思いますけど、
でも、例えばリードも捕球技術も盗塁阻止もトップクラスのキャッチャーがほぼ全試合出場して、
それで大谷選手並の打撃も走塁もした場合、
それを人は二刀流とは呼ばないでしょうけどどっちがMVPなのかは微妙じゃないですかね。
逆に言えば、大谷選手の二刀流は今はDHがあってのことになってます。
仮にDH制度でなかったとき、果たして大谷選手は外野や1塁守備までやって二刀流を続けられたか。
タラレバの話になってしまうけど、不可能でもないだろうし、凄い守備をしそうな気がしますが、
さすがに二刀流にチャレンジするという判断には至らなかったのではないでしょうか。
だから、大谷選手は好きだけど、DH制度ってのは嫌なんだよね。野球の面白味が半減するし。
それゆえにパ・リーグもイマイチ好きになれないのよね。それが個人的な本音。
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