中古車屋さんでスバルｆｆ－１を見てきたけど……

carview! の中古車サイトを眺めていたら前橋市の旧車専門中古車屋さんにて
「スバルｆｆ－１ １１００ デラックス ツインキャブ」と書かれたクルマがあったので、
めちゃくちゃ高くて買えるわけねぇじゃん！と思いながらも気になったので見にいってきました。

気になったのは、１１００ってなってるけど１３００Ｇのグリルじゃねぇという点と、
ツインキャブならスポーツのはずなのにデラックスってどういうことという点です。

ちなみに、その中古車屋さんはこの時にも偶然に前を通って、
なかなか魅力的な国産旧車を中心としたお店だなぁと思っていたお店です。

その後、コロナ禍自粛真っ最中にもスバルＲ－２の程度の良さそうなのが売りに出されていて
ちょいと惹かれるものがあったのですが、自粛しているうちに買われていってしまったようでした。

 
程度は良いです。錆もほぼないし対応されてます。機関も良好。試乗はしてませんけど。

ただし、グリルの１３００Ｇのです。１１００は確か台形グリルだったはず。
ダッシュボードも１３００Ｇのです。１１００は確かスラントした圧迫感の少ないものだったはず。
ただし、この個体は１９７１年製でｆｆ－１シリーズ最終で１３００Ｇと１１００が併売されてた頃で、
そのためにもしかしたらグリルやダッシュボードなどは１３００Ｇと共通化されてたのかも。
この辺は詳しい史料もないのでよく分かりません。

けれども、もともとこの個体はスバルｆｆ－１ １１００ のデラックス（グレード）であったのは確かで、
それにスポーツ用の１１００ｃｃツインキャブを移植して、さらにフロント・インボードブレーキを
整備性の悪いドラムからそこそこ整備性がよいディスクに交換したものとのことです。

なので、１１００のスペーツではボンネット先端に横長の「ＳＵＢＡＲＵ」と書かれた
エンブレムがあるはずなのになかったり、
フェンダーミラーが防弾型でなかったりいろいろとチグハグになってたりするわけです。

さらに、軽自動車用のクーラーを改造して装着しているために押し込み電動ファンを無理矢理付けて、
どうもそのためにグリルを変えたのではないかとのことでした。
それでも良く見るとグリルの一部が切り取られていたりして苦労の跡が見えますが。
個人的には１１００の台形グリルの方が好みなので残念ポイントその１ですね。

さらにさらに、キャブレターを変えたこともあってタコメーターが欲しくなって
それで１３００Ｇ用のダッシュボードに変えたんじゃないのかとのこと。
この辺は前オーナー、前々オーナーなどの履歴が確認できないと真相は分からないですね。
これまた個人的には１１００のスラントしたダッシュボードの方が好みなので残念ポイントその２。

室内は真っ黒けのけではなくて赤もしくは臙脂色を基調としたものでそこは華があっていいです。
シート表皮などは途中で一度張り替えたのか非常に程度がいいです。
でもたぶんちゃんとオリジナルに近い状態になっているのだと思われます。

でも、ダッシュボードはやはり一部上面に亀裂が入ってしまっていて
それを隠すためかカーペットが敷かれていました。
まっ、ボクの赤Ｇのダッシュボードも同じ箇所に亀裂が入っていたので、これはお約束なんでしょう。

それより驚いたのがこのトランクの狭さ。

スバル１０００も同じですが、ｆｆ－１は日本初の本格ＦＦ車で
燃料タンクも安全とトランクスペースを考慮してリアシートクッション下にあるので、
トランクルームはこのようにひとクラス上のブルーバードやコロナをも凌ぐほどなのに
変なボードで仕切られてしまってやたらと狭くなってしまっています。

なんでも後席シェルフに空気清浄器なるものが付けられていて
それが出っ張っているのを隠しているのだそうです。
うーん、そんなオプションがあったのか？　それとも余計な改造しちゃってるのかな？
ということでここも残念ポイントその３です。ノーマルに戻せるならいいんですけど。

ということでは、クーラーもちゃんと効いて壊れないならありがたいというところですが、
やはり無理矢理感もあるし、個人的には別に無くてもそれほど気にならない体質なので
つまりはそこも少し残念ポイントその４とも言えそうな感じかなぁ。

で、最後、トランクは錆もなく安心なんですが、マフラーは朽ちていたのでオリジナルを作ったとのこと。
そこは歓迎ですけど、なんとこの車の排気系はスポーツの２本出しではなくて
（水平対向の左右バンクから出た排気管を左右それぞれのサイドシルに沿って後ろまで持ってきており
　それ故にツインキャブのスポーツは他のグレードとは違う独特の排気音がするのですが）
元のデラックスそのままの１本出しの排気管のままだというのです。

うーん、そこはなんか違うような気がするなぁ。
だったらシングルキャブのままで良かったのに。
てか、そういう経緯だと、圧縮比やカムプロなども含めてスポーツのエンジンになってるわけじゃなく
本当に単にツインキャブにしただけのエンジンということなんでしょうねぇ。
なら、ここも残念ポイントその５、しかもその５はかなり大きな残念ポイントです。

ということで、残念ポイント（何それ？）が１０くらいになっちゃったし、
最近の中古車は高騰しているとは分かっていてもこの価格も残念というか無理なので、
ここは冷静になってこれ以上話を進めることには至りませんでした。