アバルト高前にて「アバルト500e」を試乗してきた
先日、群馬テレビでも放送されている岡崎五朗・藤島知子の「クルマでいこう」を観てたら
アバルト500eというアバルト500(C)の電気自動車バージョンというか
フィアット500eのアバルト版というか、まぁどっちでもいいんですが、それが取り上げられてました。
その中でサウンドジェネレーターというモノが装備されていて、
電気自動車なのにガソリンエンジン車のような疑似サウンドが楽しめるのだそうです。
子ども騙しのニセモノと言っちゃえばその通りなのかもしれませんが、
どんなものなのか実際に体感してみたくなったので、ディーラーのアバルト高前まで行ってきました。
※“高前”というのは高崎-前橋を繋ぐ国道17号 高崎前橋(高前)バイパス沿いにあるからでしょう。
ここはフィアット/アバルト/アルファロメオの3ブランドがひとつとなったディーラーですね。
もっともアルファロメオはいちおう建物が別棟になっている感じでしたけど。
ここへは5年ほど前のこの時に初めて来て以来の2回目ということになります。
それで、特に試乗の予約とかしていたわけではなく、先ずはいろいろと話を聞いてから、
試乗できるならするし、すぐに試乗できないなら予約しておこうかなくらいのつもりでした。
が、幸いなことにカブリオレではない方なら試乗車があり、かつ空いているとのこと。
で、興味の対象のサウンドジェネレーターですが、
簡単に言えば疑似エンジンサウンドをスピーカーから鳴らす、というもの。
似たような疑似エンジンサウンドを作るのとしてサウンドレーサーってなガジェットを買って、
この動画のように少し遊んでましたけど、すぐに飽きたのでリサイクル店で売り払ってます(笑)
ただ、サウンドレーサーは車内オーディオを使ってエンジンサウンドを鳴らすのに対して、
このアバルトのサウンドジェネレーターはガソリン車のマフラーのある辺りにスピーカーを設置し
車外に向けて疑似エンジンサウンドを鳴らしているのが違うところです。
もちろん、車外に向けてアピールする部分もあるでしょうけど、
それをガソリン車と同じように反射音も含めて車内のドライバーも聴くことになるわけです。
なので、今回の試乗では試せませんでしたけどトンネルなどに入ったりすれば音質変化もあるでしょう。
一方で、疑似エンジンサウンドが聴こえるのはマフラー付近からの疑似排気音がメインということです。
メインというよりそれしか再現していない。
アルファロメオ(今のはしない?)などのように軽い負荷の定常走行でもシューとかルルルゥとか
奏でるようなエンジン音がエンジンルームから聴こえてくるわけではないし、
そこからスロットルを開けた時にクォォッとかクォーンとか吸気音の息吹が感じられはしません。
ってなことを同乗していたセールス氏と会話していたら、
「そもそもアバルトはガソリン車でも排気音だけです。」ときっぱり言われてしまいました(笑)
アイドリングでもボッボッボッというやや低音のあまり美しくない排気音がアバルトらしさのようです。
※追記)もともとはRRのフィアット500のオマージュが現代のフィアット500であり、
そしてそのRRのフィアットアバルト500のオマージュとして現代のアバルト500があるので、
なのでRRっぽく後ろからしかエンジン音が聴こえないというのはアバルトらしさの表現なのかもね。
それと、当然なのですが、トランスミッションは存在しないのでシフトアップもシフトダウンもなく、
加速していくと疑似サウンドは単調になってリズム感は生まれません。
ここが一番残念というか変というかずっこけるところですかね。
あとは、「くるまでいこう」でも指摘されていたけど、サウンドジェネレーターのON/OFFが
走行中に気軽にできないということです。飽きてきたら、一度停止しないとOFFにできません。
サウンドジェネレーター以外のところはあまり興味はなかったのですが、
まぁ電気自動車ということでアクセルに対するツキみたいなものはかなり良くてスポーティ。
特に最近の環境対策されたガソリンエンジン、さらにはそのターボ車なんかは腑抜けてるので、
それに比べたら天と地ほどのレスポンスがありますね。
乗り心地はまぁまぁ、でも18インチの超偏平タイヤ装着とのことでタイヤ交換はバカ高いでしょう。
あと、最後まで馴染めなかったのが異様に腰高感があったこと。
電池で重心は低くなってるはずだけど、着座位置がかなり高いんですよね。
でも、電気自動車だから高いんじゃなくてフィアット500はみんな高いんですよとのこと。
まぁ、慣れの問題でもあるでしょうけど。
そうそう、慣れという点では、やはり最初の曲がり角でワイパーを動かしちゃいしたよ(笑)
最後にもう一度、サウンドジェネレーターの話を。
停止した状態(NかP)でアクセルだけ煽ってもブォーン・ブォーンと空ぶかしのサウンドが鳴るんだけど
これがレスポンスが悪いのには笑っちゃった。
おそらく、アバルト500のガソリンエンジン車の音をサンプリングして再現しようとしたんでしょうが、
せっかくの電気自動車で走らせればレスポンス抜群でツキがいいのに
それを思わせるような歯切れの鋭い空ぶかしサウンドになっていないのよね。
エンジニアがのべ6000時間以上かけて作り上げたというのにしては、画竜点睛を欠くとはこのことかな。
ということで、面白いし、買ってしばらく楽しめるでしょうが、実質航続距離200kmちょいなのに
700万円近い価格(カブリオレ、補助金は別)のクルマには食指が動きませんわなぁ。
って、最初から冷やかし気分で見に行っただけで買う気はさらさらなかったんですけどね(笑)
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