新書「お金の賢い減らし方」を読了
本書の「はじめに」では次のように書いてあります。
(以下引用)
この本は、そんな「お金の呪縛を解くこと」を目的にしています。「たかがお金」なので
す。お金を中心にものごとを考えるから、お金の呪縛に陥ってしまうのです。(中略)
そう考えると、お金に対する見方が根本から変わってきます。お金は使ってこそ価値のあ
るものです。
本書では「人はなぜお金が好きなのか」「お金ってじつは単なる記号にすぎない」、そして
「お金は増やすよりも使う方が楽しい」といった話が次々と登場してきます。(引用終わり)
うーん、「90歳までに使い切る」とか「賢く減らす」ための具体的な方法論が書かれているわけでなく、
むしろ精神的なというか心のもちような抽象的なことが多そうな予感ですね。
実際に読んでみても、やはり抽象的なことが多かったですが、
お金に対する考え方などは人によっては目から鱗みたいなものもあるのかもしれません。
ただ、ボクは前述の通り、すでに「死ぬまでに使い切る」ことをよしと考えているわけですから
そのようなお金に対する考え方なりなんなりは既に思っている通りのことなので、
まぁ今さら感がなきにしもあらずってことになりましたけど。。。
では、幾つか興味深いことなどをトピック的に紹介して終わりにしましょう。
まずは、投資の儲けは不労所得と言えるのか?という内容です。
(以下引用)
日本では多くの人が、「投資の儲けは不労所得」だと思っています。(中略)
経営者がリスクを取って事業を行なうのと、投資家がリスクを取って投資をするのは、ま
ったく同じことなのです。(中略)
でも、利益というものは、そういう不確実性=リスクの対価として生まれてくるものなの
です。その本質が理解できていなければ、「投資の儲けは不労所得だ」と思うのも無理はあ
りません。 (引用終わり)
言葉の定義によるのですが、ボクも投資などで不労所得を得ているという表現には違和感があります。
特に、アーリーリタイアとかセミリタイアとかを標榜している方のブログなどで
人によってはかなりお金に執着してるみたいで株で幾ら儲けているとか書いていたり、
あるいはそれでリタイア資金が減ってないとかを自慢気に書いていたりするのをみると
それってリタイアではなくと投資という仕事で稼いでいるだけのことではないのかなと思うわけです。
経営者でもないですし、大きなリスクを取っているのではないでしょうけど、
少なくともお金に執着しているのはその通りでしょうし、
そもそもリタイア資金が減っていかないことをよしとすると、
死ぬまでにそのお金はどうするの?と突っ込みをいれたくもなりますからねぇ。まぁ他人は他人ですが(汗)
次は貯蓄と投資についての話です。
(以下引用)
「貯蓄から投資へ」というキャッチフレーズによって、何だか預金は世の中のためにならな
いかのように思っている人がいるかもしれませんが、決してそうではありません。
預金というのは、個人が銀行にお金を貸し、銀行はそのお金を企業や個人に貸すという構
造になっています。したがって、間に銀行が入るものの、これも世の中にお金を回している
ことに変わりはありません。 (引用終わり)
これもボクにとっては当たり前の考え方でしかないんですけど、
確かに人によっては預金だけをバカにしてどうして投資しないのという風潮はありますね。
欧米ではみんなが投資しているのに日本人は金利がほぼゼロなのに預金だけだとか。
ダメなのはタンス預金など現ナマで自宅などに大量に置いておくことで、これならお金は回りません。
ただ、著者は投資せずに預金しろといっているわけではなく、
むしろ資産形成期には投資信託などを活用することを推奨しているんですけどね。
でも、資産形成期を過ぎ老後に突入していく時にはもう増やす方法でなく減らす方法を考えないと。
また、FIRE(Financial Independence,Retire Early)にも触れられています。
(以下引用) 日本で
のFIREのブームの背景には、「まず、早く今の仕事を辞めたい、そのためにお金をたく
さんこしらえておきたい」という考えがあるようです。すなわち「経済的な自立を目指す“F
I”」よりも「早く引退することを表す“RE”」の方に重点が置かれているようなのです。
(引用終わり)
これなんかもボクがこの記事の最後に書いた結論的なこととまったく同じ話ですかね。
次は渋沢栄一についての話です。これはボクも少し誤解していたところがありました。
(以下引用)
一昨年(2021年)に放映されたNHKの大河ドラマは、日本の資本主義の父といわれ
る渋沢栄一を描いたものでした。彼の著作として有名なのが『論語と算盤』です。多くの人
は、この本に書いてあることを「商売というものは儲けるだけではなくて倫理観がないとだ
めだ」と解釈しています。中には、現代のESGやSDGsの先駆けだという人もいます。
でもそれについて、私はちょっと違うのではないかと思っています。彼がいいたかったこ
とは、「商売で一番儲けようと思うと、道徳的であることが必要なのだ」ということです。
つまり「儲けるだけでなく道徳も必要だ」ではなく、「道徳的であることが一番儲かる」と
いうことなのです。 (引用終わり)
なるほど、ボクは前者だと誤解してましたし、そんなの結局は性善説でしかなく、
実際に経営者たちが儲けと同時に道徳的であろうするのは保証されるわけないし、
だから渋沢栄一の言っていることは非現実的だし綺麗ごとでしかないと考えてました。
「道徳的であることが一番儲かる」と主張したのだとすれば、ある意味では納得ですね。
だから彼は儲けたわけですし(笑)
ただ、今の世の中は長く続くかどうかはさておいてもBMをはじめ非道徳的企業が多いですが……
まっ、BMなどの非道徳的企業がしばらくでものさばることが出来るのは
我々顧客側のレベルが低過ぎるという問題もあるのかも知れませんし、
当局が見て見ぬふりしたり、業界内部の癒着などもあり、非道徳的所業が日常化するんでしょうけど。
最後は老後はサラリーマン脳を捨てなさいという話で、まぁそれがお金の賢い減らし方にも繋がりますが、
退職してからいきなりサラリーマン脳を捨てるのはなかなか難しいので、ということで、
(以下引用)
私はいつも、50代の社員の人たちへの企業内研修において、「50歳になったら早く成仏し
なさい」と言います。「成仏する」というのは、もちろん比喩的な表現であり、具体的にい
えば、会社での立場とか出世を気にするのをやめよう、ということです。 (引用終わり)
あはは、ボクは50歳になる前から、いやもう社会人になった時から社内での立場とか出世とか
まったく気にしないで「周りとぶつかろうが上に嫌われようが」主張してましたから、
最初からサラリーマン脳にはならなかったですからねぇ。
だから、早期リタイアした/できたと言えなくもないかもしれませんが(爆)
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