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単行本「食欲人(EAT LIKE THE ANIMALS)」を読了

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サンマーク出版の「新版・科学者たちが語る食欲 食欲人(EAT LIKE THE ANIMALS)」
デイヴィッド・ローベンハイマー、スティーヴン・シンプソン著、櫻井祐子訳を読みました。

日本語タイトルだと「食欲のある人」とか「食欲に溺れる人間」みたいな感じなのかと思いましたが、
英語タイトル、原題だと「動物のように食え」みたいな感じで、「食欲人」と繋がらない感じです。
まぁでも、サブタイトルの「科学者たちが語る食欲」ということなら、
「食欲」について科学的に研究した結果をもとに書かれているのだろうなと想像できますかね。

著者の二人はどちらもシドニー大学の教授で、なんと昆虫学者だということです。
なので、本書は人間だけの話にとどまらず、菌から昆虫、ほ乳類、霊長類、そして人間まで登場します。

 

そして、本書の言わんとするところはひと言でいってしまえば帯に書いてあることそのものです。
つまり、食欲のほとんどはタンパク質欲で、タンパク質を満たすまで食欲が止まらないのだそうです。
お腹が膨れるまで、つまり総重量とか総容積でもなく、ましてや総カロリーでもないのです。
だから、タンパク質の不足している食事では食べ過ぎ(糖質過多、脂質過多)となってしまうのだと。

タンパク質はわれわれ人間、動物の身体=細胞を作っているわけですから
確かにそれが不足すると生存に重大な問題を生じるのでタンパク質欲が優先されるのも納得しやすい。
糖質や脂質は重要なエネルギー源ではありますが、脂肪として蓄えることができるので、
短期的に不足したからといってすぐに大問題とはならないということでしょう。

とはいえ、炭水化物欲とかもまったくないわけでもないとのことで
ただそれよりタンパク質欲の方が圧倒的に優先されるのだそうです。
面白いのは(笑える話ではないですが)、タンパク質欲が優先されるということは、
タンパク質が十分になったら食欲もなくなるのでそれ以上タンパク質が過剰にはならないということです。

これはどういうことかというと、タンパク質の過剰摂取は人間や動物にとっては害になるからだそう。
そう、低タンパク質食では結果的に糖質過多・脂質過多の食べ過ぎとなり肥満を招き、健康を阻害します。
でも、一方で高タンパク質食を無理に食べ過ぎればそれは害になり、
統計的にも寿命を縮めてしまうのだそうです。

まぁ、これらについては詳細なメカニズムまで解明されているわけでもないのですけどね。
食欲≒タンパク質欲だといっても実験結果から導かれているものの、そのメカニズムは分かっていません。
我々は通常はタンパク質を何g摂取したかなんて計算して食べているわけでもないので、
味覚、例えば旨味を感じた累積などで食欲が満たされているのかもしれませんが、推測にすぎません。

高タンパク質食の過剰摂取が寿命を縮めるのも統計的結果であって、メカニズムは不明です。

 

さらに帯に書いてあるようにタンパク質が欲しくて「ペンキ」まで食べると。
さすがにペンキは食べないけど、ここでは化学物質や異常に加工された食べ物
(本書では「超加工食品」と呼ぶ)、例えばトランス脂肪酸などを象徴的にそう称してます。

逆に言えば、そのような超加工食品を避け、タンパク質の豊富な物を食欲を満たすだけ食べていれば、
太らないし健康でいられると。
それはつまり、動物がやっているように食べなさいということですね。

もっとも、動物と言ってもペットのワンコやニャンコや動物園の動物や家畜では
自然に調和された食事ではないので、人間と同じことが当てはまるのかもしれないですけどね。

それに、現代人はその食欲≒タンパク質欲も人間本来、あるいは動物本来が備えているものよりも
かなり歪んでしまっていて、その閾値がズレたり、狂ってしまってる人も多いようで、
そうするとそれだけで食べ過ぎたり、高タンパク食に偏ったり、
もっと怖いのは超加工食品の食べ過ぎに陥ってしまい、健康を阻害してしまうというわけです。

まぁ、化学物質や超加工食品をまったく口にしないというのは
自給自足の生活とかをしない限りはかなり難しい話ですし、
ボクみたいに外食やスーパーやコンビニの惣菜やインスタント食品・冷凍食品に頼っていては
相当の量の化学調味料や保存料などを摂取しているので、半ばあきらめてはいますけどね。

それでも、まぁなるべくジャンクフードは避けた方が無難なんでしょうし、
タンパク質摂取を心掛けつつ食べ過ぎには注意すべきなのでしょう。
それと食物繊維の摂取も大切だと本書には書いてあります。
というと、結局はそんなに目新しい話ではなくて当たり前の結論とも言えますけどね。

 

さて、もう完全にネタバレのような紹介となってしまいましたけど、
もちろん結論だけが重要なのではなく、その実験過程や思考の過程など本書では詳しく書かれていて、
バッタでの実験とかゴキブリでの実験などをはじめ、それぞれ大変興味をそそられものでした。
雑学的な話としても面白いことが幾つもありますので、興味のある人は読んでみてくださいね。

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