単行本「還暦後の40年」を読了
平凡社の「還暦後の40年 データで読み解く、ほんとうの『これから』」長澤光太郎著を読みました。
ボクはもう還暦を過ぎてしまいましたけど、まぁ2週間くらいは誤差の範囲なので許されるでしょう。
そして、本書はまさにボクみたいな還暦世代を読者ターゲットにしたような内容となっています。
少なくとも、今90歳とか100歳の人が読む内容ではないし、
逆に30歳以下の人が読んでもほとんど参考にもならない内容と言えます。
そして、還暦後の40年と言われると100歳になってしまい、単純に「人生100年時代」かよ、
いつもの長生きリスクを煽るような内容かよ、と思ってしまうところでもありますが、
そこまで単純な話でまとめられているわけでもありません。
サブタイトルに「データで読み解く……」とあるように、大規模データや様々な試験データを元に
分析・解析した結果からこれこれのことが予測されます、という内容になっています。
ですから、寿命という点においても、単に日本人の平均寿命をもってきただけではなく、
平均余命の考え方がきちんと入っていますし(ボクはおおよそここまでで考えてますが)、
さらに年々とその平均余命も上がってきていることから(その理由は明確ではないですが)
その予測値も取り込んで、帯に書いてあるように「ほとんどの人が90歳超え」としています。
まぁ“ほとんど”といっても、本書の中身では
「現在の還暦世代は男女とも半数以上が90歳に到達する可能性が高い。」と書いてあるので、
8割、9割の人が90歳まで生きるということではなく、半数以上=大半というくらいだし、
ましてや本書のタイトルのように還暦後に40年、つまり100歳まで皆が生きるでもないんですけどね。
ボクはリタイア後の資金計画にあたっては、この記事のように85歳まで生きる仮定で計画しましたが、
この本によると90~100歳までは覚悟しておく必要があるということになるかもしれないですね。
ただし、いちおう長生きリスクについては別途リスクヘッジは考えてあるので、
まぁよほどのことがない限りは大丈夫じゃないかと楽観的にかまえてますけど。
そうそう、本書の中身は基本的に楽観的な内容となっています。
こんなに長生きしちゃうから、こんなに資金が必要だから、せっせと投資せよって煽りはありません(笑)
本書の冒頭では数ページに渡って、見開きで右ページに「それってほんと?」として
巷でよく言われているような話や疑問が大きく書かれていて、
左ページに「あらたな気づき」として事実がこれまた大きく書かれています。
こういう書き方をするってことは、右ページの内容は左ページで否定・訂正される構図です。
その右ページの「それってほんと?」にはこんなことが挙げられています。
(以下引用)
だいたい平均寿命くらいまで生きる。
加齢に伴い、体力は衰える一方だ。
「健康寿命」は、「平均寿命」よりもかなり短い。
「健康寿命」を過ぎたら、寝たきりの生活がまっている。
歳とともに記憶があやしくなり、だんだん頭が働かなくなってくる。
2人に1人はがんになる。
日本の認知症患者は、30年後には、1000万人を超える。 (引用終わり)
つまり、そんなことはないよ、とこの本ではデータで示してくれているわけです。
これらについての詳細な紹介はここではしませんが、
ひとつだけ「健康寿命」についてだけ少し補足をしておきましょう。
(以下引用)
WHOによる健康寿命の定義は、「病気やけがなどで完全な健康状態に満たない年数を考慮
した、『完全な健康状態』で生活することが期待できる平均年数」です。(長い中略)
「あなたは現在、
健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」という質問項目があり、これに対して「あ
る」と回答した人は「日常生活に制限あり」に分類され、ただちに「不健康」に分類されてし
まいます。その回答は、回答者自身の判断に委ねられています。 (引用終わり)
ありゃ、健康寿命ってそんな適当に、そんな程度のことで算出されてるんですね(笑)
健康寿命を過ぎたら寝たきりとかで生きる楽しみは何もないって状態ではまったくないんですか。
恥ずかしながらボクも勘違いしていたひとりです(恥)
そして、著者は「健康寿命」ではなく「自立寿命」という考えを推奨しています。
(以下引用)
一つの試みとして、「他人の世話にならずに生活できる人」を、介護保険の「要介護2」ま
で、もしくは要介護認定を受けていない人と定義して計算するとどうでしょうか。要介護2と
いうのは、杖をついて歩くような状態のイメージです。これを仮に「自立寿命」と呼ぶことに
します。 (引用終わり)
なるほど、その方が確かに分かりやすいですかね。
ただ、地方で公共交通機関が脆弱なところだとクルマや自転車に乗れなくなった時点で
自立困難に近づきますから、もうちょっと自立寿命は下がるかもしれませんけど。
いずれにしても、自律寿命となるのは「亡くなる前の1~3年」とのことなので
その期間のことをあまり心配してもしょうがないと楽観的に生き、そして逝きましょうかね(笑)
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コメント
還暦ですか、同世代ですね。
最後のクルマとして赤帽サンバーパネルバン購入しまして検索して
たらたどり着きました。
バックブザーがスモール連動だったので?と思ったらやっぱり
仕様だったんですね、面白い。
私のクルマ、群馬の赤帽でしたよ!
投稿: KAZZ道民 | 2023-07-11 15:59
>KAZZ道民さん
初めまして、コメントありがとうございます。
赤帽パネルバン仲間でしたか、けっこう珍しいですよね(笑)
でも、同世代ということだとしたら、
最後のクルマというにはまだまだ早いような気がしますが……
もちろん、これから長い間をサンバーと過ごしていきたいのはお互い様のことではありますけどね。
今後ともよろしくです。
投稿: JET | 2023-07-11 18:46