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新書「スマホはどこまで脳を壊すか」を読了

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朝日新書の「スマホはどこまで脳を壊すか」榊浩平著、川島隆太監修を読みました。

以前に読んだアンデシュ・ハンセン著の「スマホ脳」とかぶるような内容となっていますが、
ハンセン氏がスウェーデンの精神科医であるのに対して
著者の榊氏も監修者の川島氏もどちらも東北大学加齢研究所にて脳科学の研究をしている方です。
川島氏が研究所所長で榊氏が助教ということなので師弟関係や上司・部下関係なのですかね。
なので、部下に書かせて、上司がチェックしたというところでしょうか(笑)

なんにせよ研究者ですから自ら研究・実験した結果なども踏まえて本書は書かれています。
なお、川島氏はニンテンドーの「脳トレ」などの監修にも携わっているそうです。

ですから、本書ではニンテンドーの「脳トレ」についてはその効果を否定していません。当然ですが。
でも、前に読んだアンデシュ・ハンセン著の「運動脳」によると
「脳トレ」(コンビュータゲームやアプリによる認知トレーニング)やクロスワードパズルでは
ゲームやパズルが上手くなるだけで認知機能にはなんの効果もない(それより運動しろ)とのことでした。

それに対して本書では、次のように脳トレゲームの効果を説明しています。
                                   (以下引用)
 取り組みの前後での検査の点数の変化量を二つのグループで比較した結果、脳トレゲー
ムのグループの方が、パズルゲームのグループと比べて、実行機能、作業記憶、処理速度
の点数が統計的に有意に高く上昇していました。            (引用終わり)

この検証のやり方などは詳細に解説されてますけど、
結果は具体的な数値を伴うことなく単に「統計的に有意」としか書かれてないので、
どれだけ有効だったのか、何%の差が出たのか、あるいは年齢換算で何歳の差がでたのか、
そこまで書いてくれたら、脳トレが凄いのかどうなのか分かりやすかったんですけどね。

そして、さらに次のようにも書いてあります。

(以下引用)         一方で、科学的な検証が十分になされていないような、脳
トレ風のゲームについては、効果がないことが報告されています。    (引用終わり)

わはは、いかにも脳トレするなら(自分が携わった)ニンテンドーに限るって言いたげですね(笑)
それでもこの章の最後には次のように書いてあります。

(以下引用)                                 運動
を行なったグループの方が、何もしなかったグループと比べて、実行機能、記憶(エピソ
ード記憶)、処理速度の点数が統計的に有意に高く上昇していました。
 このように、適度な運動習慣を心掛けることも、認知機能の維持や改善につながるとい
えます。                              (引用終わり)

この内容は「運動脳」に書いてあることと符合しますね。
ニンテンドー脳トレと運動とどちらがより有効だったのかまで書いてほしかったですけど。

 

さてさて、本書の内容ですけど、もうタイトルだけで言わんとするところの想像はつきますが、
はじめに」では次のように説明されています。
                                   (以下引用)
 本書では、社会の「デジタル化」にともない、私たちの生活の一部となったインターネ
ットの使用習慣を「オンライン習慣」と定義し、我々が脳科学研究の中で発見した危険性
について大きく二つの点を、みなさんと情報共有したいと思います。いずれも、オンライ
ン習慣は人を必ずしも幸せにするものではないことが科学的に明らかになったものです。
 一つ目は、スマートフォン(以下スマホ)に代表されるデジタル機器の「害」について
です。(中略)
 もう一つは新型コロナ禍において、社会のスタンダードになってしまった感のあるオン
ライン・コミュニケーションに関してです。              (引用終わり)

ということなので、本書のタイトルは「スマホは……」ですが、
何もスマホだけに限った話ではなくタブレットやパソコンなども含まれていますし、
その使い方も動画視聴、ゲーム、SNSだけでなくオンライン会議などにも及んでいます。

前者のスマホの害というところ、特に子供のスマホ使用、というより乱用による
脳機能の発達障害や機能低下などについては、確かに本書のタイトルはピッタリですが、
後者のオンライン・コミュニケーションの問題としては、スマホは脇役だし、
脳を壊すというよりコミュニケーションの質の低下を問題視しているので、
本書のタイトルからは少しズレた内容となっていると感じます。

後者は脳を壊すというより人間関係を壊すという感じですからね。
人間関係を崩した結果として脳を壊す(心を病む)ことになるのかもしれませんが。
本のタイトルとしてキャッチーなものを選んだということでしょうけどね。

 

まぁ、いずれにせよデジタル機器の弊害をデータで検証したという内容の本ですが、
だからと言って、デジタル機器を使うなということは現代社会では無理ですし、
子供のスマホ使用についても一切禁止するというのも難しい話でしょう。

なので、それらとどのように付き合っていくのか、
依存することなくあくまでも人間側が主体的にそれらを利用するかが問題でしょう。
そのために本書のようなデジタル機器の弊害を踏まえておくことは大切なことなんでしょうね。

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