ブルーバックス「無限とはなんだろう」を読了
BLUE BACKS の「無限とはなんだろう 限りなく多く、大きく、遠いふしぎな世界」玉野研一著を読みました。
以前に読んだ「円周率πの世界」や「世界は『ℯ 』でできている」などと同じように
左開きの横書きで書かれていて数式もバンバンでてくる内容の本となっています。
著者はもちろん、大学教授で専門は集合論的トポロジーということだそうです。
ボクはいちおう理系なので数学は嫌いでも不得意でもなかったですし
元エンジニアですから理数系にはそれなりに馴染んできたはずなので
それほどこの本を読むのは苦にならないと思っていたんですが……
いやー、かなり手こずりました。
無限なんて自動車エンジニアにとってはホンダ系列M-TECの無限ですか?となってしまうくらい
工学的に無限という概念は使いませんからねぇ。
もちろん、微分・積分なども無限という概念から出てきているわけですが、
それを級数とかから考えることなく既にツールとして身に着いている微分・積分として使うので、
あらためて無限という概念からそれらを掘り下げて数学として説明されてもかえって混乱しちゃいます。
まぁ、そういう意味では高校数学とかの段階でそれらを如何に分かったような気になって
そのまま受け入れていたかというのを思い知らされた、とも言えますかね。
数式の一行一行を真剣に熟考して追っていけば、おおよそは理解できるとは思いますが、
もうすでにそういう熱意を失ってしまい面倒くさいと思ってしまう自分がいるのも知りましたし(汗)
なので、本書の中身の紹介はトンチンカンになりそうなのですっとばして
「おわりに」に書かれてあることを紹介しておきましょう。
(以下引用、改行位置変更)
無限の哲学的考察から出発し、数学のさまざまな局面で、無限の風景をかいま見てきた。いかが
だっただろうか。無限遠のはるかかなたから届く、光の粒たちの会話を聞き取っていただいただろ
うか。そして、豊かな無限そのものを感じ取っていただけただろうか。
(中略)
この本は何を言いたかったのかなどと、深刻に考えなくて良い。カントールが言ったように、数
学の本質はその自由性にあるのだから。
視点を変えるだけで、ものごとの見方が全く変わってしまう。そんなことを少しでも感じとって
いただければ幸いである。 (引用終わり)
ということなので、深刻に考えずに自由に読んで、少しだけ感じとれたので良しとしましょうかね(笑)
なお、無限とは直接関係ない話ですけど、ふむふむと思うところがあったので紹介しておきましょう。
(以下引用、改行位置変更)
一般に数学の公式のうち、多くのものは、ある程度ポイントさえ押さえていれば自分で作ることが
できるのである。公式はなるべく忘れた方が良いのだ。公式を忘れてしまう。そして、その度に自
分で公式を作ってみる。それが数学が得意になる秘訣の1つだ。それにもかかわらず、ほとんどの
学生は、数学を暗記科目と考えている。数学が得意になるためには逆効果である。 (引用終わり)
うんうん、ボクは数学を暗記科目だと考えたことは今まで一度もないですね。
公式を作るというとやや違和感を覚えますが、導き出すというのはその通りで、
いきなり公式を暗記するなんてことはせずに必ず導き出し方を身に着けるようしてましたし、
だからすぐに導き出せるようになっていたから、公式中の符号なども間違えなかったし、
それで何度も使うような公式は自然と丸暗記できちゃったという感じでやってましたね、学生の頃は。
でも、中には問題集などで出題と答え、解き方を丸暗記するのが数学の勉強だと
思っていた人がいるのも確かで、テストの後に知らない問題が出てきたとか言ってる人もいましたけど。
知ってる問題が出てきたらそんなのネタバレでなんの面白味もないのにねぇ。なーんてね(笑)
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