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新書「世界珍食紀行」を読了

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文春新書の「世界珍食紀行」アジア経済研究所 山田七絵編を読みました。
前回紹介の「『美食地質学』入門」は日本の食でしたけど、こちらは世界の食、しかも珍食です。
本書の「はじめに」では次のように本書のなりたちを説明されています。
                                   (以下引用)
 本書は、開発途上国の専門家が集うアジア経済研究所(通称、「アジ研」)の職員三七人
(元職員、編者を含む)が、世界の三五の国・地域で体験した食をめぐるカルチャー・ショ
ックについて思う存分語ったエッセイ集である。(中略)
 また、本書は「珍食」と銘打っているが、食を手掛かりに現地社会をよりよく理解する
ことをテーマとしている。したがって、いわゆるゲテモノの類ばかりを取り上げているわ
けではない。                            (引用終わり)

ボクはあまり海外旅行を好んで行く方ではないですし、特に開発途上国などには行ったことないし、
ましてや日本ででもわざわざ珍食というようなものに挑戦しようなどとは思わないです。

でも、だからといって海外でも和食以外は食べられないというわけでもないし、
もちろん麺料理以外は食べないというわけでもないし(笑)、
むしろ海外ではその地で普通に食べられるている料理を楽しもうという意識が強かったです。

出張でも旅行でも海外に行くということは、その国・地域の文化や風土を知ろうということなので、
それは単に車や交通だけでなく料理というか食文化もそれに含まれると考えていたからです。
けれど、ボクより年上の世代の人の中には、どうしても和食でないと嫌だという人もいて、
そういう人たちと出張に行くと、バカ高いくせに大して美味くもない和食(風)の店ばかりとなり、
辟易した思い出がありますね。

まっ、そういう海外での和食もどきのものもある意味で珍食だったり、
海外から逆に日本をどう見ているかなど面白味はありますけどね。

 

で、今回はボク自身の経験と少し関係してるような話を紹介していきましょう。

(以下引用)       ちなみに、日本では近年、中国系住民の多い埼玉県川口市で自
治体が公園のセミの食用目的の捕獲をやめるよう呼びかけたことが報道された。どんな人
たちが採っていたのか、興味が湧く。                 (引用終わり)

セミは食べたことないけど、イナゴとかは子供の頃にたまに食べていたので抵抗はないですが、
まぁ今どきは勝手に採って食べちゃうのはダメでしょうね。
でも魚は獲っちゃうのは制限があるけどある程度は許されるので微妙ですけど。

同じくチャイナの話ですが、こちらは珍食とはちょっと違うけど食文化に関する話題です。

(以下引用)この最初の儀礼的な乾杯が終わった後も、円卓を囲んで際限なく繰り返される
乾杯の応酬、主人の直箸で客の皿に積み上げられていく料理、酒が進むほどにいや増す会
話の滑らかさと高まる声量……。当時毎日のように開かれていた宴席で、いったいどれほ
どの唾液が参加者のあいだを飛び交ったことだろうか(中略)
 そして現在。中国政府は感染防止と衛生状態の改善のため、飲食業界に対し大皿ではな
く個別の食器を使った配膳や取り箸のサービスを提供するよう指導している。(引用終わり)

チャイナ出張チャイナ旅行も経験がありますが、
接待されるような立場でもなく、このような宴会に出遭ったことはないですが、
色んな人から吐くまで呑まされるとか聞いたことはよくあまります。

そうでなくても、仲間うちで食べに行っても大皿で取り分けるのはよくあったので
まぁ衛生的かと問われれば、そうではないでしょうね。

 

ボクはトルコにも旅行で行ったことがあるので、トルコの話題も載せておきましょう。
                                   (以下引用)
 臓物スープを語るうえで欠かせないのが、ラクというお酒である。トルコは国民の九八
%がイスラーム教徒だが、世俗主義を国是としており、飲酒の文化がある。(中略)
                    ラクとは、ぶどうから作られる蒸留酒で、ア
ニスで香りづけをしている。水を入れると白濁することから「ライオンのミルク」とも呼
ばれる。                              (引用終わり)

トルコで臓物スープは食べませんでしたが、ラクはこの時に飲みました。
まさしく、水を入れてライオンのミルク状態で飲みましたが、これ自体は珍食じゃないよね。

次に紹介するのはロシアの話ですけど、ペレストロイカ失敗の1990年ごろの話です。
                                   (以下引用)
 社会主義下の不足経済とサービスの悪さを、身をもって経験した私だが、なかでも衝撃
的だったのがアエロフロート国内線の機内食だ。
 それはトレーではなく、無造作に仕切られた紙箱に入っていた。外側は白だが、内側は
灰色。食べ物から出た汁や油でところどころ黒いシミができていて、ただでさえおいしい
とはいえない食事がさらにまずそうに見えた。             (引用終わり)

ボクはロシアに出張したことがあり、国内線もこの時に利用していますが、
さすがに10年ほど前のロシアが順調だった時代で、ビジネスクラスだったこともあり、
かなり充実したサービスが受けられましたね。
まぁ、色んな意味で今の世界情勢では考えられないことですけどねぇ。

 

本書ではヨーロッパなどの話題はあまりないのですが、イギリスの話を紹介しましょう。
                                   (以下引用)
 二〇〇〇年代初頭。渡英するにあたって、先達から繰り返し聞かされたのは「イギリス
の食事は不味い」という定番の忠告であった。(中略)
 私は失敗を繰り返すうちに、「イギリスでは料理の味を基準とした店の淘汰が機能して
いない」という仮説にたどりついた。(中略)
 なぜ料理の味と店の淘汰確率が無相関なのか? 答えはひとつ、客の味覚に問題がある
としか考えられない。客が料理の質に従って店を選ばない(選べない)ので、インテリア
や食器のデザイン、雰囲気や謎のウンチクのようなもので店の生き残りが決まるのだ。
                                  (引用終わり)

ボクはこの記事のように1997年に、そしてその後この記事のように2004年に
ちょっとだけイギリスに行ったことがありますが、
まぁそれほど不味くて堪らないということはなかったけど、逆に美味いということもなかったかな(笑)

確かに日本人だけでなく、欧州の知人からもイギリスの料理は不味いというのが定番だったし、
イギリス人みずらも自虐的にそう言っていたのでそれは事実なのでしょう。
ただ、ドイツの料理も大して美味くなかったけどね。
フランス、イタリア、ベルギーは総じて美味しかった覚えがありますが。

なお、ロンドン・オリンピックが契機となって今のロンドンの料理は美味しくなったそうですが。。。
まぁ、それもどこまで信用していいのか、怪しい気もしますけどね。

 

最後にブラジル料理の話を紹介しましょう。
                            (以下引用、改行位置変更)
 ブラジルではフェイジョンという豆を煮込み、それを白米(油やニンニクで調理)にか
けて食べるのが主食のひとつであり、日本の「ご飯とみそ汁」にも似た存在といえる。
 フェイジョアーダは、主に黒いフェイジョンを豚のさまざまな部位と煮込んだ料理で、
それを白米にかけて食する。(中略)昔のブラジルでは午後が休みだった水曜と土曜の昼食
に脂っこいフェイジョアーダを食べ、その後は昼寝をする習慣があったとされる。そのた
め、フェイジョアーダは今日でも主に水曜と土曜のお昼に食されている。 (引用終わり)

ブラジルには行ったことはありませんが、30年ほど昔にブラジルタウンの大泉町に住んでいた頃、
美味しいイタメシ屋さんに行こうとしたら、いつの間にか「ブラジル」というお店に替わっていて、
(このお店はその後に移転してまだ大泉町でやっているようです)
それでも営業してるっぽいのでものは試しと勢いで入店したのですが……

まだ開業前だったようで、でもまかない料理というか身内で食べていた料理なら出せるよってことで、
その時に出されたのがたぶんこのフェイジョアーダだったのだと今になって思うのでした。
まぁ食べれないほどのゲテモノじゃなかったけど、クセがあって美味しいとは感じなかったねぇ。
その日が何曜日だったかは記憶にないけど、夕方の薄暮のころだったかなぁ。

 

というわけで、ここで紹介したのはあまり開発途上国でもないし秘境での話でもないので、
珍食とはいえないようなものがほとんどでしたけど、
本書の中にはさすがにこれは食えないかもなというものもありましたので、
そういう情報に飢えている方は是非本書をお読みくださいね(笑)

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