« ミニストップのお惣菜「牛肉にんにく焼そば」 | トップページ | サンヨー食品「ネネチキン スノーウイング味焼そば」を実食 »

新書「その働き方、あと何年できますか?」を読了

B230319_1 
講談社+α新書の「その働き方、あと何年できますか?」小暮太一著を読みました。

もう働いていないし、今後ともいっさい働くつもりのないボクですが、
なんかこういうタイトルの本って気になっちゃうんですよね。

でもこういうタイトルに反応してこの本を読もうとする人なんてのは、
これから働こうという新社会人や入社数年でガムシャラに働いている若い人は稀で、
何十年も働いてきてこのまま会社で働くことに疑問が湧いてきたような人や
もう働きたくないなぁとか思うようになったきた人の方が多いんじゃないでしょうか。

そういう意味では早期リタイア予備軍が手に取る確率が高いのかもしれませんが、
かといって本書は早期リタイアを提案しているような内容のものではありませんけどね。

著者は1977年生まれでボクよりひと回り以上若い方なので
まだまだ現役バリバリ、ちょうど脂が乗ってきた年代とも言えますが、
肩書は書作家、出版社経営者、投資家だそうなので、会社員ではなくフリーランスですね。

そして、本書の「はじめに」では次のようにはじまります。
                                    (以下引用)
 ぼくと同世代以上の方に会うと、「あと何年、この働き方を続けられるかな」「そろそろ本
気で働き方を考えないと」というフレーズが出ます。みんなキャリアを積み上げ、会社の中
ではいいポジションについていたりもします。でも、ふとした時に「求めていたのは今の働
き方じゃないな」と感じているようです。

 これは体力的な問題だけではありません。会社では評価されているけど、日々の仕事にそ
こまで熱意を持てない。生活のために働かなきゃいけないけど、自分のゴールが見えない。
そんな側面を強く感じます。                      (引用終わり)

なんて書き出しからすると、やはり読者の想定は20代の若者ではなくアラフィフ以降なんでしょう。
でも、ボクの限られた交友関係の経験からすると、その世代で将来の働き方とか議論したことないし、
せいぜい50歳過ぎ以降に役職定年や定年退職・再雇用とかが見えてきた時にそんな話が出るだけで、
それでも求めていた働き方とか熱意とかゴールとかそういう話は出てこないんですけどねぇ。

まぁ、酒の席だとしてもあまりそんな話を口にするのを避けているというのもあるでしょうが……

 

そんなことからしても何だかボクの認識とは端からズレがある視点から議論はスタートしていき、
まぁ早期リタイアなんかしたボクの認識とズレがあるのはある意味当然なんでしょうが、
その早期リタイア(FIRE)なんてのも話は出てくるので、少し紹介しておきましょう。
                                    (以下引用)
 ケインズは「人は仕事をしていないと不幸になってしまう」という指摘をしていました。
(中略)
 仕事をしなくてよくなることがなぜ不幸なのか、疑問に感じる人も多いかもしれません。
日本でも近年、「FIRE(経済的に自立して、若くして引退すること)」がバズワードにな
っていますし、できることなら早く仕事を辞めたいと願う人は年々増えていると感じていま
す。しかし同時に、長年企業勤めをした人が、引退後に何もすることがなくなって体調を崩
したり、メンタルを病んでしまったりしている実情も忘れてはいけません。
 ケインズは、
「人はみな長年にわたって、懸命に努力するようしつけられてきたのであり、楽しむように
は育てられていない。                         (引用終わり)

やはりボクとは完全に思考が違っているようなので、馴染めませんねぇ。
本書ではケインズの経済学に限らずアダム・スミスとかマルクスとかもよく出てきますが、
その時代には合っていた経済学理論も今は前提条件が違ってきたら合わなくなっているといいますが、
だったらケインズから100年経った現代では、その考え方も違ってきてるんじゃないかなと。

今や、懸命に努力すれば必ず報われるなんて思わないし、楽しむことだって学んでますからね。
もちろん、誰でも早期リタイアに向いているわけではないのは確かではありますが(汗)

 

給料というものについても次のように解説しています。
                                    (以下引用)
 毎月給料をもらっているのに、知らないあいだにいろいろ使って、給料日前にはほとんど
残っていないと感じる方は多くないでしょうか? お伝えしたように、日本企業の給料の決
まり方は「来月もちゃんと働けるだけの必要経費を渡す」という考え方です。だから給料日
前にほとんど残っていないのは当たり前なのです。            (引用終わり)

この給料=来月も働けるだけの必要経費という考えはもう少し補足説明を要するのでしょうが、
まぁ個人的にはそれはそれで理解できないこともないし面白い捉え方だなぁと感心しますけど、
それをそのまま捉えて給料日前にほとんど使っちゃうなんて生活しているのは
20代くらいまでならそれでもいいけど、それなりの歳になれば独身だろうが既婚だろうが、
だいたいの人はある程度は貯蓄もするし計画的に消費するんじゃないのかねぇ。

 

という具合に、何かと視点がボクとはズレていて、素直に賛同しがたいことが書かれていますが、
すべてがそうでもなく、そうだよなぁと納得する部分もあります。例えば、

(以下引用)               特にネットが普及してからは、ぼくらが気にす
るべき他人が一気にネット上に広がりました。
 その結果、日本全体が一種の村のようになり、見たこともなければ、話したこともない、
しかもおそらく一生顔も見ることがない相手の意向を組み取らなければならなくなりまし
た。

 ぼくは、日本を「壮大な田舎」と捉えています。

「時代が変わっているのに日本人は自分で考えず、相変わらず『正解』を求めている」
                                   (引用終わり)
 ※「意向を汲み取らなければ」だと思いますが、まぁ誤字でしょうかね。

確かに、そうですよね。
田舎⇔都会という言葉を使われると別に田舎(地方)で構わないし都会はゴミゴミして嫌いですが(笑)
そういうことではなく、村社会、日本は1億総村社会ということですね。

だから自分で考えず、正解というかお上のお達しやあるいは同調圧力に従うことしかしていない。
なんてのは、マスク議論でも散々見られる現象ですしね(笑)

 

で、もちろん本書ではこのタイトルの答えとして何年働けるとか書いてあるわけではないのですが、
どうしたらいいのか、どう考えたらいいのかなどヒントになるようなことも書いてあります。
その辺りについて興味のある方は本書をお読みくださいね。

そして、本書の「おわりに」には次のように書かれていて、ちょっと笑っちゃいます。
                                    (以下引用)
 もし、「せーの」でみんなが一斉に嫌な仕事を辞めたら、どれだけハッピーかと感じてし
まいます。ぼくらの意識次第では、もしかしたらそれも可能かもしれません。(引用終わり)

早期リタイアに批判的なことを書いておきながら一斉に辞めたら……なんてチグハグな感じですし、
これなんて「赤信号、みんなで渡れば……」みたいな話で、それはそれで1億総村社会的発想かなぁ(爆)

|

« ミニストップのお惣菜「牛肉にんにく焼そば」 | トップページ | サンヨー食品「ネネチキン スノーウイング味焼そば」を実食 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ミニストップのお惣菜「牛肉にんにく焼そば」 | トップページ | サンヨー食品「ネネチキン スノーウイング味焼そば」を実食 »