« KALDIカップ麺「汁なし台湾ラーメン」を実食 | トップページ | 単行本「キーエンス解剖」を読了 »

クロ現「私たちはなぜ働くのか」を観て、違和感を抱いた件

4月12日(水)放送のテレビ番組、クローズアップ現代
「私たちはなぜ働くのか 投資&倹約で生きるFIRE生活」を観ました。

もちろん、FIREとはこの記事にも書いたように Financial Independence, Retire Early、
つまり和訳すれば「経済的自立して早期リタイア」ということになりますが、
ボク自身は自分に対してFIREという言葉を使うことにはしっくりこないところではあります。

 

で、番組内では、FIREを達成して趣味を謳歌している人、
FIREについてのセミナーなどが盛況でそこに真剣に通う人、
FIREを目指してとにかく質素倹約をしている人、
FIREしたけど暇をもてあそんで精神的に病んでしまった人、
FIREしたけど成長してる実感がなく再度働くことにした人などに密着取材していて、
それぞれについて補足説明はするけど否定も肯定もしないという構成となっています。

もちろん、ボクもいずれのケースにおいてもそれぞれの人の勝手なので
その人たちを否定も肯定も、批判も称賛もしませんけど、、、

ただ、FIRE達成者として取り上げた人が19件の不動産を所有して月80万円の収入があるとか、
それはFIREという定義から外れるし、会社は早期退職したとしても早期リタイアでもなく
不動産業や賃貸料などで時間的に効率的に働いている人という気がしないでもないし、

FIREセミナーって、そんなことは自分自身で考えた方がいいんじゃないかなと思ったり、

自分自身でよく考えてからやらないから、やってみて暇でしょうがないとかになってしまったりするし、
それで「自分の成長が実感できない」なんて、あとから何を言っているか分からなかったりします。

というようなことはテレビ番組ですし、特に某NHKなのでよくあることでどうでもいいんですが、、、

 

ただ、これもどうでもいいことなのですが、出演していたコメンテーターの藤井薫という人、
この人は求人情報サイト=リクルートの編集長とからしいのですが、
番組終盤に変なことを言っていたのがとても違和感を持ちましたので、そのことを書いてみましょう。

その人は、「働くというのは、人が重なり合って大きな力がでるという意味」というんです。

例え話や小話でいうのは分かりますが、エッそんなはずはないんじゃないの?と思ったし、
現代では(いや昔から)一人で働く人だっていますから、妙な労働観じゃないのとも思いました。

以前、働くの語源は傍+楽というのはウソというこちらの記事にも書いたように
漢字の“働”は「人が動く」という意味から日本で作られた国字です。

チャイニーズでは“働”という漢字は使われず、“動”と同じ“”が使われますが、
なんにせよ、“働”=「人が動く」であって、「人が重なり力がでる」ではありません。
ましてや、重なり合って、とか大きな力と勝手に誇張したりするのはおかしいし怪しいです。

でも、動=重+力だから一緒じゃないかという意見もあるかもしれません。
なら、動の字源はなんなのでしょうか?

確かに、動=重+力ではありますが、ここで“重”は「重い」の意味であって「重なる」ではありません。
単純に「重いもの(荷物、袋)に力を入れる」から、動かすという意味となるということです。

そして、その“重”という字は何かというと、荷物を背負った人を象った象形文字だそうです。
そう、既に“重”の中に人が含まれていて、動だけで人が動くとの意味も含んでいるので、
チャイニーズでは働という漢字は必要なく動=动だけでことたりているというわけですね。
これは知りませんでした。変なきっかけでも調べてみるとためになることもありますね(汗)

 

というわけで、「働くというのは、人が重なり合って大きな力がでるという意味」は真っ赤なウソ。
「働という字の字源は、人が動くということ」というのは正しいし、
「働または動という字の字源は、人が重いものに力を入れて動かすこと」も間違いではないですが。

なんにしても、変なこじつけを作って、働く意味を歪曲したり狭めたり、
あるいは不当に美化するような番組演出やコメンテイター発言はやめてもらいたいですね。
まっ、どのみちボク自身にはまったく関係ないことなんですけどね(笑)

|

« KALDIカップ麺「汁なし台湾ラーメン」を実食 | トップページ | 単行本「キーエンス解剖」を読了 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« KALDIカップ麺「汁なし台湾ラーメン」を実食 | トップページ | 単行本「キーエンス解剖」を読了 »