新書「上杉謙信の夢と野望」と単行本「謙信越山」を読了
上杉謙信に関する2冊の本を続けて読みました。
左:洋泉社歴史新書の「上杉謙信の夢と野望 幻の『室町幕府再興』計画の全貌」乃至(ないし)政彦著
右:ワニブックス・JBpressの「謙信越山」乃至政彦著
そうなんです。どちらも同じ著者の本で、どちらも上杉謙信を扱っていて、時代もほぼ同じです。
右の単行本は2021年3月発行のをボクは2021年11月に購入して、しばらく積読でした。
左の新書は2011年12月発行と古いですがボクは2022年10月にブックオフで買いました。
著者が同じだということは買ってきてから分かったことで、
どちらも上杉謙信というだけでつい買ってしまったというだけのことです。
まぁ、上杉謙信を扱っている本というのがそんなに多くはないので、著者が重なっちゃうんでしょう。
ボクは日本史というと縄文・弥生・古墳時代くらいまでしかあまり興味がなく
演劇・映画・テレビドラマ・小説・マンガでもいわゆる時代劇というようなものはほぼ観ないんですが、
だから日本史に明るくないを通り越してまったく無知というか一般常識も知らないような日本人です。
まっ、だからといってそれを恥じることもないし、
もう誰かから「そんなことも知らないの?」とバカにされるような状況にもならないのですが、
それでも上杉謙信のことくらいは知っておいてもいいのかなと思ったからです。
どうして上杉謙信なのかって?
それは、ボクの父方の先祖が代々上杉家に仕えていた武家だったと先祖書が記しているからです。
といっても、上杉謙信が関東へ越山していたころより少し後の16世紀終盤ぐらいからなので
上杉謙信が亡くなる直前くらいから上杉家に仕えるようになったみたいですけどね。
まぁ、なんとなくそういう縁があるわけですから、
上杉謙信・上杉家のことくらい知っていてもいいのかもという思いと、
そこをきっかけにある程度は戦国時代の関東の歴史を把握できればという思いで読みだしたわけです。
さて、著者の乃至氏は「夢と野望」の方では、「戦国史研究家」とされていますが、
「主に戦国期の越後上杉氏に対し、……」と書かれていて、上杉謙信の研究に特化しているようです。
だから10年以上も上杉謙信のことを著しているわけでしょうしね。
ですから、内容的にもほとんどこの2冊は同じようなものになっています。
「夢と野望」の方が謙信を主体にして描いているのに対して、
「謙信越山」は謙信そのものも主体でありながら周辺の諸氏に光を照らしながら
間接的に謙信の行ないや考えを考察していこうとする描き方になっていますけどね。
その辺りのことは「謙信越山」の「おわりに」で次のように書かれています。
(以下引用)
謙信越山については、その動機が未解明なことから、これまで杜撰な解釈がまかり通っていた。
それとともに、謙信が関東管領の名代職になった通説の説明にも納得できないことがあったので、
越相大戦の発生と初期破綻を描くという独特な構成をとることにした。
そのため謙信以外の東国の群雄についても従来と異なる視点で切り込んでみたが、普段なかなか
スポットが当たらない彼らに注目してもらえたら幸いである。 (引用終わり)
というようなことなので、やたらと登場人物が多くて、そしてそれは「夢と野望」の方も同じで、
そもそも謙信自体が長尾虎千代→長尾景虎→上杉政虎→上杉輝虎→上杉謙信と名前が変わっており
他の人たちも名前が変わっていくので、誰が誰だったのか読んでいて混乱してしまうこともしばしば。
名前の読み方も初出はルビが打ってあるもののすぐにわけわからなくなっちゃうものもあり
そうなると余計に読み方に気を取られてどこの誰のことだか話が繋がらなくなったりして……
そんなこんなで戦国時代初心者のボクにはなかなか手強い2冊でしたけど、
それでも2冊も続けて読んだことで、やっと少しは理解することもできたと言えそうです(汗)
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