新書「アニメ療法(セラピー)」を読了
(以下引用)
本書のタイトルである「アニメ療法」。これは一体何だろうか?
好奇心を抱く人もいれば、不審に感じる人もいるかもしれない。まずは少しだけ、この本
を執筆した経緯、そもそもアニメ療法を思いつき、開発するに至ったきっかけを語りたい。
筆者は日本文化を研究するイタリア出身の精神科医であり、現在は日本の病院に勤めてい
る。そして、子供の頃から日本のアニメやゲームなどのいわゆる「オタクカルチャー」に接
してきて、自分自身が救われた体験がある。(長い中略)
アニメ、ゲーム、漫画、小説……こうしたストーリーを語るフィクション(創作された物
語)は精神科学と臨床心理学において、どのような役割・居場所があるのか。エンターテイ
ンメントによる心のケアは可能なのか。これが筆者の探究している「問い」である。この問
いに答えるために、筆者は若者の心をケアするエンターテインメントという新しいコンセプ
トを提唱したい。それが本書のタイトルである「アニメ療法」なのだ。 (引用終わり)
ということなので、アニメそのものについてウンヌンと議論されているようなものではなく
精神科医としての治療という観点でアニメを活用しようという極めて真面目な内容となってます。
もっとも、対象としているのは重度の精神疾患ではなく、ここでは「心のアンバランス」と呼び、
精神医療へのアクセスが限られるような方にも有効ということになっています。
といわれても、呑気な早期リタイア人生を送っているボクからすると
アニメ療法の必要性は皆無ですし、でもアニメは観ますから、あまり関係のない内容ですかね(汗)
なお、アニメそのものについて議論しているわけではないのですが、
「精神科医がすすめる日本のアニメ・漫画」として以下の6つが紹介されています。
『空中ブランコ』、『新世紀エヴァンゲリオン』、『蟲師』、『宝石の国』、
『コードギアス 反逆のルルーシュ』、『ONE PIECE』
情けないことにボクがそこそこ観たのはエヴァンゲリオンだけですね。
ワンピースは名前だけ知ってるという程度で、他の4つは初めて聞いた作品ですorz
そして、実写映画でも似たようなセラピーがなされているようですが
著者はアニメの方が優れている点として次のようなことを挙げています。
(以下引用)
本章では、アニメーションという表現方法がセラピーにおいて優れている部分を明確にし、
アニメ療法の意義を改めて確認したい。結論から述べると、リアルに寄せたアバターや俳優
の演じる実写映画などよりも、架空のキャラクターを含む作品の方が感情移入をしやすく、
精神的な健康度を高める力があると筆者は考える。(中略)
また、俳優は見た目も性格も当たり前ながら各自の特徴があり、フィクションの作品中で
登場したとしても、より生身の我々に近い存在だ。しかしアニメキャラクターは白いキャン
バスの上に描かれた、純粋な描写である。 (引用終わり)
そう、宇宙戦艦ヤマトの実写版「SPACE BATTLESHIP ヤマト」を観て酷く失望しましたよ。
古代進役の木村拓哉の演技がどうこうではなく(とはいえキムタクに好印象は抱きませんが)
見てると古代進ではなくキムタクでしかないですから没入感も感情移入もまったく生じないです。
森雪だって黒木メイサじゃないし……
宇宙戦艦ヤマトに限らず、お願いだからアニメの実写版は絶対に作らないでいただきたいです。
まっ、サトエリのキューティーハニーはあれはあれで面白かったけど(笑)
と、どうしてもアニメセラピーとは無関係な話となってしまいますね。チャンチャン。
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