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文庫「戦争の発明」を読了

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彩図社の「教科書には載っていない 戦争の発明」熊谷光晃著を読みました。

最初にこの本のタイトルを見た時には、人類がどのようにして“戦争”というものを生み出したのか、
まぁ、最初は自然発生的な争いだったのでしょうけど、
そううちに政治・経済など様々な理由からある種戦争をわざと仕掛けるようなことが起こり、
それを指して「戦争の発明」として、その内幕を解説している本かと想像してしまいました。

しかし、帯に小さく書かれたことを読んだりすると、どうやらそういうことではなく、
過去の戦争によって、あるいは戦時体制によって、発明されたり開発されたりしたモノやコト、
それらを紹介しているのが本書の内容でした。
そういう意味では、「戦争の発明」というより「戦争による発明」というタイトルの方がふさわしいかな。

本書の「はじめに」ではこのように書かれています。
                                   (以下引用)
 このように、戦争は絶対に引き起こしてはいけない忌むべきものであり、人類に不幸し
かもたらさないと、思想信条を問わず皆がそう考えている。
 しかし、あえて言いたい。
 これまで世界で起きた戦争によって、私たちにもたらされた、良いことがひとつある。
(中略)
 これは、善悪の問題とは別に、間違いなく戦争が持っている特性のひとつなのだが「戦
争を肯定している」ととられたくないからか、おおっぴらに語られることはほぼない。
 本書は、そうした私たちの身の回りの“戦争の発明”について、その発明の意外な経緯
や、戦争との関わりについて、たっぷりと紹介・解説するものである。  (引用終わり)

もちろん、ボクも戦争は絶対に引き起こしてはいけないと考えているし、
戦争を肯定しているわけもないし、積極的に兵器開発を推奨する気もないですが、
戦争により科学技術が発展してきた事実は事実として理解しておくべきですし、
まぁそんな小難しい話はさておいても、知識のひとつとして知っておくのもよいでしょうね。

今年の漢字もたしか「戦」でしたしね(笑)

 

幾つか、ちょいと面白いと思ったことなどを紹介しておきましょう。
まずは明治維新直後の日本での「電信」についての話です。
                                   (以下引用)
 新政府の肝いりでスタートしたから、世界最先端の電信がまたたく間に日本中に張り巡
らされた。しかし、原理も仕組みもわからないから、当時の日本人からすれば、外国人が
操る魔法か妖術にしか思えない。
 電線を伝って遠くに届くということだけはわかっているから、電線に弁当箱を吊るし
て、運ばれていく瞬間を今か今かと待つ輩や、電信が電線を通過する瞬間を見たいと、弁
当持参でずっと電線を見張るような者も現れる始末。          (引用終わり)

あはは、まぁ今となっては笑い事ですけど、当時の人はさぞや驚いたことなんでしょうね。

 

次は「コンピュータ」の話です。
                                   (以下引用)
 ついに「エニグマ」を破った連合軍だったが、ナチス・ドイツにおけるアドルフ・ヒト
ラーと将官たちの通信には、エニグマよりもさらに強力な「ローレンツSZ40」が使用さ
れいた。(中略)
 しかし1943年、チューリングが高く評価していた技術者トミー・フラワーズがチー
ムに加わると、事態が動き出す。彼が、世界初のプログラム可能なデジタル電子計算機「コ
ロッサス」を設計するのである。
 暗号解読機能にのみ特化しており、汎用性は極めて低いものの、これが「世界初のコン
ピュータ」であるとされている。                   (引用終わり)

この本を読んで、フォン・ノイマンが関与していたアメリカのENIAC(弾道計算機)が
世界初のコンピュータとされることが多いけど、
実はアラン・チューリングの方が早かったという話も聞いたことがあったのですが、
チューリングではなく実質的にはトミー・フラワーズが作ったということなんですかね。

そもそも、チューリングが解読したとされるエニグマよりさらに難解な
ローレンツSZ40なる暗号がナチスドイツにあったというのも初耳でしたよ。

 

次はもっとも身近とも言えるような「ボールペン」の話です。
もっとも、最近は手書きで文字を書くこともあまりなくなりつつありますが……
そして、ボールペンそのものは何も兵器として開発されたわけではないですが、
万年筆より実用的ということで軍隊で普及していったということのようです。
                                   (以下引用)
 また当時、ボールペンのインクはなぜか黒色ではなく、青色のみだった。
 これには理由があり、欧米ではタイプライターで作成された文書に直筆サインを施すた
めに使われるケースが多かったのだが、その際タイプ文書との区別をつけるため、青色が
好ましいとされていたからだ。                    (引用終わり)

あまり説得力がない話ですけど、黒インクは日本のメーカーが独自開発したのだそうです。

 

それから、これで最後にしますけど、凧についての話です。
古代中国・春秋戦国時代で軍事目的で発明されたのだそうですが、
その話とは別の雑学知識のような話です。
                                   (以下引用)
 そしてなんと、当時の呼び名は「タコ」ではなく「イカ」。「紙鳶」と書いて「イカノボ
リ」と読ませていたようだ。よく考えれば、足を伸ばした際の凧の形状はタコというより、
イカに似ている。
 これが「タコ」に名称変更された理由には諸説ある。ひとつは幕府の「イカノボリ禁止
令」に対する庶民の、洒落が利いた抵抗。「これはイカじゃなくてタコですから」という
屁理屈で禁止令をすり抜けようとしたのだ。もうひとつは、上方で「イカ」と呼ばれてい
るので、江戸っ子が対抗意識から「タコ」にした、というもの。
 そしてご丁寧に、新語に対応する新しい漢字として「凧」まで発明してしまった。つま
り中国発祥の凧だが、現地に「凧」という漢字はないのだ。       (引用終わり)

イカと呼んでいたという話は聞いたことがあり、知ってましたけど、
「凧」という漢字が日本で作られたというのは知りませんでした。

けど、ここまで読むと、じゃぁチャイナでは「凧」のことをなんと書くのかとか興味が出てきます。
できればそこまで書いていてくれると親切なんですが、ここで終わっているので、
自分で調べてみました。

风筝」と書くのだそうです。「风」は「風」で「筝」は楽器の「こと(琴)」のこと。
どうして風の箏でタコというかイカノボリのことになるのかまでは分かりませんでしたけど。
知っている人がこれを読んでいれば、教えてくださいね。

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