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新書「忘れる脳力」を読了

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朝日新書の「忘れる脳力 脳寿命をのばすにはどんどん忘れなさい」石立康男著を読みました。
なお、本書は左のようなほぼ全面帯となっていて、それを外すと右の表紙になります。

前回紹介の「運動脳」、前々回紹介の「ストレス脳」に続いて脳についての本ですが、
こちらはアンデシュ・ハンセン著ではなく日本人の石立康男著となっています。
著者は千葉大学脳神経外科学教授として脳神経外科の臨床と研究をしている方だそうです。

精神科医のアンデシュ・ハンセンに対して、こちらは脳を外科から見ている方という違いはありますが、
内容的には少しは通じるところもあるかなというところではあります。
どちらも脳についての様々な最新の論文などに目を通しているからなのでしょう。

それにしても、脳のためにはどんどん忘れろとはいったいどういうことなのでしょうか?

子どもの頃なら忘れること=ダメな子という図式で捉えられてしまうし、
ボクみたいにジジイになってくると忘れること=認知症の兆候としてこれまたマイナスに捉えられます。
でも著者は次のように書いています。
                                  (以下引用)
 加齢に伴う物忘れは当然のことで、容易に新しいことが記憶できなくなっても、物忘
れが多少増えても、病気などではない。高齢になってからの物忘れは、「記憶の総量が
大きくなったこと」と「経験が豊富になって行動に余裕があること」の二つが主な原因
だったのだ。そして多くの場合、時間が経てば「ああそうだった」と思い出すことにな
る。タレントの名前などがぱっと出てこなくても、何ら困ることはないだろう。
    (中略)    簡単に「認知症」などと呼んでほしくはないのである。
                                 (引用終わり)

ボクももう高齢者の領域に片足を突っ込んでいるような年齢ですから、
物忘れも多くなってきていますし、特に現役時代に仕事していた方々の名前なんかかなり忘れてますし、
でもそんな物忘れに対しては認知症の兆候かなんて強迫観念を抱いていたのも本音ではありますが、
こう言われると、そんなに気にする話でもないかとすっきりしてきますね。

そして、それどころか、脳は本来忘れるように出来ていて、つとめて忘れるように働き、
忘れるからひそ新しいことが覚えられるし、忘れることによって新しい考えをめぐらせることができ、
忘れることによって脳寿命も延びるというのですから、驚きであるわけです。

ここでは、あまり詳しくは紹介しませんが、
そのようなことを様々な研究結果や脳のメカニズムなどから分かりやすく解説しているのが本書です。

また、本書では「スマホ脳」や「ストレス脳」や「運動脳」といった
一連のアンデシュ・ハンセン著の内容とも微妙に被っている部分もあって、
SNS、うつ、運動などについても触れられています。
けれども、やはり「忘れる」という部分がメインであることは変わりないですけどね。

というわけで、本書の紹介は以上なんですが(笑)、
脳がどのように記憶するのかについて興味深い内容が書いてあったので紹介しておきましょう。
                                  (以下引用)
 おそらく多くの人が、記憶というのは鉄道の新たな路線を作るように、「無の状態か
ら新しく生み出されるものである」といったイメージをお持ちなのではないだろうか?
情報を得ることによって、ニューロン同士の新しい回路が作られている、と。
 しかし、違うのである。記憶はほとんどの場合、既存のニューロン同士の結びつき方
が強くなったり、弱くなったりすることによって作られていたのだ。(中略)
 少なくとも10歳以降の成熟した脳では、記憶や学習のための新しい神経回路が作られ
ることはない。成熟した脳には、新たな記憶のための「神経線維」の伸長を抑える機構
が備わっており、神経回路の組み換えが起こらないように作られているのである。これ
は、グリア細胞の一つであるオリゴデンドロサイトの作り出す「ミエリン鞘」という膜
組織の働きである。                        (引用終わり)

ボクも新しい記憶は新しいニューロン回路が作られるとイメージしてましたよ。
実際には既存のニューロン同士の結びつきの強弱、
それも一つのニューロン同士ではなく膨大なニューロン同士の結びつきの強弱の斑模様によって
記憶が形成されていくということなんですね。

だから、記憶は曖昧なもので、その曖昧な記憶を一度脳内で物語を再構成して、
それによって自分では確かな記憶だと思い込んでいるだけのことなわけです。
また、これだからこそ忘れることができるし、でも完全に忘れるわけでもないわけです。

このような過程を踏むことによって、それぞれの人の脳の回路が構成されていって、
覚えている記憶もおぼろげな忘れかけた記憶も含め、意識的にしろ無意識にしろ、
人はそれぞれ考えることが可能になるということのようです。

やっぱり、人の脳って面白いですなぁ。
だからこそ、そう簡単に真のAIシンギュラリティはこないだろうし、
全脳アップデートもそうそう簡単には実現しそうもないですかね。

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