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新書「『美味しい』とは何か」を読了

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中公新書の「『美味しい』とは何か 食からひもとく美学入門」源河亨(げんかとおる)著を読みました。

著者の源河氏は、料理人とか料理研究家とかではないし、日本語や言語の研究者とかでもなく、
哲学や美学を専門としていて、現在は九州大学の講師をしている方とのことです。

ですから、美味しい料理とかを説明しているわけでも、美味しい理由を解説しているわけでもなく、
また以前に読んだ新書「おいしい味の表現術」などのように言葉に関する説明本でもありません。
それどころか、“美味しい”という料理よりも「美学」を論じている本だというのです。

そのあたりのことは、本書の「まえがき」に次のように書いてあります。

                                    (以下引用)
 本書は、食に関するこうした評価を例として「美学」という学問を紹介する。「美学」と
いうと「美しい/カッコいいもの」を紹介するという印象があるかもしれないが、本書で取
り上げる「美学」はそれではない。本書で扱う「美学」は、私たちが評価を下す際に用いる
「センス」を考察対象とする哲学である。この意味での美学の目的は、美しいものを紹介す
ることではなく、「何かを美しいと評価するとき、私たちは何をしているのか」といった問
題を考察することだ。その評価は正しいのか、評価の基準は何なのか、なぜ他人と評価が食
い違ったりするのだろうか。                      (引用終わり)

ボクもこのブログでも麺紀行やカップ麺ネタも書いているくらなので、
美味しいものには目がないわけですが、かといって美食家というほどのものでもないわけですが。

でも、それよりも元・自動車開発エンジニアとしては、
「美学」というかこの「センス」というのは非常に気になる話であったし、
さらには評価の正否や基準などについては共通部分が多いでしょうから
無職になった今でもつい興味が湧いてきちゃうんですよね。

ただ、それでもやはり「美味しい」方も気になるわけですし、
「まえがき」では上述の引用部分に続いて次のように書かれています。
                                    (以下引用)
 例を挙げてもう少し具体的に説明しよう。友人からおいしいラーメン屋に連れて行くと言
われたとする。行ってみるとかなり行列ができていた。これはさぞおいしいのだろうと思っ
た。しかし、出てきたラーメンは油がギトギトで、においが強烈で、とんでもなく激辛で、
まったくおいしいと思えなかった。そうすると、「こんなまずいラーメン食べたことない。
これをうまいと言う人は味覚のセンスがないんじゃないか」とか思えてくる。店を出た後で
友人に「全然おいしくないじゃないか」と言った。すると友人は「そんなことない。ここは
いろんなラーメン雑誌に取り上げられているし、グルメサイトでの評価も高い。何より、こ
んなに行列ができている」と言い返してきた。              (引用終わり)

あはは。さすがにボクの友人ならボクがそんなラーメン、
つまり油ギトギト、におい強烈とか激辛なんぞを嫌うのを知ってるハズなので
こんな会話になることはまずないでしょうけど、
ボク自身の好みのラーメンと食べログ評点などが大きく食い違うことはままありますね。

ドロドロスープ、激辛、爆盛などに異常に反応する特定の人がいるので、
その手の店の評価はそのような異常な人によって異常に高得点になりがちですが、
それが普通の一般人にとっても高評価になるかというと、それは否ですから。

そして、そんなのを好きか嫌いかなんてのは個人の勝手だということもありますが、
それでもそこにはその個人なりの「美学」や「センス」があってしかるべきですし、
もちろんだからといって万人に当てはめる「美学」や「センス」はないので、
それをもって違う意見の他人を排除するわけではないのですけどね。

 

つまり、本書はこのような問題について、やや理屈っぽく、まわりくどく、
あーでもないこーでもないと思考している本になります。
ですから、知識というよりもその思考過程を楽しみ、そして自ら考えてみるという本となってます。

なので、これ以上断片的に紹介する必要もないし、
興味のある人は読んでくださいということになるでしょう。

ただ一点、帯に「ラーメンは芸術か?」と書かれていますが、
著者の論理では例えインスタントでもラーメンは芸術だということになります。
ボクもそう思います。

そして、大量生産のクルマもその走り(走行性能)も芸術ですよね。
そのすべてが芸術ではないけど芸術の要素は不可欠なんだと思います。
ただ、芸術的要素が前面に出てきてしまうと、ちょっと違うんじゃないの?となりますが。

特にスバルというブランドはあくまでも安全・便利が前面にしっかりあるべきだと思うし、
でも、その背後に安全・便利とつながった芸術的要素が感じられるのが理想なんでしょうかねぇ。
しらんけど(笑)

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