« ペヤング新作「きのこ蕎麦」は当たり前に美味しい | トップページ | 麺紀行「うどん つる屋」で超大盛 伊勢崎うどんに遭遇 »

マツダCX-60とダイハツ・キャンバスをちょい試乗

なにやら業界筋(?)では、マツダCX-60といううすらデッカイSUVの乗り心地が酷いらしい。
それで、ピロボールが悪さしているだの、ピロボールで乗り心地が悪くなるわけないだの、
喧々囂々の議論になっているとのこと、というのはたぶん大袈裟な話でしょう。

もう今どきのクルマで乗り心地がうんぬんなんて評論家が議論するような内容ではないでしょう。
個人的には乗り心地も大切だけど、そんなの試乗して好きか嫌いか個人個人が判断すれば良いだけで、
評論家なんかが言及する必要もないでしょう、という気もしますけど……

でも、なんだか面白そうなので、マツダ・ディーラーへ行って、試乗でもしてみますか。
A220929_02 A220929_03 
マツダ車で乗り付ければ邪険に扱われることはないでしょうということで、ランちんでの出動です。
マツダCX-60、正式には「シックスティ」と呼ぶそうですが、「ろくじゅう」でも良いとのこと。
「ろくまる」じゃないんですね、と訊くと、それは言わないですね、とセールス氏。
プジョーは日本では「マル」(例:いちまるろく)と呼ぶのが普通なんですけどね(笑)

さて、「買う気はないです。」と断った上で試乗させてもらいました。
パワーユニットは直6縦置きディーゼル+マイルドハイブリッドの4WD仕様です。
おそらく、500万円を軽く超えて、車両本体価格で550万円前後の高級車ですね。

そして、全長4.7m超、車両重量も1.8t超とうすらデカイし重量級です。私見ですが。
なのに、室内はあまり広くはないですね。特に後席はまぁ普通の広さです。
高額車ですけど、ショーファードリブン要素は皆無です。
セールス氏は「マツダはドライバーズカーなので……」というけど、ならこんなデカイ図体は……(自粛)

まぁでも視界はそこそこ良いので運転はしやすいですね。あくまでも幹線道路では。
そう、試乗コースはディーラーの周りの幹線道路をくるっと短距離周るだけです。
法令順守の安全運転なので、何が分かるかと言えばほとんど分かりませんね(汗)

ただ、トルコンの無い自社開発の8速ATは低速でギクシャク感が残りますね。
この辺も500万円超の高級車としては滑らかに滑るように走るとはいかないだけで、
まぁ普通の大衆車としてなら全然問題ないレベルと言えるかと思いますが……
でも、トルコン使って、走りだしちゃえばロックアップすればいいだけだと思うんですけどねぇ。

 

肝心の乗り心地ですが、確かに良くはないですね。
これも500万円超の高級車としては悪いと言えるかと思います。
ただ、単にサスペンションが硬いとかそういう乗り心地の悪さではなさそうです。

色んな路面を走ってないのでなんともですが、舗装の補修跡や皺が寄ったような路面になると、
途端に細かな振動が収まらなくてバネ下がバタバタと暴れるような挙動がでます。
大突起はほとんどなかったけど、なんとなくそこは大丈夫そうだし、当然舗装が良いところでは問題なし。

CX-60のリアサスは5本のリンクによるマルチリンクサスとなっているとのこと。
Cx60_rrsus 
どこにピロボール(ボールジョイント)を使っているのか正確に分かりませんが、
少なくともゴムブッシュ:ゴムの撓みで衝撃を緩和するのに対して
ピロボールは付加バネがなくフリクションも少ないからサスが滑らかに動くという
ゴムブッシュvsピロボールの対立で、この乗り心地の悪さになっていることはないでしょうね。

推測ですけど、バネ・ダンパーの取付け位置がホイールセンターの後ろにオフセットしています。
ドライブシャフトがあるのでホイールセンターからオフセットする必要があるのですが、
フロントサスやスポーツカーなら高さ方向に逃げてオフセットはしたくないところです。

このオフセットがあるとタイヤから上下方向の入力があった場合に、
ハウジング全体を回転させようというモーメントが発生してしまいます。
それを上2本、下2本のリンクで抑えようというわけですが、そのスパンがあまりないです。
なお、後端のリンクは主にトー方向を規定する役目でしょう。

ブッシュだと回転方向によって特性を変えられるので、例えばこじるような動きを規制しやすいけど、
そこにピロボールを使うと全方位的に動きやすくなってしまうので、
このハウジング全体を回転させようとする動きを止めにくくなります。

ボクの推測では、それがCX-60の乗り心地の悪さの原因ではないでしょうか。
というのは、ちょいと大昔に似たようなことを経験していた故の推測なんですけど、はてさて。

もしそれが正解だとしたら、確かにピロボールが原因と言うのもあながち間違いではないですが、
評論家としては説明不足ということになるでしょうか。
あるいは、マツダの技術者はそれが分かっていてピロボールうんぬんと口走ってしまい、
評論家氏はよく理解できないまま記事を書いてしまったのかもしれないですが……

それにしても、あのマツダがこんな失敗するかなぁ。
また、ダンパーももう少しスムーズに動くようなものにすれば、
ハウジングの回転よりもサスが上下に動くようになるので良くなるはずですが、
そこはマツダだからスポーティに走らせないと……ということでこのセッティングなのでしょう。

まっ、何にせよ、乗り心地の良し悪しは個人的な感性の問題ですから、
買ってみようという人はしっかり試乗してから納得の上で買う事をお奨めしますね。

 

それから、どうしてマツダがこのタイミングで新プラットフォーム、新エンジン、新ミッション開発し、
今さらFR化してこんなクルマを世に出したのか、不思議でしかたなかったのですが、
セールス氏曰く(セールス氏なのでマツダ首脳陣の考えとは違うでしょうけど)
EV化はほぼしないので高級車路線に舵を切ったとのことです。

このプラットフォームを使ってこの後4車種(世界中で)追加されるとのこと。
ちなみに、その4車種はすべてSUVとのことです。
だって、エンジンルーム見たら(カバーだらけですが)、結構エンジンの高さがあって、
歩行者保護の関係でサルーンは絶望的に思えましたから、さもありなんです。
けど、SUVだけで高級車路線を走れるのかなぁ。うーん、成功するのかな。

 

さて、ダイハツ・ムーブキャンパスも見に行きましょう。
A220929_05 A220929_04 
決して、伊藤沙莉が可愛いので……という理由ではありませんよ(笑)
でも、女性ターゲットと思われるキャンパスですが、実はけっこうこのカタチ、好きなんですよ。

2トーンカラーのストライプスとモノトーンのセオリーがあって、それぞれで内装色が違うとのこと。
ただ、セオリーは全体が暗くて好きじゃないし、ストライプの内装は明るいけどちと違和感ありかな。

室内は広いです。後席なんかめいっぱいスライドさせるとCX-60なんかより全然広い。
乗降性もCX-60がよじ登り感があったのに比べて、実にちょうど良い。
って異種格闘技になっちゃうので比べるものではありませんが。

ただ、運転視界はAピラー、A’ピラーの邪魔感もあってそれほど良くはないですかね。
街中ではたぶん問題ないですけど、峠道を飛ばすと視界の邪魔になるかも。
って、こんなクルマで峠道を飛ばすことを考えるのが間違いなんですが……

乗り心地はもっと良いかと期待してたんですが、期待しすぎてしまってたようです。
悪くはないけど、全体的にバネ・ダンパーを締め上げていて、おっとりした乗り味ではなくガッカリ。
まぁでも安っぽい感じは皆無で、まずまずの仕上がりとは言えるでしょうね。

それにしても、セールス氏の開口一番が、「この車は保温付ドリンクホルダーが特徴です」って(笑)
まぁ人によっては便利な機能かもしれませんが、それでクルマ買うことはしないよ、少なくともボクは。

 

さて、麺紀行に行きましょうかね。

|

« ペヤング新作「きのこ蕎麦」は当たり前に美味しい | トップページ | 麺紀行「うどん つる屋」で超大盛 伊勢崎うどんに遭遇 »

コメント

凄い記事ですね。お金取れるレベルですよ!

投稿: | 2022-09-30 11:30

>名前なしさん

ありがとうございます。
あくまでも推測で書いてますから、お金は取れないですね。

投稿: JET | 2022-09-30 14:11

マツダってどこに向かうのでしょうね?
CXー5やMXー5が売れたからその路線の延長線なのでしょうか!?
RXを復活させる一歩なのかな〜

ま、
ウチは、家族が多いので選択肢としてMPV以外ナシで!!

投稿: nasa | 2022-10-02 10:16

エクシーガも良かったですよ‼︎

投稿: | 2022-10-02 22:08

>nasaさん

ほんと、マツダはどこに向かうのでしょうかね。
でも、RXはないような感じもしますけど。
86、BRZにロータリーでも積んでみればいいのに(笑)

投稿: JET | 2022-10-03 05:23

>名前なしさん

エクシーガも良かったですか。
ボクもエクシーガの開発に携わったひとりですので、
そう言われれば嬉しく思います。

投稿: JET | 2022-10-03 05:24

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ペヤング新作「きのこ蕎麦」は当たり前に美味しい | トップページ | 麺紀行「うどん つる屋」で超大盛 伊勢崎うどんに遭遇 »