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TVDの評論家試乗の評価とプロモーションビデオ

前回記事で、ユニシアジェックス(UJ)のYMGから、スバルのTVDというものとなり、
ボクの発案の制御ロジックを組み入れてそこそこの性能のモノになったということを書きました。
まぁ、量産化となると品質確保やコストなどの面で難しかったでしょうけど。

それで、どういう経緯だかイマイチ分からなかったのですが、役員の目に留まったのか聞きつけたのか、
急に自動車評論家に試乗させようとか、プロモーションビデオを撮影しようという展開になります。
本日はその辺りの事を記事にしようと思います。
というか、前回そういう宣言をしたので、その通り記事にしますね。

 

まず、その役員・H副本部長がどういう意図で急にTVDを取り上げようとしたのか謎ですが、
社内的なアピールや権力争いみたいなのが背景にあったのか(H副本部長とT課長もいがみ合ってたし)
あるいは株主に対する何かの説明に使おうとしたのか、よく分かりません。

少なくとも対外的におおっぴらにするような段階でもなかったので
お客さんやスバリストや一般の人たちにアピールするためではなかったことは明らかです。

なので、自動車評論家に試乗してもらうのも、大々的に試乗会を開催したのではなく
2名の評論家にそれぞれ別々の時にSKCにて試乗したもらっただけです。
おそらく、謝礼を払って、評価・助言をもらうという形だったのでしょう。

そして、最初の評論家はS和夫氏でした。S和夫氏はスバルとはまぁ腐れ縁ですからねぇ。

ボクは助手席に乗って、試乗・評価スタートです。
車両の反応を確かめようとかなり激しく強引にハンドル切ったりして運転してるんですが、
どうもピンとこないみたいで首をかしげる感じで、
そのうちに「これっ、今、制御オンになってる?」って訊いてくる始末でした。

「あっ、オンですよ。もっとスムーズに運転してもらえば分かるかと……」
と、差し出がましいながらもS和夫氏にクルマの運転の仕方を教えてあげましたよ(笑)

まぁ、ベース車はいわゆる涙目インプレッサで、このマガジンXの記事のように乱暴な車ですから、
乱暴にガツンガツンと操作するのが似合うような車だったわけですし、
三菱のAYCのイメージもあってワザと乱暴で強引な運転をしてたのかもしれませんが。

でも、それからS和夫氏は運転スタイルを切り替えて、普通にスムーズな運転を試み出したら、
「あぁ、なるほど、いいねぇ」となって、最後は「凄い、凄い」の絶賛連発で試乗を終えました。
この辺の切替えがすぐできることや、それでちゃんと評価できるところはさすがですね。

 

2人目の評論家はK元治氏、というかガンさんです。
ガンさんはホンダ派というか、当時のスバルとはかなり疎遠だったはずなので、
どうしてガンさんなのか正直戸惑いましたね。

あのガンさんが何故かスバルだけはよく事故って、車のせいにされて難癖つけてきたりして、
たぶんワザと事故ってるんじゃないかと社内では噂されるくらいでしたからねぇ。
まぁ、T課長ともソリが合わなかったのかも知れませんが……
だから逆にH副本部長が呼んできたのかも……なんてのは邪推に過ぎませんが。

で、ガンさん、運転むちゃくちゃスムーズだけど、むちゃくちゃ激しいです。
SKCのバンクを150km/hほどで上から下まで使ってタイヤ鳴くほどのスラロームします。
なのに、車両挙動はまったく淀みがなくスムーズそのものです。というのを助手席で経験しました。

ボクが今まで経験してきた人の中ではダントツで異次元の上手さですね。
S和夫氏もT課長もそれに比べたら段違いです。まっボクはその足元にも及びませんが。

そして、評価は「よく出来てるね。ただ、能力足りてないかな。というかベースが悪すぎだな。」
つまり、ベース車が高速で不安定、低速大転舵で曲がらない、
それをこのTVDでよい方向にしているのはよく分かるんだけど、
ベースが悪すぎてそれを直すにはTVDのハードウェアの能力限界が足りてない、ということ。

あまりにもズバリと核心というか痛い所を突かれた評価で、これまた脱帽ですorz
ただ、ベース車の悪さを指摘されても、ボクは直接どうしようもなかったんですけどねぇ。

 

というわけで、自動車評論家試乗の結果はまずまずということになりました。

次に、プロモーションビデオを作ろうってな話にもなりました。
そのプロモーションビデオも完成までいって、どこかでお披露目されたのかどうかも知らず、
ボクはTVDそのものと同じくそのままお蔵入りになったんじゃないかと思ってますが、
何故か手元にチェック段階のビデオかありましたので、ここに載せてしまいましょう。

運転しているのはすべてボクなのですが……
冒頭のWETのスキッドパッドでくるくる回っているのは、
撮影予定日の初日が雨になってしまい、「とりあえず適当に走ってみて」と言われたので、
その通り適当に走った時の試し撮りみたいなものを編集で使われただけです(笑)

ハンドリング路での走行などはたぶんに演技も入っていて、誇張はしてるけど、
いちおう全くウソではありませんので、あしからず(汗)

それにしても、ハンドリング路でヘルメットも被らず、あんな走りをしちゃぁ危険ですなぁ。
コース脇には撮影用の高所作業車も乗り入れてますから、一歩間違えば大事故なんですけど、
そこはまぁ坂暴走などで培ったテクニック……ではなく度胸でもなく単に慣れですかね。

 

なお、以前の記事に書いたようにブリヂストンの黒磯PGなどで撮影したはずの
スバルAWDのアピール動画などはどこに行ってしまったのか分からないのですが、
北海道美深のテストコースで撮影した動画が断片的に残ってましたので
この機会にそれも紹介しておきましょう。

荒れた雪道で途中から全開加速した時の直進性・車両安定性を比較したものです。
まぁ、これも演技も入ってますけど、別に他社を貶める意図はありませんので、あしからず(汗)

これもヘルメットも被っていませんが、上のハンドリングなどでの撮影よりも路面が荒れているだけに
こちらの方が危険性は高いのですけど、地上のカメラマンは全く動じてませんね。
プロ魂があるのか、鈍感なだけなのか、危険性を分かってないのか、、、

そういえば、もうずいぶん昔にアップしたこの動画も、その撮影時にやらかしちゃったものでしたな。
(今回も季節感が……ですが)

 

さて、次回はどうしましょうかね。
AWD関連としては他にも各種左右LSD、簡易LSD、それらの組み合わせやら、
他にもいろいろやりましたが、まぁ今回記事でひと区切りとしましょうかね。
なので、次回はスバルとGMの共同開発車のはずだったSGX、
後のスバルB9トライベッカ(開発符号00X)の初期段階の話でもすることにしましょう。

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