新書「オートファジー」を読了
本書の「プロローグ」では次のように本書の内容が紹介されています。
(以下引用)
本書は、2016年ノーベル生理学・医学賞の対象となった「オートファジー」と
いう真核生物の細胞の中で起きる現象について解説するものである。
(中略) オートファジ
ーという世にも不思議で謎に満ちた現象がどのように姿を現し、注目されるに至った
か、そしてオートファジーの大いなる可能性が、皆さんの脳にインプットされれば望
外の喜びである。 (引用終わり)
このノーベル賞とは大隅良典氏のことを指していて、そのもとで研究をし、
現在大阪大学生命機能研究科教授などをしているのが本書の著者・吉岡保氏になります。
なお、オートファジーは最近になってから急速に研究が進んだ分野ですけど
その発見自体はそこそこ昔まで遡るようです。
といっても細胞内のことなので電子顕微鏡が発明されてからですが。
(以下引用) ベルギーのクリスチャン・ド・デューブは、細胞は自己
の成分を自分で食べて分解しているのではないかと考え、「オートファジー( autophagy)」と
命名した。オートファジーは、ギリシャ語で「自己」を意味するautoと、「食べる」を意味す
る phagyを合成した造語である。 (引用終わり)
あっ、自動・曖昧(fuzzy)じゃなかったんですね(恥)
そして、自己を食べるというオートファジーには3つの主要機能があることなど書かれています。
その3つとは、栄養源の確保・代謝回転・有害物の隔離除去だそうですが、
まぁそれらも含めて細かな内容はここでは割愛させていただきます。
専門用語なども多いですけど、丁寧に説明されていて、なかなか分かりやすく、
また面白く興味深い内容となっていました。
なお、オートファジーとは直接関係ありませんが、少し驚いたのは次の内容です。
(以下引用)
ヒトの場合、細胞の数はおよそ37兆個である。もちろん数えることはできないので推定だ。
以前は60兆個と言われていた。それは、すべての細胞が同じ大きさだとして導き出された数だ
った。実際には組織によって細胞の大きさが違うため、それを考慮して計算をやり直し、20
13年に37兆個と訂正された。私はこの話が好きだ。細胞の数がわかったところで社会の役に
は立たないが、必死で計算してしまう人に魅力を感じる。 (引用終わり)
あら、ブルゾンちえみ(with B)が「60兆」とネタにしてましたけど
あれやってる時にはすでに37兆個に訂正されてたんですね(笑)
まっ、それはさておき、社会の役にたたないことを必死でやる人はボクも好きですね。
もっとも、今は必至になることもないですけど。(笑)
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