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新書「日本のふしぎな夫婦同姓」を読了

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PHP新書の「日本のふしぎな夫婦同姓 社会学者、妻の姓を選ぶ」中井治郎著を読みました。

著者の中井治郎氏は社会学者とのことですが、特に夫婦同姓とかを専門としている方ではなく、
ただ数年前に結婚して奥さんの姓を選んだことを機に、
夫婦同姓に関する様々な問題に直面して、それらをエッセイ的に綴ったのが本書になるようです。

実際には巻末に次のように書かれています。            (以下引用、改行位置変更)
本書は『THE21』2020年7月号~12月号連載の「結婚で妻の苗字を選んでみたら見えてきた、
日本人の不思議な価値観」を元に、大幅に加筆・修正の上、1冊にまとめたものです。(引用終わり)

なお、中井治郎氏の中井姓は旧姓であり、今はペンネームの扱いになるそうです。

まぁ、ボクは今さら結婚する気もないですから
自分かパートナー(はいませんが)の姓のどちらを変えるかどうかとか悩むことはないでしょうし
だから夫婦同姓、あるいは選択的夫婦別姓の議論も他人事となってしまうわけです。

ただ、それでも個人的な意見としては選択的夫婦別姓を支持してるというか
それが当然のことだと考えているわけですが、
正直なところ、どうして選択的夫婦別姓について頑なに反対している人がいるのが理解できないので
そういう意味ではこの問題に興味があり、ちょっとこの本でも読んでみたということになります。

 

ところで、ボクが生まれた頃には夫婦同姓ってのは当たり前のことで疑問も持ちませんでしたが
実は現在ではその制度があるのは日本だけであるというのは不勉強で知りませんでした。
                                   (以下引用)
   民法第750条に「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称す
る」と規定されているからだ。(中略)
 このような日本の婚姻制度は「夫婦同氏制」と呼ばれるものである。そしてなによりも驚
くべきことに、現在、夫婦同氏制を採用しているのは、この世界で日本だけなのだ。(中略)
 恥をしのんで告白すると、僕自身も結婚するまでこの事実を知らなかった。日本では、あ
まりに当たり前なので、深く考えることがなかったからだ。われわれが暮らすこの国は、夫
婦がどちらかの苗字を選ばないと結婚できない「世界最後の国」だったのである。
                                  (引用終わり)

著者によれば、夫婦同氏制は日本だけというのを知らないのはまぁ当然なのかもしれないですね。
ただし、この夫婦同氏制については例外もあって、外国人と結婚する場合には別姓が可能だそうです。
不思議ですが、それは戸籍制度と関係していて、外国人配偶者は戸籍に登録されないからなんだとか。

そこら辺のことは、日本の家、家族(氏)、戸籍、世帯などの諸制度や社会の仕組みなどについて
歴史を遡って書かれていて、興味深く、また勉強になりました。

 

そして、そんな世界最後の夫婦同氏制の日本では、結婚して夫が妻の姓となるのは4%だけで
つまりは圧倒的に女性側が生まれ育った姓を捨てて男性側の姓に変えているのだそうです。
まぁ言われてみれば確かに、知り合いでもほとんどはそうで、男性が姓を変えた人は稀ですね。

そういう人が稀だからこそ、改姓の大変さやマイナス面などはあまり想像がつかないのが実情です。
ボクなんかは元サラリーマンで名前で仕事をしているというほどのものでもなかったわけですが
それでも仕事では基本的に姓で呼ばれて種々のサインや印なども姓でしたから
それだけでも影響はそれなりにあったでしょうね。

それよりも、ボクの場合は名(Given Name)より姓(Family Name)の方がインパクトがあり、
ここでインパクトというのは変わっていたり、語感や語呂などのことを指していますが、
なので家族・親族からは名もしくはその短縮系で呼ばれていたものの
近所の子や学校などではもっぱら姓や姓をもじったようなあだ名で呼ばれてましたし、
社会人になってからももっぱら姓ですし、ここでも姓をもじった“JET”を使ってますから、
その意味ではもし改姓することになったら、心の面でかなりの違和感を持つことになるでしょうねぇ。
大袈裟に言えば、自分自身のアイデンティを失ってしまった感覚になるかもしれません。

逆に言えば、日本で結婚する多くの女性に大なり小なりこのような不利益・違和感を強いているわけで
やはり明らかにこれは男女不平等な社会になっているというわけですな。

ただ、この男女不平等については、法律上は夫妻のどちらの姓に変えても良いわけですから
法律上の問題ではなくあくまでも社会通念や慣習の問題であり、
なので選択的夫婦別姓となっても直接的に解消される問題ではないでしょうけど。。。
それでも、現在厭々ながら改姓している女性が夫婦別姓を選択するだけでも
改善方向にはなりますけどね。

 

それにしても、なぜ日本ではこの選択的夫婦別姓に頑なに反対する勢力があるのか、そこが疑問です。
本書でも次のように書かれています。
                                   (以下引用)
 では、なぜ、他者が自分とは違う選択ができるようになることを、これほど恐れる人々が
いるのだろうか? なぜ、そんなに他人の選択が気になるのか? 賛成派の人々の多くはこ
こで首をかしげてしまう。
(中略)社会学者・阪井裕一郎は、(中略)ある1つの道筋を提示している。「別姓を選択
する自由」の希求は、男女平等を求めるものというよりもむしろ、その核心は「法に<個人
の自由>を求めるもの」であるという分析である。           (引用終わり)

ボクも社会通念や慣習はそんなにすぐに変わらないから(戦争やクーデターでもあれば別だが)
先ずは<個人の自由>として選択できるようにすべきだという考えですけど、
そこには男女平等にしたくないと頑なに考える人、つまり男性の特権と考えてる人がいるがいること
あるいはそれらを「理想像」としてこだわる人がいて、反対しているとの考察がされていきます。

そして、最近のある調査では、選択的夫婦別姓を支持するのは70.6%にもおよび
選択的夫婦別姓の不支持(すべての夫婦は同姓であるべき)の14.4%を大きく上回っています。
それでも、最高裁で夫婦同氏制は合憲であり、さらに「国会で議論すべきこと」なんて判決になり、
その国会ではいっこうに議論が進まないという茶番みたいなことが続いているわけです。

そのことについて、「妻の姓を選んだ夫」たちとの座談会としての章で
サイボウズ株式会社社長の青野嘉久氏が面白いことを言っています。
                                   (以下引用)
 青野 僕は、国会議員に話を絞ると、結局のところ「困っている国民よりも国家のルール
を優先する」という発想が問題だと思っています。
 そう考えると、選択的夫婦別姓って、導入しなくてもいいんですよ。いままで築いてきた
国の制度やルールを守ることが最優先だと考えれば、国民が困っていることは問題じゃな
い。要は「お国のために」国民は犠牲になっていいという考え方です。だからここが、国会
議員に絞って言うと、理解し合えない、最大の要因なのかなと思いますよね。(引用終わり)

そもそも、青野氏は今もすべて夫婦は同姓であるべきと頑なに主張している人は
そもそも他人の意見を聞いたりするような人ではないので、
それよりも国会議員に動いてもらうべきだとしつつも、上記のことも思っているわけです。

「お国のために」なんて言い方からすると、直接的には言ってないですけど、
まぁ大日本帝国憲法回帰を目指す日本会議みたいな右翼組織に牛耳られている
国会議員も多いのが現状ですから、なんだか納得してしまうような話ではありますかねぇ。

納得したからと言って、ハイそうですかでは済まされない問題ではありますけど。。。

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コメント

我が家は夫側の姓を選択しました。
前職では妻側の姓にした人がちらほらいたので、妻の姓にすることに抵抗はありませんでした。どちらかというと珍名寄りの自分の姓が嫌だったので、消極的ながら平凡な妻の姓にしたかったのですが、妻は妻で自分の姓を風水的(?)に避けたかったらしいです。

そんな感じなので「どっちでも良いじゃん!」と思うのですが、別姓にした場合は子供の姓を選ぶときに「どちらの姓を継がせるか」など、またひと悶着ありそうで心配です。一人っ子だと「家族の中で自分だけ姓が違う」といらぬ疎外感を覚えたりしないのかな?とか。
うちは子供がいないのでその辺の感覚が分かりませんが、別姓支持の方はどう考えているのか気になります。

投稿: ぶらっと | 2022-08-03 21:30

>ぶらっとさん

別姓を選択する夫婦のほとんどはあらかじめ子供の姓をどうするかまで決めていることになるのかと思いますが、
なかには揉めるケースも出てくるかもしれないですね。
子供本人はたぶん適応力があるから大して問題にならないでしょうけど。

投稿: JET | 2022-08-04 06:23

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