« 新書「60代からの幸福をつかむ極意」を読了 | トップページ | プラモ製作(117)ニッサン・チェリーX-1・R »

新ACT-4制御は手伝い程度でしたが良い仕事したかな

前回記事で予告をしてしまったので、本日は新ACT-4について書いて行こうと思います。
なお、ACT-4を「アクトフォー」と読むのはホンダの商標登録に引っ掛かるので
「アクティブトルクスプリット」もしくは「エーシーティーフォー」とそのまんま読みます。
でも、社内的には「アクトフォー」と呼んでましたけどね(笑)

そして、その歴史をずーと辿ると、もちろんスバル初のレオーネ4WDもしくは
東北電力+宮城スバル発案のスバルff-1バンを用いた4WD試作車になるわけですが、
それはMT車だったけどいわゆるFFと4WDを切り替えるパートタイム4WDです。
レオーネ・エステートバン4WDが発売されたのは1972年のことですね。

ただし、当時のクロスカントリー4WD(当時はジープタイプとか呼んでましたが)とは違い
高速走行・高速旋回でも4WD状態で走ることもできる4WDとして開発されていて、
その後スバル自身もいち早く4WD状態での直進安定性や高速安定性にも着目していきます。

そんな中で、AT車にも4WDを用意しようということから1981年に
レオーネ・ツーリングワゴン4WDにMP-Tという湿式多板クラッチを用いて
FF(FWD)と直結4WDをいつでもボタンひとつで切替え可能なようになります。
ちなみに、MT車のパートタイムはドグクラッチ(嵌め合い式)だったので
タイトコーナーブレーキング現象など内部循環トルクが過大だと切替えが滅茶難儀でした。

もう一つ、ちなみに、これは単に聞いた話で真意のほどは知りませんが、
当時のATトランスミッションはジャトコ製で、ニッサンのFR車用ATをベースに作られていて
その3速ATをベースにすでにニッサンではオーバードライブ付の4速AT化となっており、
そのオーバードライブ部分にMP-Tの4WDトランスファーを設けてもらったとのことでした。

まっスバル単独ではオートマチック・トランスミッションは専用開発できませんし
部品メーカーとしても当時のスバルの生産台数ではわざわざ専用ATを開発する気もなかったので
いわゆる苦肉の策としてこの4WD方式となったとも言えるのかも知れません。

それに、これだけに限らず、スバルはMTもATもなかなか独自開発や投資することが出来ずに
それ故に小型も軽も多段化に後手後手となってばかりの歴史の繰り返しで、
それがCVT化に舵を切る一因になったとも言えるでしょうね。

 

さて、その後、1984年のオールニューレオーネの時代にはこのMP-Tをベースに
降雨、制動、急加速時には自動で4WDになるというオート4WD制御が加えられます。
まっ、それ自体はワイパースイッチやブレーキスイッチやATのキックダウン・スイッチなどで
単に電気回路的に、つまりまだ電子制御というものではなく、やや子供だまし的なものでしたが……

そして、ついに1987年7月のアルシオーネVX(2.7L)、同年10月のレオーネにて
MP-Tを電子制御するACT-4が誕生するに至ります。
で、その後、このACT-4は2001年まで、実に14年ほどの長きに渡って
基本的にはハードもソフトもこのまま使い続けられることになったわけです。

そのACT-4は再度構造をおさらいすると、トランスミッション後端、プロペラシャフトの直前に
湿式多板クラッチを設置して、それをATの制御用油圧を共用利用して後輪への駆動を制御します。
油圧をデューティー制御(オンオフのパルス幅=時間幅)で電子制御するのですが
その電子制御コントローラーもATのそれの中に組み入れられています。

なので、余分に追加しているのは湿式多板クラッチ一式くらいであとは流用・間借りみたいなもので
それ故に非常に軽量・安価で造ることが出来ています。
逆に言えば、ATでなくMTだと油圧ポンプや電子制御コントラーラーなど別途必要となってしまうので
だからACT-4がいくら良いといってもスバルMT車にはなかなか使えなかったわけですが。

一方、ACT-4の制御についてはボクはあまり内部まで把握しておりませんが、
車速とスロットル開度などによるいわゆるマップ制御が主体となっているものでした。
AT内部に前輪/後輪回転数のセンサーはあって、その差回転からスリップ判定して補正したり、
あるいは後年になってからABS作動時はそれ用の補正がかかったりとかはしていたようですが。

ちなみに、多くの自動車メーカーはABSなど作動時には4WDの内部循環トルクが邪魔しないよう
出来る限り2WDにするというか前後の拘束はなくしたいという考えをしているようで、
特にVWなんかはビスカスカップリング使ってもワンウェイクラッチも設けるほどでしたが、
当時のスバルはむしろ僅かな前後の拘束によって一旦ロックした車輪の回復を早めることができ
それを積極的に利用してABS作動時の停止距離を短くしたり車両安定性を高めることをしてました。

この辺は頭でっかちの理論派のドイツマイスターと実践主義的なスバル技術者との違いが出ていて
なかなか面白い事実だったと思います。
ただし、その当時に比べるとABSというかブレーキ制御デバイスは格段に高性能化されたので
今となってはブレーキ制御デバイスにすべてを任せてAWDは邪魔しないという流れになりましたが。

 

あっまたまた脱線してしまいました。
そんなACT-4の制御でしたから、湿式クラッチの仕様が変わったり、ATフルードが改良されたり、
あるいはエンジンの特性が少し変わったり、あるいはそれらが経時変化したり製造ばらつきあったり、
そんなちょっとしたことでも4WDの後輪へのトルク伝達量が変わってしまいます。

マップ制御ですからその都度そのマップをすべて見直してやらなければならないのですが
エンジン制御のようにEDM(エンジンダイナモメーター)上でマッピングできるわけでもなく
結局は上手く行かずに、開発中に問題がでたり、あるいは市場で問題がでたりを繰り返してました。

特に問題となったのは、タイトコーナーブレーキング現象と発進時の前輪空転です。
駐車時などドライ舗装路で大転舵して走るとガッガッなど振動が出てしまったり
逆に雪道などで発進しようとする前輪だけ空転して4WDとしての走破性がイマイチだったりです。
この2つの性能は相反するもので、あっちが出て修正するとこっちが出るみたいな繰り返しです。

そういうことなどを指して“ロバスト性”に欠けるということなわけです。
もっと、原理原則に基づいた制御、あるいはフィードバック制御を用いて
ロバスト性を上げる必要があるというのがボクの問題提起だったわけですね。

また、ABSの普及などもあり、精度の良い4輪車輪速を使った制御などに
さらに各種のセンサも増えてきていて、それらがCANで共有できる時代になっていたので、
アップデートすべきではないのか、てなことも議論の場では発言した覚えもありますが、曖昧ですね。

 

そんなわけで、新ACT-4制御の開発がスタートすることになったわけですが……
実はAWD-CoE時代の上司でもあり、トランスミッション関係の制御を得意としていたSさん、
そう、この時のベルギー&スウェーデン出張この時のスウェーデン出張も一緒に行った
その小柄なSさんがほとんど一人でその新ACT-4の制御ロジックを構築しました。

そして、実験部はほぼボク一人でそのSさんとともに実証試験をして
詳細な制御定数などを絞り込んで決めて行き、
最終的にはこの2001年の北海道冬期試験での評価を得て新ACT-4(制御)は完成しました。

感覚的にはSさんが9割方、いやもっとで95%ぐらいで、ボクは5%ほども手伝ってないほどで
残り1%以下でその他のVDC(ESC)関連の確認などを別の部署でやってもらった程度です。
それもボクから依頼する形で確認してもらって、まとめの報告書もボクが書きました(笑)

社内的には、ACT-4はもうそのまんまでもいいと思われていた時代でもあり
外野がチャチャ入れてこなかったので、ほぼ2人だけでスムーズに開発できたとも言えますが。

その新ACT-4はマップ制御ではなくモデルベース制御となっています。
その頃はもうエンジン空気量などから正確にエンジントルクを算出できるようになってますし
当然ながらトルコン含めてATでの駆動トルクも算出できるようになってますから
その駆動トルクに応じて基本トルク配分60:40とかになるように湿式多板クラッチを制御します。
その湿式多板クラッチも単品で油圧と伝達トルク特性のデータ取りおよび品質管理も出来ています。

それに、ABSの4輪車輪速センサやさらにはVDC(ESCなどブレーキ制御の車両安定装置)なら
ハンドル角センサなども取り込んで、スリップ時の制御やタイトコーナー時の制御の精度も上げています。

まっ、このハンドル角(推定も含む)の補正部分でその15年後くらいにマツダから嫌がらせを受け、
社内的にはその原因を作ったのがボクであるかのような謂れのない厭味を言われたりもしましたが……
まっどこの世界でも他人のせいにしたがる人や足を引っ張ろうとする腹黒い人はいるものですけどね(汗)

 

ちなみに、マツダの嫌がらせとは、おそらくマツダが新ACT-4の制御則を徹底的に解明・検証して
雪道(ローラー台)でフル転舵して急発進しようとするとFFっぽく空転してしまうことを発見して
それを自動車評論家たちを集めて目の前でスバルAWDの弱点として大々的に喧伝したものです。

ただ、雪国の人なら当然でしょうが、そんなツルツル路面でフル転舵してアクセルガバッとはしません。
むしろそんな状態で後輪にがっつり駆動をかけたらどこにふっ飛んでいくか分かりませんからね。
スタックしそうならハンドルは直進方向に戻しつつゆっくり発進するのが運転の基本です。
それに、10年以上新ACT-4の制御をしていてスバルユーザーからの苦情や指摘は皆無でしたし。

というか、これって操縦安定性の話でもなんでもなくて、トラクション・走破性の話ですから、
新ACT-4開発時は操安乗り心地の実験をしていたボクに責任転嫁されてもお門違いなわけですが……

なんにせよ、単にマツダがスバルの揚げ足取りで、つまり嫌がらせでこんなことを仕掛けたわけです。
まっ、マツダのAWDも実力は高いですが、イメージでスバルAWDの後塵を拝していることに
なんとかしたいという焦りの気持ちがあったのでしょうけどね。

また、この頃はマツダはなんとか安売り・叩き売り体質から脱却したいと企業戦略を立て直そうとし
その一環で勝手にスバルに対抗意識を持っていたようで、
それで何かにつけても自動車メディアにも対スバルで仕掛けていたみたいですけどね。
まっ、当時のスバルはそんなにマツダを意識はしていませんでしたけど……(笑)

それに、スバルのAWDの名声というのは単にAWD機構やその制御だけの良し悪しではなく
雪国など環境の悪い状況においてもクルマとしてのあるゆる機能を考慮して創られているかどうか、
あるいはそれらのユーザーの要望に真摯に向き合って愚直に開発しているかどうか、
(例えば、デフロスタ性能や下回りの雪詰まり雪害とか極寒時のエンジン始動性とかとか……)
そういうところの差であると思うんですけどねぇ。

 

あぁ、またもや脱線してしまいましたorz
えーと、もう少し新ACT-4制御について補足を加えさせていただきます。
前述のようにモデルベースで基本トルク配分を60:40とかになるように設定したと書くと
この記事に書いたようにAWDの前後トルク配分なんて大した意味はないよとかの話と
矛盾してんじゃないかと勘違いされてしまうかも知れませんが、そうではないんですよ。

湿式多板クラッチが滑らない状態、つまり前後がしっかり繋がっている状態では
これは直結4WDと同等の状態にあるわけですから、その状態では
この記事のように前後50:50ではなく前後トルク配分は不定となります。

しかし、湿式多板クラッチが全体のトルクに対して40%までしか伝達できない、
つまりそれ以上になると湿式多板クラッチが滑り出してそれ以上のトルクを伝達できないとなると、
その途端に直結4WD状態ではなくなるので60:40のトルク配分までにしかならないわけです。
つまり、全体のトルクの40%で後輪へのトルクリミッターがかかると言い換えることができます。

つまり、基本60:40とか分かりやすく言っているものの、本当のところは
100:0から60:40までの間で不定となるようにしているということです。
実際には制動力とかまで考えると-60:-40~60:40と言うべきかもしれませんし、
たまたま前輪だけ滑りやすい場面では瞬間的には0:100とかにもなり得るんですけどね。

ですから、モデルベースの基本とする考え方は、後輪には必要以上の駆動力を与えないようにするです。
それと同時に、必要以上の前後輪の拘束力を排除し、前後輪の差回転の自由度を与えるということです。
そのような考え方ですから、かなりの部分で工学的に正しいAWD制御と言えるし、
その点でもかなり理想に近いAWD制御がこの新ACT-4で実現することが出来たと言えるでしょう。


と言うわけで、なんにしても新ACT-4はSさんが95%、ボクが残り5%ほどお手伝いして
実質的にわずか数ヵ月で完成し、それ自体にすごい名称も与えることなく、ただ“新”とつけただけで
(広報や宣伝に、マップ制御とかモデルベースとか説明してもチンプンカンプンでしたしね)
社外的にも社内的にもあまり知られず、当然ながらボクも大した評価はされませんでしたね。

ただ、社内の他の人に試乗してもらうと、ほとんどの人はすごく良くなったと評価してもらえたし、
それまでのACT-4のような毎回繰り返されたトラブルも以降はほとんどなくなり、
その後20年ほどに渡ってスバルAWDの縁の下を支えるような技術であり続けたという話でした。

また、時代は下って、2016年冬からスバルも「オールスバルAWD」とかと銘打って
自動車評論家らを北海道に招待してスバルのAWD全車を体感試乗してもらうイベントを開催したら、
数名の評論家から「いつの間にACT-4ってこんなに良くなってたの?」とか
「ACT-4がこんなに良いならVTDってもう要らないね」とか言われちゃいましたしね。
まっ、そん時はボクはただニコニコ、いやニヤニヤしながら頷いてただけですが(笑)

おそらく、マツダの嫌がらせを受けて、一部制御の見直しなどはしたかと思いますが、
おそらく今でも新ACT-4の制御はその根幹部分はこの時の制御が踏襲されていると思います。

また、いちおうこれによってお駄賃ほどの特許使用料も貰い続けることも出来ましたしね(笑)
ちなみに、本件も含めて退職時に特許関連はすべて企業としてのスバルに権利譲渡しているので
退職後は一銭も貰ってないですけどね。

さて次回は、AT用ではなく、スバル廉価(といっても主流)MT用AWDの話でもしましょうかね。

|

« 新書「60代からの幸福をつかむ極意」を読了 | トップページ | プラモ製作(117)ニッサン・チェリーX-1・R »

コメント

毎度ご無沙汰してます。

ACT-4,私の所有していたのはレオーネ時代の初期型ですが
FFにするヒューズを刺すと作動するATF油圧の開放用電磁弁?
のところにあるはずのOリングを入れ忘れてたとかで…
いい思い出はありません

そして今では姑息な●島県のメーカーの片棒を担ぎ糊口をしのぐ毎日です


投稿: B10M | 2022-07-02 22:23

>B10Mさん

あらら、防水カプラーのゴムパッキン欠品ですかぁ。
部品メーカーの責任ですけど、まっ自動車メーカー側にも管理責任はありますかね。

それと、メーカー比較試験の公開は海外では普通に行われていることではありますが、日本国内ではあまり露骨にやらないのが紳士協定ですね。
海外では、アウディが空転しっぱなしになるとかBMWがかなり大々的に喧伝してたり、スバルもホンダ相手に似たようなこともしたけど、でもそれは実性能に関係ない極一部の重箱の隅のようなところではなく、本質的な部分での比較試験ですからねぇ。

投稿: JET | 2022-07-03 05:00

>JETさん

少しぼかしたのでわかりにくかったですね
強制FF化用の場所にあるOリングで、後輪用の油圧多板クラッチが作動していなかったため4WD機構が働いてなかった
らしいです
嘘かホントかもわかりませんが
それは富士オートの説明で重工本体へ情報が挙げられたのかも不明です
知り合いのタイヤ屋さんで上げてもらってみたら後輪用ドライブシャフトが回転した形跡は全くありませんでした
当時私は重工社員だったのもあり、修理してやったんだからこれ以上ガタガタ言うな みたいな感じで終わりました
今ならSNSで、も出来るのですがその当時は私も幼かったもので


投稿: B10M | 2022-07-03 06:29

>B10Mさん

最初から強制FWDになっていたということでしょうか。
その場合でも初期の頃のACT-4ってメーター内のインジケータが点灯しなかったのかなぁ。ちょっと謎ですね。

それに、後輪用ドライブシャフトやプロペラシャフトは、FWDでも4WDでも駆動力の有無に関わらず走れば必ず回転するものなので、外見からでは駆動の有無は確認できないはずですし、回転した形跡がないということはないはずですけど……

いずれにしてもちょっと謎ですね。

投稿: JET | 2022-07-03 08:25

>JETさん

インパネはFF用ヒューズを刺したらFFってランプがついたような記憶があります
4WDという表示はしてなかったと思います
パートタイムと違って切り替えは無いので

ドライブシャフトはおっしゃる通り回ってないのは変ですね
勘違いしてますね
雨の日とかに走ったら雨筋が回転方向に残るもんだと思っていたので思い込みです
最初に変だと思ったのはスキーに行ったとき坂を登らなかったためでした

投稿: B10M | 2022-07-03 20:04

>B10Mさん

確かに、4WDと思ってたのにずーとFFのままで肝心の時に滑って役立たずだったとはガッカリですね。
品質管理はしっかりして欲しいものです。

投稿: JET | 2022-07-04 05:16

>JETさん

お気遣いありがとうございます
勿論不良品を掴まされた憤りはありますがその後の対応がより疲れましたね
世界唯一の希少なFFのGT-Ⅱとか揶揄されたり
工業製品なので不良率0は無いことだと頭では理解しますが購入者にとってはスバルの不良率は100%だということを
忘れないで欲しいものです
その数十年後に購入したVWでも製造不具合品に当たりましたがその時の対応も負けず劣らず酷いものでした
ニューマガジンXに載っているようなトラブル事例は本当なんだろうなと思います。

投稿: B10M | 2022-07-04 22:04

>B10Mさん

そうですね。不良品は当事者にとってはそれが100%になってしまいますから、不良品は絶対に出さないことを目指しているわけですが、なかなかそうできないのが現実なんですよね。
それでも、不良品が発覚した時の対応ってのは100%改善できるはずなんで、それが出来てないってのは最悪とも言えます。

まぁ、30年、40年前のスバルディーラーの対応は本当に酷いところが多かったのは事実ですけど。

投稿: JET | 2022-07-05 05:33

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 新書「60代からの幸福をつかむ極意」を読了 | トップページ | プラモ製作(117)ニッサン・チェリーX-1・R »