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プラモ製作(118) オートザムAZ-1

B220621_4 
アオシマ文化教材社の1/24スケールの「オートザムAZ-1」を作りました。

2020年10月製造のキットですから、けっこう新しいキットになります。
それもあって、モールドもかなり精細で下回りなどもばっちり再現してありそうですが
残念ながらミッドマウントされたエンジンとかは再現されていませんでした。
もっとも、AZ-1に積まれているのはスズキのエンジンで、大した興味もありませんが。

なお、実車のAZ-1は1992年発売で、このキットもその’92年モデルということです。
ボクもはっきり記憶があるクルマではありますが、AZ-1に試乗したことは一度もありません。
会社で比較用の外製車(スバルを内製車、それ以外を外製車と呼んでました)として
購入したりリースしたりもしていなかったので、チョイ乗りもしませんでした。

このAZ-1、ホンダ・ビート、スズキ・カプチーノを当時はABCトリオとか呼ばれましたが
ビートは関連会社の社長さんが個人的趣味で購入したとかで
ご厚意で少しだけ運転させてもらいましたけど、AZ-1とカプチーノはまったく無縁でしたね。

つまり、これらABCトリオは当時のスバルの軽自動車のヴィヴィオにとっては比較対象外であり
ケチケチ経営なスバルにとっては大して台数が出ないような軽スポーツカーを
新規で開発・製造するなんて発想はまったくなかったですからね。

ちなみに、スバル・ヴィヴィオにだって少し遅れてT-Topってなのを出したじゃないか、
と言われそうですし、ボクもToTを乗ってたけど、あれは単にヴィヴィオの改造程度でしたし、
別にABCトリオに対抗しようとか、それらに触発されて開発されたわけでもなく、
単に当時の親会社の日産系列の高田工業が閑散期となったのでその救済として
高田工業主体で開発・製造(改造)したものですからねぇ。

そう、その頃の高田工業は日産のBe-1、パオ、フィガロで勢いづいたけど、
次でつまずいたのでT-Topでスバルに泣きついたという流れです。
ただ、その後はラシーンでまた好調になったのだと思いますが。

 

閑話休題。AZ-1でしたね。
まだイケイケだったころのマツダだから造ってしまったような軽スポーツカーと言えますかね。
個人的にはカッコウは悪くないけど、ビートと比較するとハッとするような良さはないかな。
カプチーノは古臭いFRとそれをわざと強調したようなロングノーズでまったく好みではないので
それに比べればまぁまぁかなと思ってましたけど。

ただ、なんでガルウイング・ドアなの? 普通の前ヒンジドアでいいじゃんってのが第一印象でした。
ビートでさえAピラーの邪魔感・圧迫感が強くて生理的に受け入れられなかったボクですが、
それでもビートはオープンになるしでAピラー以外は圧迫感は無かったのに対して、
このAZ-1は実際に乗り込むまでもなく、非常に圧迫感・窮屈感があるであろうと分かるし、
さらにサイドウインドゥはほとんど開けることもできないしで、こりゃダメだという感じでしたね。

で、自動車雑誌などの評価はどうなんだろう。
当初はウルトラクイックで「究極のハンドリングマシーン」なんて呼ばれたりもしたみたいですが
ボクなんかはそんなクイックだったら危ないだけじゃねぇと穿って見てたわけです。
案の定、しばらくするとあれは危険なクルマってな評価になってしまいましたね。

それも、ただテールハッピーでスピンしやすいだけでなく、結構転覆事故も起きたらしいです。
それらの転覆事故の原因もいろいろでしょうけど、軽自動車でトレッドが限られることもありますが
少なからずガルウイング・ドアとガラスルーフによって重心高が高かったのも一因かも。

しかも、このAZ-1、転覆するとガルウィング・ドアが開けられなく
サイドウインドゥの開口面積も狭いのでコックピットから脱出するのが容易ではなく、
万が一転覆から車両火災に至ってしまうともうあの世へまっしぐらってな最悪パターンですな。

Wiki.などをみると、他にもサスペンション・ジオメトリーなども危険なハンドリングの一因とか
散々な謂れようですけど、その辺に関してはボクは乗ってないし見てないのでなんともですが……
もし、このプラモデルキットがそれなりに実車を忠実に再現しているのならヒントになるかもねぇ。

 

というわけで、作ってみたのがコレになります。
色は箱絵のブルーではなく、なんとなく赤にしました。
決して、今のマツダは赤色訴求だからというわけではないですが。

P29_1 P29_2 P29_4 
ドアなどを切り取ってガルウイング・ドアが開いている状態で作ることも一瞬頭をよぎりましたが
サイドガラスの切り取りなど含めて面倒だし、棚に展示するのにも邪魔なので止めました。
そもそも、ガルウイング・ドアをカッコイイとも思わないし、賛同もしてないんですからね(汗)

エンジンは再現されてないけど、下回りはなかなか精密に再現されているようです。
実車の下回りの画像などはなかなか見られないので、いつものように想像で塗装してますけど。

これを見る限り、リアサスはエンジン・ミッションを避けるためでしょうけど
短いロアアームが斜めに取り付けられていて、こりゃぁ確かに横剛性が確保できないし
こんな短いロアアームではジオメトリー変化も激しくて
走らせればボロがでるわな、と納得ですな。

さらに、前後方向の位置決めは専用のトレーリングリンクを設けているわけではなく
スタビライザーと兼用するという安物軽乗用車のフロントサスと同じ形式です。
これでは、前後方向の位置決めも不正確になるし、スタビ径の設定自由度もなくなります。

おそらく、前後のロール剛性配分を考えると、フロント・スタビはもっと太くし、
リア・スタビはもっと細くしたいところでしょうけど、この形式では難しいところでしょう。

 

軽自動車でミッドシップ・スポーツカーを作っちゃえ、奇抜なガルウイング・ドアにしちゃえ、
さらにクイックなハンドリングにしちゃえ、というのは当時のマツダらしいノリですが、
そうはいっても、ボディ剛性やサスペンション設計などに一過言あった当時のマツダらしからぬ
かなりいい加減な設計がされて、チグハグな車がこのAZ-1だと言えるかもしれないですね。

これと比較すると、NAエンジンだけにとどめ、リアサスもマシで、前後タイヤサイズを変えて、
きちんとした設計がされていたホンダ・ビートの良さが改めて分かりますかね。

なお、毎度のことですがJET-PHOTO の方にもう少し詳細な画像を載せています。
今回のオートザムAZ-1は「国産乗用車」から見ることができます。

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