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新書「リスクを生きる」内田樹・岩田健太郎を読了

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朝日新書の「リスクを生きる」内田樹・岩田健太郎を読みました。
全面帯とも言えるほどカラー画像で2人の顔写真が載ってますが
その両者が3回に渡り対談しているのを文字起こしした本になります。

って、前に読んだ「コロナと生きる」の続編に位置づけられるもので、構成はまったく同じです。
その「コロナと生きる」が面白かったですし、そもそも岩田健太郎は感染症の専門家ですが
新型コロナ騒動だけに限らず、なかなか反骨精神があって面白い方だと思ってますからね。

ただ、今回はもう新型コロナ騒動の話題もまったくないわけではないですが
ほとんどはそれ以外の雑談的な内容に終始している感じとなっていて、
それがまた読んでいて面白いところなんですけどね。

 

いちおう、コロナ関連の話題についても紹介しておきましょう。
2021年10月21日での対談でのひとこまです。
                        (以下引用、一部改行位置変更)
内田 岩田先生にぜひお訊きしたいことがあるんです。先生も先日ツイッターで書かれ
ていましたが、コロナの第五波は、日本全国で北は北海道から南は沖縄まで、ほとんど
同時に収束しましたよね。(中略)
岩田 はっきり言って、よくわからないんです。(中略)
 現時点で考えられる要因の一つは、ワクチンです。(中略)ですから、ワクチンだけ
ですべて説明するのは無理だと思われます。
 僕が考えているもう一つの仮説は、「オリンピックが終わったから」です。一番シン
プルにわかりやすく説明すると、患者の急減と同時に全国で一斉に起きた事象って、
「テレビからオリンピックに関する報道が消えたこと」なんですね。(中略)
  実際に今までコロナ感染の波は、第一波のときから「増えたと報道されたらしばら
くして減る」がずっと繰り返されてきました。           (引用終わり)

分からないことを分からないと断定しないことが本当の専門家だというのは共感を持ちますが、
それでもこの岩田氏の仮説が正しいと考えると、
それって逆説的にコロナ第五波は東京オリンピック開催が引き起こしたとも言えるわけですね。

関係者は東京オリンピック開催でコロナ感染者が増えた事実はないとの立場を固持してるけど
オリンピックでメディアがお祭り騒ぎしていて、一方でシラケて何やってんのという国民意識があり、
そんな状況では気分的にも物理的にも感染対策が疎かになるのは当然でしょうからねぇ。

 

そして、その後に東京一極集中の話や新自由主義・経済成長の話が展開されていきます。
まぁ、ここは岩田氏はほぼ聞き役ですから、以下の引用も内田氏の発言ばかりとなります。
                                 (以下引用)
 東京って、日本の都道府県のなかで唯一人口が増え続けている例外的な自治体です。
だから、東京では人間が「使い捨て」できる。人を狭いところに押し込めて、競争させ
て、勝者が総取りして、敗者には何もやらないで叩き出すというような手荒な競争がで
きるのは、人口が増え続けている場合に限られるんです。そして、東京はそれができる
唯一の自治体なんです。(中略)
 資本主義の前提条件は「人口の不均衡」です。それが可能になるためには、人口は増
え続けていかなければならない。
(中略)            「なぜ、若い人たちはあえて生活が苦しいことがわ
かっている東京に集まってくるんでしょうか?」と訊ねられて、困り果てた末に、僕が
仮説として思いついたのが、「もしかすると、今の若い人たちは、具体的な幸福や充実
感よりも、精密なランキングを求めているんじゃないか」というアイデアでした。
(中略)そういう商売をめざす若者たちは東京に行って、精密な格付けを得ようとする。
逆に、「誰もやっていないこと」には誰も興味を示さない。知的イノベーションが起き
なくなるのも当然です。                     (引用終わり)

この格付けを得るために東京に行くって仮説はやや難解で本当かどうか不明ですが(だから仮説)、
なかなか面白い仮説だと思いました。深層心理としてはそうかもしれないけど実証は困難でしょう。

それよりも、前半部分の人口と経済成長の話の方が面白いし説得力がありますね。
だから、本来は新自由主義から脱却することを考えないと、東京以外の日本は先がないし、
いずれ東京だって人口減少になるから日本そのものの先がないわけです。

そして、新自由主義が脱却できないかぎりは東京では人間が使い捨てされるわけですから
深層心理がなんであれ、東京へ行く若者はその使い捨ての対象になることを自覚すべきでしょう。
ただ、そこで格付けされて使い捨ての対象だと自身が分かった時には既に遅しなんでしょうが……

 

もうひとつ、組織論みたいな話が展開されていて、これもとても面白いので紹介しておきましょう。
                                 (以下引用)
内田 そうなんです。個人の能力の高さと上位者への忠誠心はだいたい反比例しますか
らね。
岩田 逆に能力が低い人は、忠誠心を前面に丸出しにして、子犬のように権力者にすり
寄っていく。ですから、ほんとうに組織を活性化したいのなら、「すり寄ってくる
な!」とトップは常に言い続けなければいけない。(中略)
内田 そうなんです。でも、今の日本の組織では「イエスマンであること」がキャリア
形成上の必須条件になっている。そして、「イエスマンの見分け方」として最も効果的
な方法は「ブルシット・ジョブを命じること」なんです。何の役にも立たない、まった
く無意味なタスクを言いつける。それに異を唱えず従う人間が理想的なイエスマンなわ
けです。                            (引用終わり)

あはは、その通りですな。
ボクはイエスマンの真逆でしたし、だからキャリア形成はできませんでしたし、望みませんでしたが。
まっでもタダのイエスマンだけでは、さすがに通用しないのも現実でしょうけどね。
イエスマンを演じて、ブルシット・ジョッブも適当に部下にやらせて、
それで腹黒くのし上がる人がいちばん狡猾なんでしょうが、すると慕われることもないでしょうね(笑)

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