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オペル合同試験@美深テストコースの思い出

2001年1月のGM-AWD大会でのアメリカ出張から帰国してから1週間ほどして
今度は北海道の美深テストコースでオペルおよびGMとの合同評価をしました。
今回はちょいとその時のことなど、他愛も無いことを書いていきましょう。

GMからはアメリカ人が1名、仲介役みたいな立場で参加してきただけで、
オペルからはドイツ人が3名参加という形でした。
迎え撃つ、って撃たないですが、スバル側は、何故かこういう時だけ顔を出してくる人が多くて
総勢11名も顔を連ねるという状態になりましたね。

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ランチ時に集合写真を撮ったのがこれです。
ここは、美深テストコースの近くにある唯一のペンションかつ食事が摂れる場所です。
あっ、一時期は近所の民家で食事が食べれたこともありましたけど
普段は出勤する途中でコンビニ弁当やカップ麺を買ってきてランチにするって感じでしたね。

 

ちなみに、ボクが初めて北海道の美深に冬期試験に行ったのは1991年だったのですが
この時は冬季でもテストコースと呼べるようなものは何もなくて
除雪されている一般道や一部冬季閉鎖されている道路を除雪してもらい
貸し切りにして走っていただけでした。
そして、近くの民家の納屋みたいなところを借りて、そこでタイヤ交換したりしてね。

さらに、近くの民家に宿泊させてもらったり食事を出してもらったりもしてましたし、
クルマで(合法的な走りなら)1時間以上かかる林業センターに宿泊して
そこでお握りを握ってもらってそれを昼時は食べるみたいなこともやってましたね。

そう、美深テストコースはそのくらい周囲に何もない超辺鄙な場所なんですよ。
どうして、そんな超不便な場所で冬季試験をするようになってしまったのか、
そしてどうしてそのまま冬季試験用のテストコースをそこに造ってしまったのか……
まっ、少なくとも長期的・将来的な展望に沿って計画されたことではないのは確かでしょう。

 

話を2001年に戻しましょう。
といっても、技術的な話はほとんどないのですが……

このランチ時、いちおう洋風料理なわけですが、
某上司と某部下の2人がこぞってスープを「ズズー、ズズー」と啜るんですよ。
それに反応して、オペルの技術者、特に若くてエリートっぽい人が反射的に凝視して固まるんですね(笑)

蕎麦とかラーメンとかなら日本ではこうやって食べるもんだから、マナーがどうとか言わせませんが
洋食なんだから、たとえ日本人だけだとしてもスープを音を出して啜るのはマナー違反ですし
ましてや周りの外国人がそれに反応しているのに、あるいは嫌悪感を露わにしているのに
知らんぷりで平然と啜り音を出しつづけられるという、あまりの無頓着さに唖然としてしまいましたよ。

いくらスバルが当時「プレミアム・ブランドを目指す」なんて言ったところで
所詮、開発している張本人たちがプレミアムのプの字も分からないような非常識な人なんですから
なにをか言わんやですわなぁ(嘆)

 

それから、オペルの人はおそらく母国語はドイツ語なんでしょうけど
ここでのコミュニケーションは当然ながらすべて英語になります。

ボクも彼らと同乗しながら合同評価するのですが
お互い拙い英語ではなかなか正確な意思疎通ができません。
って、圧倒的にボクの英語能力が低いのが原因なわけですけどね。

ただそれでも、技術的なこととなると単語はもともとが英語だったりするので
だいたい何の事を話題にしているのか想像できます。
けれども、微妙なニュアンスなどは分かりませんし、正確さには欠けてしまいます。

ただし、ボクくらいの英語能力の人でも、こんなこと言ってたと自信たっぷりで語る人もいます。
でも、往々にしてそういう人も、たまたま聞き取れた単語から話題を考えるんだけど
それを自分自身が考えている結論へと、思い込んでしまいがちなんですよね。

Aという言葉が聞き取れたら、自分がAが良いと考えていると、やっぱりAが良いと言ったとか、
逆にBという言葉が出てきて、自分はBはダメと考えていると、Bはダメと言ったとか……
これは英語力だけでなく、エンジニアとして大切な客観的・批判的思考ができないのが原因でしょうが。

で、最後に英語がペラペラの人たちも交えてラップアップミーティングをすると
全然真逆の結論となって、あれれーとなっちゃったりするわけですよ。
ってことが、このオペル合同試験でも起こってしまっていたんですね。

某上司は、センターデフ上等、リア偏重トルク配分上等って思い込んでいるので
オベルの人たちの意見を勝手にそのように解釈してしまっていたわけですが、
結論としては、オペルとしてリア偏重トルク配分は危険だからやらないだったり
センターデフよりFFベースの電制カップリングが良好ということになったわけです。

まっ、その結論自体は、ボクと同じだし、この時の欧州出張などを経て真っ当な結論なんですけどね。
そして、その結論どうこうではなく、この合同試験を経て
ボクはもっとちゃんと英語力を身に着けないといけないなと痛感したわけです。

単に日常会話でコミュニケーションが取れるように、というよりも
技術的なミーティングで正確なやりとりが出来るようにならないと、
その某上司のように思い込みだけで間違った結論に至ったりしてしまわないように、と考えたからです。

なので、様々な英語力の人を観察して、だいたい正確にやりとり出来ている人は
TOEIC600点以上のレベルだなぁと感じたので、
そこを目標に英語の勉強をしようということになりましたね。

この合同試験の一件が反面教師というか、いいきっかけになったわけです。
それで、会社主催の英会話教室(週一)に参加したり、通勤時などに英会話テープ聴いたりしました。
でも、最終的には情けないことにTOEIC600点は叶わなかったですね。
そこそこ近い線まではいけたのですが。

 

また、脱線してしまいましたね。
脱線ついでというか、オペル合同試験そのもののの話題は以上なんですけど、
実はこの時、北海道美深テストコースに向かう時に大ハプニングがあったんですよ。

ちょっとこの前日、北海道では何十年に一度くらいの爆弾低気圧で猛吹雪になってしまい……
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一般道の峠道にさしかかったところで、前走車のアルファロメオ166が
猛吹雪の中から突然現れた対向車と(タイヤ同士が)衝突してしまい
タイロッドが破損して走行不能に陥ってしまったんですよ。
おそらくボクが前を走っていても同じように衝突しただろう、というか
下手したらもっとお互いのクルマがグシャッと正面衝突してたかもしれません(怖)

しばらく吹雪が収まるのを待って、やっとJAFが来て救出してもらい、
とりあえず、近くのスバルディーラーに頼んでロメオ166を預かってもらい、
まだまだ続く猛吹雪の中でなかなか進めず、結局、当日に美深まで辿り着けずに、
やっとの思いで手前の名寄市のホテルに飛び込んで、満室だったにもかかわらず
普段は客室でないところに泊めてもらった、なんて顛末でしたね。

翌日は朝から天気は回復したので、名寄のホテルから美深まで出勤するという形で
オペル合同試験にはちゃんと間に合いましたので、助かりましたけど。

 

という、今となっては、半分愚痴、半分笑い話なオペル合同試験の話でした。

なお、このオペル合同試験は正味3日ほどでしたが、ボクはそのまま北海道に残り
その後2週間ほどAWDに関連する様々な評価試験や開発試験をやっていました。

で、北海道から帰ってきてから1週間もしないうちに
今度はスウェーデンでの雪上試験へと海外出張することになります。
次回はそのスウェーデンでの雪上試験の話でも書きましょうかね。

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