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新書「ふんどしニッポン」を読了

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朝日新書の「ふんどしニッポン 下着をめぐる魂の風俗史」井上章一著を読みました。
なにやら意表を突かれたような題名の本で、思わず読まずにはいられなくなってしまいました。

なお、著者の井上章一氏については、、、これもこの本を買ってから気付いただけのことですが、
以前に同一著者の「日本の醜さについて」という新書を読んでいました。
その本でもタイトルの大仰さに対して中身は都市景観や建築美観についての話となっていたわけですが
こちらの本でも褌=ふんどしを題材にしてその時の日本人の精神文化にも考察は及んでいるものの
だからといって現代に続く日本人の精神文化の成り立ちに対して鋭い考察をしていると言えるほどの
そんな大仰さのあるような内容とはなっていません。

まっ、帯の文言をまともに受け取るとそんな本かと勘違いしてしまうかもしれませんが。
それでも、なにかの気づきにはなるかもしれませんし、単に面白いだけでもいいとも思いますが。

 

それにしても、なんでまた褌なのって感じです。
もう、相撲の力士のまわしくらいしかイメージないですからね、まわしも褌の一種ですが。
著者は昭和30年生まれとのことなので、ボクとは10年も違わないからほぼ同世代ですし……
なんて思いつつ、本書の「まえがき」には次のようなことが書かれています。

(以下引用)                             私は風呂
屋の脱衣場で、褌 姿の男たちを見かけたことがある。一九六〇年には内風呂のある家
へ、引っ越した。だから、それ以前の記憶だと思う。とにかく、そのころは、まだ褌を
しめた男が、のこっていた。(中略)
    しかし、団塊の世代とも、そう年ははなれていない。だから、褌での水泳とい
う話を耳にすることはよくあった。そこにこだわれば、褌時代の最末尾あたりに位置し
ていたような気もする。(中略)
 それを不思議がる人なら、この本も未知の事実がつまったそれとして、たのしめよう。
本書は、褌がパンツにとってかわられるまでの歴史を、おいかけている。そのあちこち
に、「へえ」とか「ほお」と思ってもらえるはずである。      (引用終わり)

なるほど、著者が褌時代の最末尾であるというなら、ボクはパンツ時代の最前列なのかも。
もっとも、物心ついた時から内風呂だったので、褌男を目にする機会がなかっただけかも。
(田舎なので町の銭湯もなったからだし、その内風呂は当初は薪で焚く五右衛門風呂でしたが)
まっなんにしても、「へえ」とか「ほお」と思える世代ではあるわけですな。

 

で、本書の中身については、ここではあまり言及しませんが、
昔の写真や絵画、あるいは漫画みたいなものなどから、当時の褌姿・パンツ姿・水着などを見ていきます。
古いものでは江戸時代のものもありますが、大半は明治維新以降の題材となっています。

なので、本の厚さの割にはそれら画像が豊富に載せられているのでさらりと読めます。
というか、そもそも褌かパンツかの単純な話なので小難しさはまったくありませんけどね。
ただし、単純に褌からパンツへと移行したのかというと、どうやらことはそんな単純ではないようです。

さらりと概要を書いちゃいますが、
明治維新で上着(下着に対する意味でズボン、スカートなども含めて)の洋装が進むのですが、
それは男性から先に進み女性の洋装化はかなり遅れたのだそうです。
制服で洋服が取り入れられても女子社員は和服で出勤してから洋服の制服に着替えていたそうです。

ところが、水着となると女性は早くから西洋寝巻とも言われるような洋装が目立つのに対して
男性は戦後にまで褌が主流で、パンツ姿の水着はあまり流行らなかったのだそうです。
国際大会の水泳選手でも練習では褌姿で、本大会では規定に定められたパンツ姿の水着だったとか。

水着と同様に下着についても、男性は長らく洋装の上着の下は褌という時代が続いていたとのこと。
もちろん、戦前でもパンツ状の下着を履く人もいたようですが貴族・華族はそうだったわけでもなく、
また戦後になって急速に褌からパンツへの移行となったわけでもないようなのです。

このように見てくると、確かに褌ってなぞめいていて、当時の日本人は、特に日本男児は、
どういう意識でもって褌を締めていたのか興味が湧いてきてしまいますねぇ。

なお、本書では日本以外での褌もしくは褌に似た下着類についての言及や
褌の歴史みたいなものや、褌の種類・名称などについての言及もありますけど
それらについてはあまり深く研究されているものではありません。
でも、個人的にはそれらのことについてもなんだか興味が出てきちゃいましたな。

なんにしても、それなりに「へえ」「ほお」と楽しめた一冊でした。

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