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GM主催のAWD車雪氷上乗り比べ大会@ミシガン

この時の記事この記事でも少しだけ触れたのですが、2001年1月にGMがミシガン州で開催した
「AWD車雪氷上乗り比べ大会」みたいなイベントにスバル代表の一人として出張・参加しました。
スバルからは日本から4名、アメリカ駐在所から2名(うち1名はアメリカ人)で
GMの人は24人いたようでよく覚えていませんが、中にサーブから出向している人もいました。

まずはデトロイトにあるGMまで出向いて
とある建物のとある会議室でGMとスバルの人たちが初顔合わせをして
概要が説明されて、もちろん全部ネイティブ英語で、
なので英語が苦手なボクはチンプンカンプンな状態のままですが
いきなり「ハイ、スタート」って感じです。

どうやらGMのエンジニアと企画部門の人など2~3人に対して
スバルのエンジニアがそこに1人づつ加わって1チームとなって
駐車場のどこかに停めてある指定された各車を見つけて、まずは勝手にスタートするようです。
スタートしてから各車の無線で緩く連絡取りながら、途中で落ち合うってやり方です。

スバルの場合だと、全車両をあらかじめ順番に並べておいて、順番に乗車して、
そのままの隊列でスタートという感じなのですが、
GM流はかなり緩いというかいい加減というか、各々が適当にやるというやり方みたいです。
それはそれでいいんですけど、まったく土地勘もないところでほぼ言葉が通じない状態では大変でした。
まぁ、言葉が通じないのはボクの英語能力に責任があるんですけど……

 

もう記憶が曖昧ですが、たしか最初に乗り込んだ車はフルサイズSUVのGMCユーコン(2代目)。
SUVといってもピックアップトラック・ベースのでっかいクルマです。
そして、たしかボクが運転手となりました。
慣熟走行などもなしでしたので、まずは雪のないデトロイト周辺で右側通行に慣れようとしたのかな。

道はまったく分からないので助手席の人の指示に従うだけですけどね。
「Right」、「Left」くらいはヒアリングできますから(笑)
でも、「この先、有料の橋を通るけど通行料金払えるか?」は全然理解できなかったですよ(汗)

そんなこんなで運転していると、各車から無線で状況報告がされるようになります。
状況報告といってもそんな固いものではなく、雑談みたいに「どうだい」って感じですけど。
また、無線での英語となるとさらに聞き取りづらいから、まぁほとんど聞き流していたんですけど。

ただ、騒音の中で滅茶苦茶ハイテンションで喋ってくる無線が入ってきて、同乗者も爆笑してるんですよ。
どうも、その無線の主が乗っている車両がとんでもないようなもので、初めて乗ったらしく、
やたらとでっかくて、ガーゴーうるさくて、スピードが出なくて、ワイパー遅くて、、、
なんだこれ~みたいなことを言っているようなんですね。
へぇーそんなとんでもない車両もあるのかぁ、なんて呑気に思っていたんですが。

そのうち、その車両ってのがハマー、ほぼ軍用車両のままのハマーH1ということが理解できました。
が、無線先で「どうして、こんな車を選んだんだ」ということになると
また別の無線から「それは、スバルからのリクエストだよ」というやりとりとなって
ボクは運転しながら、やべぇーと思ってしまいました。

 

というのも、この大会(?)に先立って数ヵ月前に、ほとんど詳細の説明もなく
また誰がスバルから参加するとかも決まってない段階から
GMよりスバルに対してGM車およびスバル車に限らず参考にするようなAWD車があれば
何車種かピックアップして提案して欲しいという要望があったようで、
それがそのままボクに丸投げされる形になっていたんですよね。

で、目的とかよく分からないけどなるべく視野を広く様々なタイプのAWD車を網羅すべきだろうと考え
アウディRS4とかとともにハマーH1もリストアップしておいたんですよね。
あくまでもこんなのもどうですか?という程度での叩き台としてというつもりだったんですけどね。

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左画像:これがハマーH1ですね。ほぼ軍用車両のままです。
右画像:赤いクルマは世界一醜い車と言われているポンティアック・アズテックですね。

まぁハマーの件はとくにボクが咎められたりしたわけでもないし
結果的にはハマーを選んでおいて損はなかったということだったと思いますが。

 

そんなこんなで途中からは雪上走行となって、いろいろな車両をフィーリング評価しながら
デトロイトから400km以上離れたカナダとの国境近くの keweenaw research center という
ミシガン工科大学が所有する氷雪上テストコースへ行って、そこで各車両を評価しました。
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大学所有ってのは不思議な感じがしますけど、設備はちゃんと揃っています。
スバルの北海道美深テストコースよりも断然ちゃんとしてますよ(汗)

左画像のように斜度違いの登坂路もあります。
美深にも登坂路はありますが山の斜面の一部分を除雪して登坂路と呼んでいるだけで
ただ長い坂道があるだけで斜度の管理も路面の管理もほとんどできていませんから。

右画像のようにメッシュ状のモノを作業車で牽いて雪上路面の管理も定期的にしています。
これまた美深なんかはただブルトーザーで積もった雪を掻いているいるだけですから。

スバルの場合は単に地元の土木作業員に除雪してもらってるだけで
彼らは車両開発における雪上テストが何たるかも知らないし、興味もないし
路面の管理とか条件を安定させようなんて考えは皆無ですからね。
まぁ、今のスバルのことは知りませんけど(笑)

画像はありませんが、雪上・氷上のスキッドパッド(旋回評価用の水平な円形場)も手入れがよく
そこでハマーを雪上ドリフトして遊んでいた(いや評価していた)のがよき想い出ですね。
その時はサーブから出向してきているという年配の方を
隣(といっても凄く両端に離れてますが)に乗せていたので
その人から「ブラボー!」を連発されてしまいましたよ(笑)

 

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で、キーウィーノー・テストコースからデトロイトへの帰りは飛行機で一足飛び。
偶然でしょうが、機体はサーブ製で、先のサーブから出向の人はさかんに自慢してました(笑)

乗ってきた各車両はすべて業者に任せて搬送してもらうそうです。
スバルだったら自分で運転して帰ってこいと言われそうですけどねぇ。

まっ、そんなこんなで英語でのコミュニケーションには苦労しましたが
特に具体的な成果が求められるような出張ではなかったので愉しませてもらいました。

 

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帰国する前に少し日程に余裕がありましたので
ちょうど開催されていたデトロイト・オートショーを見学してきました。
同行していた上司はさぼってゴルフをやりたいとほざいてましたけど(爆)

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