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新書「日本の先史時代」を読了

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中公新書の「日本の先史時代 旧石器・縄文・弥生・古墳時代を読みなおす」藤尾慎一郎著を読みました。
本書の「はじめに」では次のように書かれています。
                                    (以下引用)
 以上のように、公権力の誕生という政治的な指標で明確に次の時代に代わることがわかって
いる七世紀の飛鳥時代以降に対して、政治的な指標がない古墳時代以前の時代は、紀元前何年
から何時代と明確に決められない。だからこそ、新しい時代が始まる原因を知るための手がか
りとして、移行期研究が非常に重要になってくる。研究者にとっても魅力の尽きない時代なの
だ。
 本書は、日本の先史時代を、移行期という視点から通史的に考えるものである。軸となるの
は、旧石器時代から縄文時代、縄文時代から弥生時代、弥生時代から古墳時代への移り変わり
に関する考察である。

                                   (引用終わり)

確かに、政治的指標もなく、他民族との抗争などで文化・宗教などが一気に変わったわけでもなく
日本では徐々に文化や人々の暮らしが変化していったわけですから
この移行期に着目するというのは的を得ていると感じますね。

ところで、本書の「おわりに」の後に小さな文字で次のように書かれています。
                              (以下引用、改行位置変更)
本書は、日本学術振興会科学研究費補助金基礎研究S「年輪酸素同位体比を用いた日本列島にお
ける先史暦年代体系の再構築と気候変動影響評価」中塚武研究代表(課題番号:17H06118)、
および文部科学省科学研究費補助金新学術領域「考古学データによるヤポネシア人の歴史の解明」
藤尾慎一郎研究代表(課題番号:18H05509)の成果の一部である。      (引用終わり)

要するに学術論文がもとになっている内容の本ってことですね。
なので、読み始めると文章がやたらと硬いです。
ボクのブログ記事もたぶんそれなりに硬いと感じる人が多いのかもしれませんが
そんな次元ではなく誰それの説はこれこれで、別の人の説はこれこれで……
それだとここが矛盾するとか、定義をどうするかとか……
論理的なのはいいことなんですけどあまりに脇を固めていくような文章が続きます。

正直なところ、縄文時代はいつからいつまでか、何を指標に縄文時代と呼ぶのか、
日本列島のどこからどこまでが縄文文化と呼べるのかなどそういう定義などは
個人的にはどうでも良いことなので、
そこについて延々と説明されてもちょっと辟易してしまうところもあります。

 

ただ、そこかしこに出てくる考古学的事実に基づいている内容については面白いものが多いです。
それらをひとつひとつ紹介していくとキリがないので
終章で著者がまとめ的に述べている部分の紹介だけしておきましょう。
                                    (以下引用)
 本書が焦点をあててきたのは、移行期ごとに登場する、次の時代を告げる指標であった。
 今一度振り返ってみると、旧石器時代から縄文時代への移行は、森林性食料に依存する網羅
的生業構造の開始が指標となる。これは後氷期の温暖化にともなう変化である。
 縄文時代から弥生時代への移行は、列島外からの灌漑式水田稲作の持ち込みによる選択的生
業構造の開始、および青銅器文化にもとづく社会・祭祀体系の成立が、指標としてもっともふ
さわしい。
 弥生時代から古墳時代への移行は、新たな対外交易機構の成立、交易のハブとしての纏向遺
跡の発展、巨大な前方後円墳の成立、中国鏡の多面副葬の開始など、複数の指標にもとづき、
総合的に考えるべきだろう。                      (引用終わり)

こうやって書いてしまうとまぁ普通に聞こえてしまいますけど
少なくとも、縄文式土器を使っていたから縄文時代だとか
弥生式土器を使っていたから弥生時代だとか
古墳を作っていたから古墳時代だとかそんな単純な話ではないよということですね。

なのでそれだけで一冊の厚めの本となるということですけど。

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