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新書「はずれ者が進化をつくる」を読了

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ちくまプリマー新書の「はずれ者が進化をつくる 生き物をめぐる個性の秘密」稲垣栄洋著を読みました。

タイトルから勝手に生物の進化についての自然科学的な話で
それが人間社会などに応用して考えられるみたいな内容なのかなと思い
前回紹介の「会社ではネガティブな人を活かしなさい」にも通じるものがあるかと考えて
2冊一緒に本屋で買ってきて連続して読み始めたのですが
ちょっと予想とは違う趣向の内容となっていました。

確かに著者は農学博士で農業研究や植物の生態や進化なども研究しているような人なので
それらについては自然科学的な話が展開されてはいるんですが
軸足は完全に若い人・悩める人への生き方講座でありある意味でお説教本みたいでもありました。

本書の「はじめに」では次のようなフレーズが出てきてちょっとビックリしました。
なお、本書は、若い読者に向けて書いたちくまプリマー新書としては……
えっ、ちくまプリマー新書って若い読者向けって位置づけなんですか?
だったらもっとそれが分かるようなシリーズ名にしておいてよと思いますが。
確かに、Wikiでも「ヤングアダルトを対象とした新書」となっていますけどね。
ヤングアダルトという言葉もなんか不思議な響きですが(笑)

 

で、読書離れがはなはだしい若い人を対象に書かれていることもあり非常に簡単な文章で書かれてます。
そして科学的な内容よりも子供に諭すような内容ばかりが書かれています。
例えば次のような感じです。
                                 (以下引用)
「ものさし」で測ることに慣れている大人たちは、皆さんにこう言うかもしれません。
「どうしてみんなと同じようにできないの?」
 管理をするときには、揃っている方が楽です。バラバラだと管理できません。そのた
め、大人たちは子どもたちが揃ってほしいと思うのです。
 しかし本当は、同じようにできないことが、大切な「違い」なのです。
 そんな違いを大切にしてください。
 おそらく、皆さんが成長して社会に出る頃になると、大人たちは、今度はこう言うか
もしれません。
「どうしてみんな同じような仕事しかできないんだ」
「他人とは違うアイデアを思いつきなさい」            (引用終わり)

もう子どもでもないし社会に出るどころか社会とも疎遠となった無職のオッサンにとっては
その通りなんだけどいまさら言われなくても……という気持ちにならないこともないですな。
ただ、こういうことは中学から高校生ぐらいの人がこれを読んでどうこうよりも
むしろ子育て世代の親が読んだら良いんじゃないかなとは思いましたね。

 

まぁでもオッサンには何も面白くない内容かというとそうでもなく面白い所もあります。
例えば次のような内容です。
                                 (以下引用)
「世界に一つだけの花」(詩曲・槇原敬之)という歌に、次のような歌詞があります。
「ナンバー1にならなくてもいい。もともと特別なオンリー1」(中略)
 オンリー1で良いのか、それともナンバー1を目指すべきなのか。あなたは、どちら
の考えに賛成するでしょうか?(中略)
「ナンバー1しか生きられない」
 じつは、生物の世界では、これが鉄則です。
 理科の教科書には、ナンバー1しか生きられないという法則を証明する「ガウゼの実
験」と呼ばれる実験が紹介されています。             (引用終わり)

「ガウゼの実験」聞いたことないです。
昔の教科書にはなかった? 生物は真面目に勉強してませんけどね。
それに若い人向けて「ナンバー1しかない」って酷な話ではと意外な展開に驚きますが……

(以下引用)              すべての生物は、ナンバー1になれる自分
だけのオンリー1のポジションを持っているのです。そして、オンリー1のポジション
を持っているということは、オンリー1の特徴を持っているということになります。
 つまり、すべての生物はナンバー1であり、そして、すべての生物はオンリー1なの
です。                             (引用終わり)

というオチになっています。お笑いじゃないのでオチというのは失礼ですが。
まぁちょっと考えればそうだろうなということではありますけどね。

 

植物が専門の著者ですから、雑草の話もなかなか面白いものがあります。
                                 (以下引用)
 ところが、植物学の教科書には、雑草は強いとは書いてありません。それどころか、
「雑草は弱い植物である」と説明されています。(中略)         確かに、
人間が改良した植物である野菜は、人間の助けなしには育つことはできません。そんな
野菜よりは、抜いても抜いても生えてくる雑草の方が競争には強いかもしれません。
 しかし実際のところ、自然界に生えている野生の植物たちは、そんなに弱くはありま
せん。雑草の競争力などとても太刀打ちできないのです。
 どこにでも生えるように見える雑草ですが、じつはたくさんの植物がしのぎを削って
いる森の中には生えることができません。             (引用終わり)

雑草については次のような内容もなかなか面白いところです。
                                 (以下引用)
「踏まれても踏まれても立ち上がる」それが、雑草のイメージですよね。
 しかし、それは間違いです。
 じつは、雑草は踏まれると立ち上がらないのです。「雑草は踏まれても立ち上がらな
い」これが、本当の雑草魂です。                 (引用終わり)

このような雑草についての話、おそらくそれは科学的事実なのでしょうが
そこから著者が若い人に向けてどんな教訓を語っているかについてはここでは書きません。
興味ある人は想像したりこの本を読んでいただければと思います。

 

最後にとても意外だったしボクも間違って思い込んでいたことを書いておきましょう。
                                 (以下引用)
 植物は、木になる「木本植物」と、草になる「草本植物」とに分かれます。
 この木本植物と、草本植物とは、どちらが、より進化した形なのでしょうか。
 幹を作り、枝葉を茂らせる木の方が、より複雑な構造に進化をしているように思える
かもしれませんが、そうではありません。じつは草の方がより進化をしているのです。
                                (引用終わり)

今ならDNA解析で進化の過程は解明できているのでこれは事実なんでしょう。
何百年も生きるような木よりも数年しか生きられない草の方が環境に適応しやすいからだそうです。

 

ちなみに、タイトルにも出てくる「はずれ者」についてももちろん本書では出てきますけど
まぁその部分についてもあえてここで紹介する必要もないですかね。

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