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新書「人類はできそこないである」を読了

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SB新書の「人類はできそこないである 失敗の進化史」斎藤成也著を読みました。

著者の本は以前にも「日本人の源流」や「大論争 日本人の起源」を読んでいます。
後者は斎藤氏だけではなく共著という形になっていますけど
本書は日本人という括りではなく人類すべての進化の話ということになっていますし
単に人類の進化だけにとどまらず生物の進化そのものや
進化論に対する新たな視点で書かれている内容となっています。


本書のタイトルおよびサブタイトルからするとかなり自虐的な人類進化感となっていますが
著者の主張は大きく分けると次の2つになるかと思います。

(以下引用)              欧米の研究者の大多数は、「人間はもっとも
優れた生物」であり、進化の過程でほかの生物よりも高度な能力を獲得してきたと考えて
います。私から見ると、一般の人よりむしろ人間の進化に興味を持って研究をしている人
のほうが、そういった傾向を持っているように思います。
 では、なぜ研究者の大多数が人類の優位性を認めているのでしょうか。その最大の理由
はキリスト教的な価値観にあります。
 キリスト教では、「神は自分の形に似せてヒトを創造した」とされています。(中略)
 神が自分に似せて人間を創造したということが、「神に祝福された人間がほかのあらゆ
る動物よりも優れている」という人間中心主義の発想につながっていきます。(中略)
  人間はなんら特別な生物ではありません。むしろ「できそこない」ですらあるのです。
本書ではそのことについてお話ししていきたいと思います。      (引用終わり)

つまり、人類は進化(変化)の過程でこんなにも不具合を抱え込むことになったいう話です。
ただし、もちろん進化の過程で有利になったこともまったく書いてないわけではないし
それは他の生物だって進化で良いことも悪いこともあって今に至っているわけですけどね。

 

もう一つの著者の主張は次のようなものです。

(以下引用)      ダーウィンの自然淘汰説では生存に有利な突然変異を起こした
個体が子孫を残し、適さないものは淘汰されると考えられました。
 これに対して、突然変異は生物の生存競争において有利でも不利でもない中立的なもの
であり、それが進化の主要な要因であるとする考えが出てきました。この考え方を「中立
進化論(中立説)」といいます。                  (引用終わり)

つまり、著者はこの中立進化論を主張しているのです。
かといって自然淘汰をまったく完全に否定しているわけでもないようですとけど
進化のほとんどはたまたまそうなっただけで有利とか不利とかあまり関係ないという主張です。

 

この2つの主張から本書の内容は次のようなものとなっています。
                                  (以下引用)
 本書では、中立進化の観点から人類の進化をとらえ直し、人類がよりよく変化してきた
どころか、できそこないとして偶然生きているだけであることを解き明かしていきたいと
思います。                            (引用終わり)

具体的にどんなところが“できそこない”なのかなどについてはここでは紹介しませんし
人類の特徴である二足歩行や体毛がないとか脳が大きいとか言語・文字を使うとか
そういうことも著者によれば偶然が重なってそうなっただけではあるとして説明されてますが
それらについてもその内容についてはここでは触れないでおきましょう。

また、人類のペニスは霊長類最大なんだそうですし、人類のメスだけ乳房が大きくなるそうで
そういうのもたまたまそうなっただけで自然淘汰で有利だからそうなったわけではないと
中立進化の立場をとる著者は主張しています。

まぁ自然淘汰でも中立進化でも、読んでいるこちらは雑学として面白いですけどね(笑)
そう、著者の説が全部正しいのか間違っているのかを考えるよりも
雑学として楽しむとともに今までとは違った視点で物事を見るという意味でも楽しめる内容です。

 

そして、最終章では次のように書かれています。
                                  (以下引用)
 それでは本書の最後に、私たち人類は今後どうなっていくのかについて触れておきたい
と思います。結論からいうと、人類はいずれ絶滅します。私自身が虚無主義者だからとい
うのもありますが、そもそもほとんどの生物は絶滅するものだからです。
(中略)
 私は200億人程度が人類の人口容量の限界ではないかと考えています。200億人は
まだまだ先のように思われるかもしれませんが、このペースで人口増加が続けば意外に遠
からず到達する数字です。その意味では、日本で21世紀になってから人口減少が起こって
いるのは、悪くない傾向だと思っています。江戸時代の人口である3000万人程度にま
で減ったほうが、むしろ理想的な環境ではないかと思うくらいです。
 
 実際に将来の人類がどのように生きているのかを確かめるのは不可能ですが、無条件に
よりよく変化していくと考えるのは間違っています。
 私たちは偶然生き残っているだけ。優れた生き物だから当たり前のようによりよく変化
して生き延びていくという考えはあらためたほうがいい、と私は考えます。(引用終わり)

進化の話というより哲学的な話となっていますけどボクはなんとなく共感できるかな。
そもそも人は必ずいつかは死ぬんですから人類が未来永劫続くかどうかなんてどうでもいいし
だから人類はいずれ絶滅すると思うけどそれを悲観することもなにもないと思います。
ただ、ボクには子孫はいないけど未来の人類を苦しめたり辛い思いをさせたくはないですが。

また人口問題についてもしかりで様々な問題があることは承知の上ではありますが
それでも日本人の人口減少は悪くない傾向だと思うし
世界人口を減少させることを本気で考える必要はあるんじゃないかと思ってますけどね。

ただこれも人間の手(政策など)で人口調節が出来るなんていう発想そのものが思い上がりであって
それさえもたまたま減るのをよしとするしかないのかも知れないですけど……

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