単行本「ダチョウはアホだが役に立つ」を読了
鳥類は人間の声など物真似するインコなどや悪知恵も働くカラスなどをはじめとして
かなり賢い生物というイメージが強いのですが、ダチョウはアホなんだそうです。
本書の「はじめに」でものっけからそのアホさ加減が書かれています。
(以下引用)
ダチョウという鳥はびっくりするほどアホです。重傷を負っても気にしないぐらい
鈍感だし、自分の家族は一瞬でわからなくなるし、どれだけ世話しても人間の顔を覚
えないし……。 (引用終わり)
まぁ重傷を負っても気にしないのは鈍感なだけでなく免疫力がものすごくあるのも関連してて
それ故に様々な感染症などの抗体を作らせて人間の役に立ってくれるということなんだそうです。
そんなことも「はじめに」では書かれていてほぼこの本の内容はそこに凝縮されています。
(以下引用)
実はダチョウは、めちゃめちゃ僕らの役に立ってくれる。花粉症やアトピーをはじ
め、インフルエンザやノロウイルスなど、さまざまな疾患や感染症から人間を守って
くれます。
なんでダチョウにそんなすごいことができるかというと、ダチョウには並外れた免
疫力があるからです。メスに無毒化したウイルスを注射すると、ウイルスに対する抗
体が体内で猛スピードで作られ、それが卵に送り込まれる。ダチョウの卵は地球上で
いちばん大きいです。そのデカい卵にたっぷり抗体が含まれて生み出されるというわ
けです。(中略)
2019年に新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが始まると、
世界に先駆けて新型コロナウイルスの抗体の精製に成功しました。(中略)
これをダチョウ抗体マスクに配合し、医療関係者をはじめ多くの方に役立ててもら
っています。アメリカでは、まだ承認されていませんがダチョウの卵から精製した抗
体が治療薬としても使われています。 (引用終わり)
抗体の研究をしているのは知ってましたけど既に感染予防&医療ビジネスとして成立してたんですね。
ここではダチョウの免疫力のすごさとともに卵から抗体を取り出すというのがミソのようです。
なお、著者は2020年の2月ごろには無毒化した新型コロナウィルスを作製して
ダチョウに注射する前に自ら人体実験したというのですからビックリしました。
つまり1月ほどで自分でワクチンを作って自分に打って抗体を作ったというのですから。
もちろん、その直後にダチョウを使って抗体を大量生産したとのことです。
ただ、ダチョウ抗体マスクって何それって印象ですし
所詮マスクなんだから予防効果は限定的なんじゃないの?と思いましたが
その疑問に対しては次のように説明されています。
(以下引用)
ダチョウ抗体マスクのフィルターは4層構造になっていて、いちばん外側のフィル
ター表面にダチョウ抗体が配合されています。ここにウイルスが付着すると、ウイル
スと抗体が結合して、ウイルスは不活性化されるわけです。
さらに2枚目のフィルターには、メルトブローン不織布というものが使われていま
す。この不織布に若干の静電気をもたせているので、万が一ウイルスがここまで来た
としても静電気がキャッチします。つまり2重の関所があるというわけです。
(引用終わり)
2層目は置いとくとしても外側のフィルムがそういうものだとしたら
ウイルスを完全に防ぐことは無理でも少なくともマスクの付け外しの際に
手指に活性化したウイルスが付いてそれが口や鼻などから体内に侵入してしまうリスクに対しては
かなり軽減できる、つまりマスクの害の部分をかなり無くすことができるでしょうね。
ただ、これが本当に抜群の効果があるのだとしたら
日本政府はもっと大々的にダチョウ抗体マスクの普及に努めるべきですよね。
マスク嫌いのボクが言っても説得力はありませんけど(笑)
それから、アトピーに効くというのは非常に気になりますけど
どうやら医薬品ではなく化粧品しか製品化されてないみたいですね。
それでも少し興味はありますが……
他にも薄毛に効果があるとか(薄毛の原因は様々なのですべてに効くわけではない)
がんや歯周病に効果があるとか、痩せるサプリも商品化されていたり、
ジカウイルス対応のコンドームを開発してリオ五輪選手団に配ったりなど
興味深い内容満載の一冊となっていました。
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