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新書「たぶん一生使わない?異国のことわざ111」を読了

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イースト新書の「たぶん一生使わない?異国のことわざ111」時田昌瑞著、伊藤ハムスター絵を読みました。
この本の概要は「はじめに」で次のように書かれています。
                                 (以下引用)
 さて、本書の概要を紹介したい。膨大な数の世界のことわざをたった1冊の新書にま
とめるわけだから、まずは掲載することわざを厳選しなければならない。
(中略)                       第一に古いこと。第二がレ
アなことだ。これに世界のことわざを対象とする本書の特性を加味し、出来るだけ世界
の広い範囲からピックアップすることを第三の基準とした。(中略)
 以上の基準に加えて、筆者も初めて知ったもの、言い回しにインパクトが感じられる
もの、表現のおもしろいもの、たとえが絶妙なものを重視した。   (引用終わり)

ということで、雑学本のようなものですから面白そうなのを幾つかピックアップして紹介しましょう。
もっとも、面白そうといってもことわざそのものの面白さよりも
その説明などに出てきたところに興味や驚きをもってしまったものが多いですけど……

 

(以下引用)
心臓を奪われたら心臓を奪い返せ      パプアニューギニア・エンガ族(中略)
 日本で同じ意味で知られるのが「目には目、歯には歯」だろう。ただし、これは外国
から入ってきたもので、古代バビロニアの世界最古の法典である「ハンムラビ法典」に
由来するものだ。『旧約聖書』や『新約聖書』にも「目には目」の言い回しは用いられて
いたものの、こちらは復讐ではなく償いのものへと意味が変っていた。(引用終わり)

「目には目を」は聖書のくだりまでも含めてよく知られていることかと思いますが
“心臓”ってのは驚かされますねぇ。
そもそも心臓を奪われちゃったら生きてないのでどうやって奪い返せってもんですし。
まぁことわざは科学的・論理的に成立するかどうかを考えてしまってはいけないんですが。

 

(以下引用)
仏像の背中に金箔を貼る                       タイ
 人が見ていないところでよい行いをすること。日本語では「縁の下の力持ち」に相当す
る。もっとも、日本語のものは明治時代までは無駄なことをするという意だったが……。
                                 (引用終わり)

えぇっ、「縁の下の力持ち」って昔はそんなバカにするような時に使うことわざだったの?
この本ではこれだけのさらっとしたものなのでちょっいと調べてみましたら
大元は大阪の四天王寺で非公開で行われる「椽(えん)の下の舞」から来ているそうで
椽は“たるき”といって屋根板を支えるための棟から軒まで渡した材木の垂木のことだそうです。
縁側を下から支えるから縁の下だと思ってましたけど元は違ってたんですね。

 

(以下引用)
マングース殺して後悔                       ネパール
 日本の「後悔先に立たず」と同義で、後で悔やんでも仕方のないことを意味する。
(中略)        日本では沖縄にハブの駆除のために導入されたことが知られ
る。ところが肝心のハブ退治には役立たず、反対に絶滅危惧種のヤンバルクイナやアマ
ミノクロウサギを食っていたことがのちに判明した。ハブが夜行性であるのに対してマ
ングースは昼行性であったため、いわばすれ違いとなり、出くわす機会自体が少なかっ
たからだという。                        (引用終わり)

ハブVSマングースのショーなど有名でしょうけど自然界ではあまり出くわすことがないとは……
そもそも沖縄にマングースがハブ駆除目的で導入されたということも知りませんでしたよ。

 

(以下引用)
妾の鍋は大きい                         ネパール(中略)
 日本の「隣の花は赤い」に相当するが、現代は外来の「隣の芝生は青い」に凌駕されて
いる。                              (引用終わり)

これまた、「隣の花は赤い」なんて日本のことわざがあるなんて知りませんでしたよ。
確かに、芝生だと欧米の家のイメージとなりますけど。
それに、花が赤くても良いとは限らないし羨ましいとも思いませんけど……

 

(以下引用)
不倫のラマは不倫のホトに与えられる              シュメール語
 不倫関係にある男女を指すことわざ。(中略)
 それにしても驚かされるのは4000年以上も前から不倫が存在し、しかも格言(こ
とわざ)になり、粘土板上にくさび形文字で表されていたことだ。  (引用終わり)

人類はもともとは一夫一妻制ではなかったというので4000年以上前にも不倫はあったでしょうが
それを不倫という概念でとらえてことわざにして記したということが驚きですかね。
もっともシュメール語で“ラマ”とか“ホト”とか書いてあるわけではないので
そのまま日本語に訳したらかなり卑猥な表現になってしまい口走ることもためらうような
そんなことわざになってしまいますな。

というわけで、このくらいにしておきましょうかね。

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