今度こそR1もマガジンXの記事を紹介
このスバルカテゴリーの前回記事ではスバルR2についての当時の雑誌の記事を紹介しましたから
(途中に缶コーヒーの話など脱線しましたけど、それは「雑記」カテゴリーにしました)
今回はその時の予告どおりにR2の亜流というか突然変異種とも言えるスバルR1について
これまたマガジンXの記事を紹介しつつ思ったことを書いていこうと思います。
正直なところ、スバルR1という車についてはどうでもいいっちゃどうでもいいくらいに思ってます。
端から大して売れるような車ではないし端からそのつもりで作った車でしょうから
このカッコウが好きなら好きでそんな物好きな人が買うのであればその人の勝手です。
ただ、個人的にはあまりカッコイイとも思わないけどね。まぁR2よりは厭味がないですが。
軽自動車市場の主力は完全にハイトワゴン系に移行していたこの時期に
スバルはパーソナル指向のカッコウ重視の変わり種としてR2を世に出したのに
そのR2よりさらにパーソナル指向のカッコウ重視・実用性無視の超変わり種としてR1を作ったのです。
小型車で言ったら、レガシィのセダンやワゴンもないのにいきなりアルシオーネSVXを作って
さらにアルシオーネSVXの寸詰まりのアルシオーネSVXショートを作ったようなものです。
スポーツカーメーカーであっても意味不明なラインナップ展開です。
しかも、それはカッコウだけで中身にはお金は掛けずに高品質感もスポーティさのかけらもないものです。
というか、そもそも大して売れないだろうR1にケチりながらもお金を掛けるくらいなら
その分R2に金掛けてまともな車作りをすべきだったと思いました。
もうボクの中では理解不可能なくらいの軽乗用車戦略です。
戦略というより場当たり的対応でしかなかったのでしょうけど……
さて、そんなスバルR1のマガジンXの記事はどうなっているでしょうか。
これもマガジンXの2005年6月号の「ざ・総括。」で取り上げられています。
こちらはいつもの覆面座談会形式を装ってますね。いやホントに座談会してるのかもしれませんが(汗)
これも紹介いたしましょう。
(以下引用、改行位置変更)
エ 「この商品はまったくもって意味不明である」と答える(笑)。R1とR2を別べつに用意す
るという発想自体は悪くない。しかし、R2をベースに、さらに小さな軽を作って、しかもプラッ
トフォームは流用でスポーティに走るクルマにしようなんて考えたら、自動車としての機能が成立
するはずがない。シャシー設計を手がけたことがあるエンジニアなら、このデザインを見せられた
瞬間に「あ、ダメだ、こりゃ成立しない……」と思うはずだよ。
E1 ああ、安心した(笑)。ウチの会社もあなたみたいな人にコンサルティングを依頼すればい
いのに。まったく同感ですよ。(中略)
編 聞くところでは、R1の商品企画自体がマーケティング側から降って湧いたようなんです。R
2ベースで個性的かつオシャレなスポーティカーを作れ、と。それを竹中社長が支持したとか……。
エ (中略)オレだったら、R1を作れと言われた時点で辞表を出して、机をひっくり返して、つ
いでにマーケティング部長かなんかを会議の席でぶん殴って会社をやめてやる(笑)。R1を企画
したヤツは、救いようのないアホだし、自動車メーカーにいてはいけない人間だよ。(中略)これ
を作らせたのは、結局は社長の竹中さんでしょ?
E1 そうでしょうね。いずれにしてもトップ責任ですよ。
T1 なんか、このクルマについて語るのもイヤだよな。 (引用終わり)
いやはや、トヨタ車でもここまでこき下ろされたことはなかった気がしますが。
確かに、R2の開発がスタートした時点ではR1の構想は聞いたことがなかったから
最初から2車種セットで出してきたわけではないでしょう。
というか、2車種セットで出すにしても最初にR1出して「可愛いけど2ドアじゃぁ……」
と思わせつつデザインに目を慣らしてからR2を出して購入ハードルを下げる戦略なら
まぁ分からないでもないですけどね。でも、スバルがやることではないが……
まぁ、ボクも「このクルマについて語るのもイヤだよな。」の心境なんですよね。
記事ではどちらかと言えば物理的・技術的な意味合いで成立しないと断罪しててその通りなんですが
ボクがこのR1でヘドが出るほどの嫌悪感を覚えたのはCMでスバル360を当てつけにしたことですね。
「あぁ可愛い」ということなのかも知れないけれどクルマ造りの思想からして雲泥の差があるというか
スバル最良の良心のあるスバル360と最低のR1を同一舞台に上げるな!という怒りの感情ですね。
なんて言いながら某外車ディーラー勤務の若い女性にR1を紹介販売しちゃいましたけどね(笑)
まっ本人がぞっこんでこれしかないと思い込んでいるなら他人がとやかく言うものではないですから。
では、走りの資質はどう評価されたんでしょうかねぇ。
(以下引用、改行位置変更)
E1 語るものはないね。
編 それだけ……ですか?
エ うん。(中略)足のレイアウトと仕上がりは許せないレベルで最悪。
チ 走らせると腹が立つ。これが街のチューニング屋の仕事ならいざ知らず、自動車メーカー様の
やることかね。(中略)
編 あの……R1の走りの話しもお願いしたいのですが……。
エ いいよ、やらなくても。ダメなものはダメ。話しをし始めたら「最悪」の連発になっちゃうよ
(笑)。 (引用終わり)
この後はいちおう走りの話しにはなるんですけど、まぁダメ出しの嵐ですので省略しておきます。
まぁ走りが良くてもこの車の存在意義はないと思うしね。
それに、ボクは開発中はもちろんのこと市販車となってスバルR1にも一度も乗ったことないんです。
なのでマガジンXの記事が本当かどうか分かりませんしそれについて解説もできませんからね。
ただ、ホイールベースを短くすれば安定性だけでなく操縦性(ここでは旋回性能の意)も乗り心地も
悪化するというのは物理法則というか自動車工学では自明のことなので
それに対して無策であればマトモに走る車にはならないことは確かでしょうね。
よく、ホイールベースが短い方が旋回性能が良くなるなんて勘違いしている
それこそ街のチューニング屋レベルの頭しかない人がいますが、
最小回転半径は小さくなって小回りは効くようになっても
車両を旋回させる力(ヨーモーメント)もそれを止めて安定させる力(ヨーモーメント)も
タイヤでしか発生しないのでその前後の長さ(=腕の長さ)が長い方が良いに決まってますからね。
では、最後のまとめ部分を紹介してR1は終わりにしましょう。
(以下引用、改行位置変更)
エ 新宿組は都会気取りで、三鷹組は頭でっかちで、太田組はひきこもりだ……なんて言うと、オ
レがスバルの人間だったみたいに思われるけれど、自動車業界でもスバルは陰でエンジニアの関心
を集めていたんだよね。
T1 スバルはスッピンだけど可愛いお姉ちゃんなんだよ(笑)。流行の服なんか着なくても、化
粧が垢抜けなくても、礼儀正しくて思いやりがあって……。
E1 そういう部分がスバルに対するユーザーのロイヤリティだし、べつに日産やホンダになって
くれなんて思ってないでしょ。
チ なんで、自分の会社の良さを理解できないんだろうね。(中略)
E1 スバルやダイハツがいるから日本には12社ものメーカーがあってもいいんだよ。他社の存在
意義を担保している会社だ。(中略)スバルとダイハツが消えたら日本は3社くらいでいい。集約
されてもおかしくないし、反動分子は消えるから集約しやすい。そこがスバルの価値なんだよ。
(引用終わり)
お姉ちゃんのくだりは今ならセクハラ発言にもなりかねませんけどね(笑)
まぁ言いたいことはよーく分かりますし、その通りですね。
で、スバルは日産やホンダになりたかったんではなくBMWやアウディになりたがってたんですけど……
まぁでももうこの頃はプレミアムじゃダメだなと薄々感じ始めていたところになるでしょうかね。
それにしても、スバルは反動分子であり他社の存在を担保する会社だとは……そうだったのか。
我が身も反動分子であり他人の存在を担保する役割だったわけですか。。。そうなのかぁ(爆)
| 固定リンク
コメント