« ジョイフル・ウルトラ大作戦とサッポロ一番ウルトラ海老塩らーめん | トップページ | 2代目フォレスター年改車のマガジンX記事も »

新書「宇宙人と出会う前に読む本」を読了

B210819_12 
講談社ブルーバックス新書の「宇宙人と出会う前に読む本 全宇宙で共通の教養を身につけよう
高水裕一著を読みました。

宇宙人に出遭うではないので突然宇宙人に遭遇したりU.F.O.に拉致られる前に
どう対処するかなんていう内容ではないんですが
国際宇宙ステーションならぬ宇宙の惑星から集まった「惑星際宇宙ステーション」に
地球人メンバーの一人として行くことになってそこで宇宙人と会うという想定で
その前に身につけておくべき教養という切り口でこの本は書かれています。

教養といっても上流社会で必要とさせるような芸術やユーモアなどのことを指しているのではなく
宇宙での常識というか要はこの本はそういう設定で宇宙の雑学的なものの話という内容になってます。

例えば、宇宙では地球のように太陽(恒星)がひとつで月(衛星)もひとつという惑星は珍しく
太陽が2連星、3連星なんて当たり前で月も幾つもあるのが普通なのだそうで
そういう惑星におけるカレンダーとか朝日・夕日とかはどうなっているかとかとか。
そのような我々の地球や太陽系だけの常識にとらわれない視点が必要という話です。

それと同時に宇宙における普遍の話=宇宙の常識の話というのも出てきます。
例えば面白いものではこんな記述です。
                                     (以下引用)
 SF映画では、「ある惑星で発見された未知の金属」という表現が出てくることがあります。
こんな金属は地球上で見たことがない、いったい何でできているのか? と科学者たちが頭を悩
ませる、といった設定です。たしかに宇宙は未知なるものであふれていますが、しかし、どんな
金属も元素レベルに分解すれば、必ず周期表に載っている元素の組み合わせに帰着します。
                                    (引用終わり)

つまり元素の周期表は宇宙の常識で共通の教養というわけですが
それと同時に未知の金属なんかねぇよとSF作家を暗に揶揄してるわけです。
まぁそんな話だけでなく、「ビッグバン元素合成」「恒星内元素合成」「超新星元素合成」
などがあるなどにも触れられていてなかなか興味深いところでもあります。

このような流れから話は宇宙から素粒子理論にもおよんで
そこからまた宇宙創成、ダークマター、ダークエネルギーにも帰ってくるようになりますが
話は物理学(量子力学、天文学)だけでなく生物学にもおよんでいきます。

地球の生物はなぜ左右対称なのかという項目では面白い考察がされています。
なお、地球でも左右対称でない生物もいますけど、今の地球生物のほとんどは
「カンブリア紀の大爆発」で出現したものでそれらの多くは左右対称なのだそうです。
                              (以下引用、改行位置変更)
 じつは地球のすべての脊椎動物は、感覚情報の入力の左右と、出力の左右とが交差するように
配線されています。たとえば、魚が敵の存在を両眼のうち左側の視野で見つけたとします。する
とその情報は、脳の右側の視覚神経に入力されます。そして脳からは「逃げろ」という指示が、
筋肉の左側に出力されるのです。一見、配線ミスのようですがこれは合理的なシステムで、状況
判断は危険から遠いほうの脳が安全に行い、実際の逃避行動は危険に近い側の筋肉が迅速・正確
に行えるようになっているのです。
 そして、この逃避の原理にしたがうなら、身体の構造は左右対称でなければ、左右どちらかに
弱点ができてしまい、生き残るうえで不利になります。           (引用終わり)

脳に神経が入るところで左右入れ替わっているというのは良く知っていましたけど
なるほどこうような理由というか進化の過程でこのようなことになっているわけですね。
なので、左右対称は合理的であり進化の必然であるとも言えるわけですが、
なのに一方でこの本での設定では右手の指が6本で左手の指が3本の宇宙人が登場してきます。

我々地球人は左右5本指、つまり10本指なので数学は一般的に10進法を使うようになったけど
そうではない知的生物では当然ながら10進法以外のものになるはずだと話を進めるためでしょう。
そこからは数学の話となっていきます。
自然数→整数→有理数→実数→複素数→四元数→八元数などと続いていき、面白いです。

 

ところで、著者が本気で将来このような宇宙人との出会いがあるのを想定して書いているのかというと
最後の方では次のように書かれています。
                                     (以下引用)
 このように、宇宙における星という「国」どうしは、お互いに異常なほど距離をとっていま
す。私たちがどこかの「国」へ移動することは、絶望的と言えます。
 では、通信することで、交流を図れる可能性はどうでしょうか。(中略)ルールとして、地球
人の寿命を考えて、メッセージの往復にかけられる時間は最大70年ほどとします。(中略)
 すると、この範囲にはなんと9個しか1等星は存在しません。(長い中略)
 おそらく、銀河系内の文明の数をいくら方程式から算出しても意味はないのです。「星どうし
があまりにも離れている」という現実を「文明の寿命」を延ばすことでよほど補えないかぎり、
宇宙人はお互いに、あまりにも孤独なのです。               (引用終わり)

まぁそういうことなのでしょう。
この宇宙のどこかには我々地球人と同等以上の知的生命がいるかもしれないし
それを科学的に否定できるものでもないし確率的にはいると考える方が妥当とも言えるけど
だからといって宇宙人が地球に来ることも地球人が宇宙人と出会うことも
それは絶望的にゼロに近い、極限値 limit=0 のことであり、
それはSFの空想の世界、あるいは超ムーの世界のことでしかないのでしょう。

まっそれはそれでエンタメとしては面白いですけどね。

|

« ジョイフル・ウルトラ大作戦とサッポロ一番ウルトラ海老塩らーめん | トップページ | 2代目フォレスター年改車のマガジンX記事も »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ジョイフル・ウルトラ大作戦とサッポロ一番ウルトラ海老塩らーめん | トップページ | 2代目フォレスター年改車のマガジンX記事も »