エッセイ「『中退女子』の生き方」紺野ぶるま著を読んだ
ひとつが腐ると同じ箱の他のものも腐っていくから排除しないと、という意味の喩えとしては
腐った林檎というものだと、少なくともボクは覚えてきたのですが……
調べてみると、このような喩えは14世紀のラテン語のことわざにありそれが日本にも伝わったとのことで
それによれば「腐った林檎」が正解なのだそうです。ホッ
ただ、日本では1980年のテレビドラマ金八先生で「腐った蜜柑」という言葉が使われて
ダンボール箱買いされることが多いミカンの方が日本人の生活に馴染みが深いこともあり
「腐った蜜柑」という人が増えてしまったということなのだそうです。
金八先生はだいたいリアルタイムで観ていた気もしますが
ボクの場合はその前に「腐った林檎」という言葉を覚えていたのでそのままだったのでしょう。
もっとも、ボク自身に向けて「腐った林檎」と言われたのかどうか記憶はありませんけどね(汗)
まっ喩え話ですから林檎でも蜜柑でもどっちでもいいんじゃないのとも言えますし
紺野ぶるま本人が「腐った蜜柑」と言うのならそれも構わないと思いますが、
17年ほど前の当時のそれなりに年配であろう高校校長たる人間が
正しく「腐った林檎」と言えないというのは情けない気がしますねぇ。
というか、林檎だろうが蜜柑だろうがそもそも退学させる高校生とその親にかける言葉じゃないけどね。
内容的には、正直なところ説教したくなるほどクソな部分が多くて、例えば
学校行かなくなったらノールールになって17時起床5時就寝の完全昼夜逆転生活になったとか
芸能界目指して悪徳事務所で授業料100万円とられたとか
いまだに占いに何万円とか使っているとか……
まぁそれでも結婚もされて今は幸せそうなので他人がとやかく言うことでないですし
それはそれで他人から芸人として見るには面白くもありますけどね。
その、結婚相手との馴れ初めについても書かれていて
歯科医院でバイトしている当時に居酒屋でナンパされて鬱陶しかったので
「保険証見せてください」と言ってやったらホントに保険証を出してきたのがきっかけだそうです。
まぁ少し盛ってる感のあるエピソードですけどちょっと不思議に思ったのは
普通の人って健康保険証って普段持ち歩いているものなんですかねぇ。
少なくともボクは病院に行く時以外は持ち歩くことはないですけど、皆さんどうしてます?
それから、紺野ぶるまのエッセイということで下ネタも期待したのですがそれほどでもなかったです。
まぁネタを書いているわけではなく真面目にエッセイ書いているので当然ですけどね。
それでも、幾つかは下ネタ的なところもありました。
例えば、賞レースへの挑戦についての次のような記述です。
(以下引用) 人は立ち直るか
ら前に進めるのではなく、折れたままでもいいから前に進むことで立ち直るのだと知
った。“最中”に中折れしてもとりあえず、続行していたらまたギンギンになるみたいに。
(引用終わり)
なかなか面白いし、それなりに名言かもしれないですね(笑)
あるいは、次のような記述。
(以下引用)
「見てくれてる人は見てくれてる、そしてその人は少しあとから現れる」(中略)
ピンとこない方のためにもっと身近なものでたとえるなら、マジックミラー号だ。
自分からはその人が見えていないけど、向こうからは丸見え! (引用終わり)
別にマジックミラーと言えばいいのに“号”をつけてしまうところが
そしてそれを身近なものと言ってしまうところがさすが紺野ぶるまですね(笑)
極めつけの下ネタは、次のような女性に対しての自虐会話だそうです。
(以下引用)
たとえば気の利いた自虐はかなり有効打。(中略)
私のオススメ第1位は、
「私さ、乳輪が甘食くらいあるんだけど、みんなはどう?」どゑす!!!!!!(中略)
これが本当のともだちんこである。 (引用終わり)
いやはや、“甘食”って何?調べちゃいました(恥)
それにしても“!!!!!!”という一文字の印刷用フォントがあるというのにもビックリ。
そんな下ネタ大好きの紺野ぶるまはてっきりブルマにエロさを加えての芸名の命名かと思いきや
ブルマを履いてネタをする くまだまさしと鈴木Q太郎に衝撃を受けて、
そこから松竹芸能の養成所に入って本人もブルマを履いてネタをやりはじめたことから名付けたそうです。
そんなこんなの意外な彼女の側面が垣間見られてなかなか楽しく笑えた一冊になってました。
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