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新書「植物のいのち」を読了

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中公新書の「植物のいのち からだを守り、子孫につなぐ驚きのしくみ」田中修著を読みました。
前回紹介の「生物はなぜ死ぬのか」では“生物”といいながらもほとんど動物に関してで
植物には触れられてなかったけど、“死”についても“いのち”についても似たようなものだから
植物の生死に関する内容というのならつながりがあるだろうと続けて読んでみたわけです。
ただ、この本では“死”というよりも植物の“生”の方に重きが置かれている感じでしたけど。

おもしろいのは、「はじめに」の中でこの新型コロナ禍における我々人間の行動を
以下のように植物になぞられているところです。

                                   (以下引用)
 私たちが自分たちのいのちを守るために行っている、これら三つの方策は、簡単にいえば、
「動きまわらない」、「話をしない」、「密を避ける」ということです。よく考えてみると、こ
れらは、植物たちがもともと身につけている、自分のいのちの守り方なのです。
                                  (引用終わり)

まぁ、その通りなのでしょうが著者のように植物に入れ込んでいる(?)研究者だと
植物に倣って自身の命を守りましょうという意見にもなるでしょうしボクもそこは賛成ですが、
世の中には人間は特別で他の生物は格下で特に植物なんて下等生物の真似なんかしていられるか!
と考える人も多いでしょうねぇ。
菜食主義者だって動物は可哀そうだけど植物の命なんて……という考えの人が多いでしょうしね。
まぁ似非環境運動家もいるかもしれませんが。。。

 

閑話休題。
植物のことは知っているようで実は知らないことが多くて、というか知らないことだらけで
面白いことが幾つも書かれていますけど、幾つかピックアップして紹介しておきましょう。

まずは植物の根がどうやって水分を吸収できるのかというと、浸透圧の原理なのは知ってましたので
甘いトマトを作ろうと濃い砂糖水を与えると枯れてしまったという
とある小学生の自由研究にはその答えを説明できるのですが、
薄い砂糖水であると水分吸収が適度に少なくなるので逆に甘くなるのだそうです。
                                    (以下引用)
    砂糖水でなくて、塩を含んだ塩水でも、甘くなるのです。
 実際に、近年ではそうした性質を利用して栽培された、糖度の高い「フルーツトマト」が
出回っています。       (中略)           一九七〇年の台風で、堤
防が決壊し、海水が畑に流れ込みました。そのあと、塩分が残った畑で、小粒ながら甘いト
マトが実ったのが、フルーツトマト栽培のきっかけになったのです。
(中略)  その後、この栽培方法は、「節水栽培」とよばれることもあります。
                                   (引用終わり)

フルーツトマトには興味ないのですけど、てっきり品種改良だと思ってましたよ。
台風被害がフルーツトマトのきっかけというのは意外ですね。

 

次は植物の持っている毒についての話です。
                                    (以下引用)
 たとえば、同じウリ科のヒョウタンには、この物質が多く含まれています。そのため、ヒ
ョウタンは食用の野菜とはされません。ヒョウタンから苦みの少ないものとして、ユウガオ
が生まれ、これは食べられる植物として、巻き寿司などに入れるカンピョウの原料となって
います。
 ところが、このユウガオが思い出したように本性を発揮するのか、あるいは、虫にかじら
れることが刺激となっているのかは定かではないのですが、多量のククルビタシンを含むこ
とがあるのです。
 このため、ほぼ毎年、この植物を食べて、食中毒の騒ぎがおこります。  (引用終わり)

ありゃ、夕顔=ひょうたんだと思ってました(恥)
それに夕顔、かんぴょうで食中毒が起きてるなんてのも知りませんでした(恥)
さほど心配する必要もないでしょうけど、かんぴょうの爆食いは避けた方がいいのかもね。

それにしても、著者はこのように植物を擬人化するような表現をちょくちょくしてます。
もうすこし進化の過程でそのような特質が選択されたという表現をしてほしいなと思いますが。

 

次は植物が密にならないようななわばり争いについての話です。
                                    (以下引用)
 植物たちが、自分たちのなわばりを守るために、自分の仲間でない種類の植物の発芽や成
長を阻害するためにまき散らす物質もあります。この現象は「アレロパシー」といわれ、日
本語では「他感作用」と訳されています。この原因となる物質が、アレロパシー物質です。
 この物質を有名にしたのは、帰化植物のセイタカアワダチソウです。五〇~六〇年前、こ
の植物は、猛威をふるって、空き地や野原に繁茂しました。        (引用終わり)

幼少の頃周りにいっぱい生えてましたねぇ、セイタカアワダチソウ。
こんな手で猛威を振るっていたんですね。
小児喘息の原因になってるなんて言われてて、喘息もちのボクは忌み嫌いながら近寄りませんでした。
けど、セイタカアワダチソウは虫媒花であって風媒花ではないので花粉は少なく重いのだそうで
喘息や花粉症の原因になることはなく、おそらくブタクサの濡れ衣を着せられたらしいのだとか。
まぁなんにしても最近はそれほどセイタカアワダチソウが群生してる感じもないですけどね。

 

これはウンチク知識というものではないのですが面白い考え方です。

(以下引用)ハチやチョウに任せて、“他力本願”で子孫を残せるほど、自然の中の生き物の
世界は、気楽なものではありません。(中略)
 ハチやチョウを、自分の力で呼び寄せ、次の世代へいのちをつなぎ、新しい生育地盤にい
のちを広げていくのは、植物自身の力なのです。他力本願でなく、“自力本願”なのです。
                                   (引用終わり)

まぁ仏教用語の“他力本願”とかはさておき、他人任せで怠惰を貪る意の他力本願ではないとのこと。
じゃぁ“自力本願”ってのが全て自分自身で達成するという意味で使っているわけでもなさそうで
自分自身でやれることはやって後は天命を待つ的な意味合いなのでしょうかね。
であれば、なかなか好きなスタンスですかねぇ。

とは言え、これまた植物がそのような思考を巡らせているわけではないので
あくまでも進化の過程でそのような個体が生き延びたというだけのことなわけで
ここでもちょっと植物を擬人化し過ぎて書いてあるのが気になりますけどね。
まぁ著者の植物愛がそのような表現をさせてしまうのかもしれませんけど……(笑)

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