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一部でFIREが注目されているらしいですが……

FIREといってももちろん“火”のことでもキリンの缶コーヒーでもありませんし
英語の動詞で「発砲する、首にする・解雇する」という意味でもありません。
(もしかしたら、この解雇するのfireと語呂合わせして名付けられたのかもですが)
なんてことはいわゆるセミリタイア系・早期リタイア系ブログではボケる必要もなく
FIRE=Financial Independence, Retire Early のことです。
日本語訳すれば、「経済的自立して早期リタイア」って意味ですかね。

言葉自体は何十年も前からあったようですがアメリカでブームになったのは
リーマンショック以降ぐらいからなので10数年前ということになるでしょうか。
まぁブームといっても主流ではなくてあくまでも少し目立つようになったくらいでしょうが。
それでも、なにかこう今までの価値観が覆されるような社会の大きな節目になると
それまでとは異なる生き方が注目を浴びるようになるということなのでしょう。

それで新型コロナ騒動を受けてまたそのFIREが注目されるようになったのでしょうし
日本でも極一部のところではそのような動きが出てきているらしいというのです。
というのをボクは実感としてはまったく持てていませんが
関連書籍の販売が増えてたりネット検索が増えていたりするらしいのです。
あくまでも“らしい”というだけで実際は不明ですが……

というわけで、いちおうこのFIREにも触れておきましょう。個人的見解の範疇ですけどね。

 

この記事で、早期リタイア、早期退職、アーリーリタイア、セミリタイアなどの言葉について触れていて
その中でボクは自身の状態を早期リタイアと呼ぶことにしているわけですが
ではFIREではないのかという疑問が出てくるわけです。

FIREについての明確な定義などがあればすぐに分かるのですが
FIRE協会とかがあって決めているわけでもないので定義はありません。
ボクも経済的に誰かに雇われていたり扶養されてるわけでもなくその意味では自立してますし
それで早期リタイアしているのでFIREしたと言ってもけっして嘘つきにはならないでしょう。

ただ、アメリカでのFIREの解説本などによるとFIREの定義ではないですが
FIREするには次の2項目の要件を満たすというか目安にするべきなのだそうです。
 1)25年分の生活費を資産形成する。
 2)4%ルール=インフレ調整後で年4%で資産運用する。

先ずは年齢に関係なく25年分の生活費を貯めろということです。
年400万円使うなら1億円貯めろということですね。年200万円なら5000万円になります。
これを4%ルールで運用していけば運用益で暮らしていけるという話になるわけです。
なお今の日本ではインフレ率が非常に低いので無視してもいいのかもしれませんが
あくまでもインフレ調整後で4%ですから注意が必要ですかね。

これは、あくまでも目安として提示されているだけですし人生の終盤はそこからずれても構わないけど
やはり考え方の根っこにあるのは20代・30代の頃にがむしゃらに働いてかつ節約して
さらに資産運用して大きな資産を形成して若くしてFIREを実現しようというのがあるのでしょう。
もともとFIREはウォール街など金融業界が発祥という話もあるくらいなので
どうしてもそのような発想になるのかもしれませんし
だからこそリーマンショックを機に脚光をあびるようになったのかもしれないですしね。

 

このような考え方をボクは否定もしないしかといって推奨もしないですが
少なくともボクの場合とはちょっと違っているなと考えています。

ボクは20代・30代の時に早期リタイアしようと考えたこともなかったですし
(けれど、会社に依存する気もなかったのでいつでも辞めてやるとも考えてましたが)
だからその目標のために節約とか貯金とか考えなかったしましてや資産運用なんかしませんでした。
早期リタイアを考えるようになったのは40代半ばくらいからで
貯金+退職金+年金見込みでなんとなく逃げ切りできるところなどを考えてのことでしたからね。

そして、今も資産運用益で生活費を得ているわけでもないどころか小遣い稼ぎもしてませんし
そもそも投機・投資というものは好きではないですから4%ルールとは無縁の生活をしています。

なお、年金をあてにしてるんじゃ経済的自立でなくて国に依存してんじゃんという指摘もあるでしょうが
そんなこと言い出したら4%ルールだって世界経済等に依存しているということになりますから
何をもって“経済的自立”と定義するのかというとややこしい話になってきてしまいます。

それと上記のFIREの目安ということによると、死ぬまで年金をあてにしてないのに加えて
死ぬまで資産運用益で生活するという考えなので元本は死んでも残ります。
遺族に遺産として遺したいのであればそれも喜ばれるかもしれませんが
少なくともボクには妻子はいませんので25年分もの生活費を抱えたまま死んでいきたくはありません。

死んでいく時には身軽で綺麗さっぱり資産を無くして成仏するのがボクの理想です。
ボク自身は仏教徒というわけでもないので“成仏”という言葉は不適切かもしれませんが……
ただ、自分がいつ死ぬのか、いつ死ねるのかは分からないので長生きリスクはありますから
その長生きリスクに備えるのが年金(公的年金・終身年金)という考え方になるわけです。

つまり、FIREという概念の中には若年・投資という考えが含まれている一方で
年金・遺産などその辺りのことが含蓄されていないので
ボク自身の在り方をFIREと称するのには抵抗があるということになります。
まぁ、20代から将来の年金や遺産を考えるのも無理があるのも確かですけど。
でもそれを言ったら社会人になってすぐに40歳でFIREするとか目標にして
サラリーマン生活をするのも無理がある考え方だとも思えますけどね。

 

なので、FIREという生き方、あるいはFIREを目指すという生き方は全否定はしませんが
もしおこがましくも若い人にアドバイスするとしたらいきなりFIREを目指すのではなく
それよりまず働くことの楽しさ、自分なりのやりがいを作って育てることをトライして欲しいですね。

とはいえ、FIREのFI=経済的自立という部分に関しては若いうちから意識するのは良いでしょう。
別に25年分の生活費を貯めろというわけではないですが
給料でもらったお金はすぐに使い切ってしまうとか安易に借金してしまう生活はせずに
徐々にでもいいけど会社を辞めても数年間は生活に困らないだけの貯金を作ることは大事でしょう。
もっともボクは20代は借金しまくってたので大きな声でいう資格はないですけど……

ある程度の貯金が出来て完全に経済的自立とまでいかなくとも会社への依存度が低くなれば
「いざとなれば辞めてやるさ」と思えるようになるし
そうなると不思議と仕事でやりがいを育てやすくなるんじゃないかと思えますし、
もし本当にブラック企業に勤めていたのならスパッと転職すればよいわけですし。

そうして、ある程度貯金体質となって40歳代にもなればそれなりの資産形成となる可能性もあります。
まぁ結婚・育児などですっからかんになる可能性もありますが共働きなら逆に有利ですし
それらも含めて未来はどうなるか分からないわけですが。

もし40歳前後とかである程度の経済的自立の目途が出来ていれば
その頃からER=早期リタイアを検討していけば良いのかなと思います。
別に早期リタイアだけを検討するという意味ではなくこれからの時代は
定年という概念もあいまいになっていくでしょうから自分のリタイア時期は自分で決めるということです。

働くのが好きならば生涯現役を目指すのも良いでしょうし
体力・時間・自由など様々な理由で早期リタイアやセミリタイアを目指すのも良いでしょう。
でも労働が苦痛でしかないのに経済的自立の目途がなく仕方なく働き続けるのは不幸な状態でしょう。

 

というわけで、RE=早期退職をゴールにしてFI=経済的自立を目指すのはピンときませんが
FI=経済的自立(年金・遺産も考慮)をしてRE=早期退職を検討するのはアリですかね。
もちろん、FIしても生涯現役であり続けるのもアリでしょうけど
FIREに対して巧い表現が思いつかず、この記事のオチがつけられのが悔しいですな(笑)

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