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単行本「サピエンス全史」上・下を読了

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河出書房新社の「サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福」上・下
 ユヴァル・ノア・ハラリ著・柴田裕之訳の2冊の単行本を続けて読みました。
この本は2016年9月に初版発行されたものですが
ボクが買ったのは2018年11月の第60刷発行とずいぶん後になってからのものです。
それでも買ってから2年ほどもただ積読状態にしてしまっていたわけです。

2019年正月に某国営BS放送で「“衝撃の書”が語る人類の未来〜サピエンス全史〜」
という番組が放送されていたので内容をあらかた知っていて読む意欲が薄かったのもあります。
というより、その前から興味があったのですがその番組を観てから本を買ったのですが(汗)

また、この本の帯の背表紙側には「全ビジネス・マン必読の新しい教養書」と書いてありますが
もうすでに“ビジネス・マン”から引退したボクにとっては
必読でもないし急いで読まなくてもいいかななんて思っちゃったりしてね(笑)

 

まぁこの本に関してはかなり有名なのであらためて内容を紹介する必要はないかもしれませんね。
とりあえず、上巻の表紙カバーの袖(折り返した部分)には次のように紹介されてます。
                           (以下引用)
アフリカでほそぼそと暮らしていたホモ・サピエンスが、
食物連鎖の頂点に立ち、文明を築いたのはなぜか。
その答えを解く鍵は「虚構」にある。
我々が当たり前のように信じている国家や国民、企業や法律、
さらには人権や平等といった考えまでも虚構であり、
虚構こそが見知らぬ人同士が協力することを可能にしたのだ。
やがて人類は農耕を始めたが、農業革命は狩猟採集社会よりも
苛酷な生活を人類に強いた、史上最大の詐欺だった。
そして歴史は統一へと向かう。その原動力の一つが、究極の虚構であり、
最も効率的な相互信頼の制度である貨幣だった。
なぜ我々はこのような世界に生きているかを読み解く、
記念碑的名著!                   (引用終わり)

下巻ではそこからさらに発展して、今後人類はどのような歩みを進めていくのかにも触れてますが
それについてはこの「サピエンス全史」の続編となる「ホモ・デウス」に詳しく引き継がれてます。
実はその「ホモ・デウス」上・下も同時に買ってきていたのでこの後に読んでいきます。

 

本題とはちょっと違った部分での面白いと感じた些細なことを三つ挙げてみましょう。

(以下引用、一部改行位置変更) その格好の例がプジョーの伝説だろう。
 シュターデルのライオン人間にどことなく似たマークが、パリからシドニーまで、至る所の乗用車やト
ラック・オートバイについている。それは、ヨーロッパでも老舗の大手自動車メーカー、プジョーの製造
した乗り物を飾るボンネットマークだ。(長い中略)
 プジョーは私たちの集合的想像の生み出した虚構だ。                (引用終わり)

「プジョー伝説」なんて書かれているからなんだなんだと思ったけど
別にプジョーでなくてもBMWでもさらにはソニーでもアップルでも当てはまる喩えでしたね。
まぁ世界初の(量産)自動車メーカーとしてプジョーを持ち出したのかもしれませんが……
いや、単にプジョーのエンブレムが、ドイツのシュタデール洞窟遺跡で発見された
ライオンの頭+人間の胴体のライオンマンという象牙彫刻と似ているというだけからの話ですかね。
それでも、プジョー乗りの端くれとしては強く反応してしまいましたよ(笑)

 

また、人類は進化の過程で脳の容量を肥大化してきたのですが以下の記述には驚きました。
                                          (以下引用)
 平均的なサピエンスの脳の大きさは、狩猟採集時代以降、じつは縮小したという証拠がある。狩猟採集
時代に生き延びるためには、誰もが素晴らしい能力を持っている必要があった。農業や工業が始まると、
人々は生き延びるためにしだいに他者の技能に頼れるようになり、「愚か者のニッチ」が新たに明けた。
凡庸な人も、水の運搬人や製造ラインの労働者として働いて生き延び、凡庸な遺伝子を次の世代に伝える
ことができたのだ。(中略)
 今日、豊かな社会の人は、毎週平均して四〇~四五時間働き、発展途上国の人々は毎週六〇時間、ある
いは八〇時間も働くのに対して、今日、カラハリ砂漠のような最も苛酷な生息地域で暮らす狩猟採集民で
も、平均すると週に三五~四五時間しか働かない。                  (引用終わり)

皮肉な感じがしますねぇ。
でも今の世の中見ていると先天的知力に優れる人ほどたくさんの子孫を残すということもなさそうなので
脳の容積と知力に相関関係があるとするならば将来的にも人類の脳は縮小していくかも知れないですね。
脳の容積だけに関わらず人類の進化はいわゆるダーウィンの自然淘汰に左右されなくなってますし。

それとともに、人類はどんどんと労働時間が増え、引用部分には書かれてませんが
どんどんと幸福度が下がってきているという指摘も皮肉に聞こえるし考えさせられるものですね。

 

人為的地球温暖化に関して著者はあからさまな否定論はしてませんが次のように書かれています。
                                          (以下引用)
  今日、何もかも気候変動のせいにする風潮があるが、実際には、地球の気候が現状にとどまり続ける
ことはけっしてない。気候はたえず変動している。歴史上のどの出来事も、何らかの気候変動を背景に起
こったのだ。(長い中略)
   私たちの祖先は自然と調和して暮らしていたと主張する環境保護運動家を信じてはならない。産業
革命のはるか以前に、ホモ・サピエンスはあらゆる生物のうちで、最も多くの動植物種を絶滅に追い込ん
だ記録を保持していた。私たちは、生物史上最も危険な種であるという、芳しからぬ評判を持っているの
だ。                                       (引用終わり)

結局、環境保護だといっていてもこの宇宙から地球がなくなるわけでも生物がなくなるわけでもなく
ただ人類が生存しにくくなるかもしれないという人類のエゴを
見方を変えて言っているだけのことにしか過ぎないというわけですかね。

 

それにしても、この本を読むと、なんと人類は愚かで進化というより社会構造の変革と通して
間違いに間違いを重ねで現代社会に至ってしまっているのかと改めて考えさせられます。
かといって、著者は決して今の人類社会を否定しているのではなく
むしろ現代は人類史上(一部に紛争などあるものの)最も平和な時代であると認識し
将来的にも人類は進化・発展(?)していくものと見ているようなのが面白いところです。

それにもまして、この著者が云わんとするようなところ=結論的なことが正しいかどうかより
とにかく目の付け所が非常に斬新でどこを読んでいてもハッとさせられることばかりです。

よく、日本人は無宗教だとか、無宗教(神の存在なし)でどうして生きられるのか、など言われますが、
著者によれば宗教(神)も国家も経済も倫理もどれもこれも虚構でしかないというわけですから
神がなくとも他の虚構を信じることができれば生きていられるということですし
唯一神も八百万の神も仏もなんでもその場に合わせて虚構を信じられればそれもいいわけですね。
まぁ本当にいいかどうかは個人でよく考える必要がありますし
その考えるために必要な視点がこの本には詰まっているという感じでしょう。

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