« 吊り下げ室内灯の高さ調整が簡単にできることを今さら知った | トップページ | リンガーハット・スマーク伊勢崎店の「ほたてとあさりちゃんぽん」 »

新書「でたらめの科学」を読了

B210220_7 
朝日新書「でたらめの科学 サイコロから量子コンピューターまで」勝田敏彦著を読みました。
科学とあるのでボクみたいなでらためな性格とかの意味ではないことは分かりますが
エントロピーとか量子力学の話かなとも思いましたがそれらとまったく無関係でもないですが
帯にも大きく書いてあるように“乱数”についての話となっています。

ただ、著者は数学者とかではなく朝日新聞社の記者(科学医療部次長)だそうです。
途中で世論調査に乱数を使うことなどが出てくるのでそれつながりで取材して書いたのかと思いきや
きっかけはグーグルが2019年に発表した量子コンピューターによる「量子超越」だったそうです。

驚いたのは、乱数とは直接関係ないけどビットコインの下落の話がでてきたことです。
                                   (以下引用)
 グーグルの成果が報じられると、暗号資産ビットコインの価格が下落した。ビットコイ
ンのお金としての価値は、公開鍵暗号と呼ばれる技術で裏打ちされているが、量子コンピ
ューターが実現すると、この暗号は破られて価値がなくなるといわれる。その思惑からビ
ットコインが売られたようだ。                    (引用終わり)

ビットコインの暴落は何度も起きているのでこれだけが下落の原因でもないでしょうが
こういうことも起こり得るということですね。
ちなみに、このグーグルの実験はまだ基礎的レベルの話で公開鍵暗号はまだ大丈夫なのですが
いずれ量子コンピューターが実用化されるとこれが大問題となると言われています。
この辺の話は、こちらの素数に関する本である程度は理解していたのですけど
公開鍵暗号には素数だけでなく乱数も大きくかかわっているわけですね。

では、量子コンピューターが実用化されるとどうなるかというと
量子暗号通信というので対応することになり、現在開発中なのだそうです。
                                   (以下引用)
 量子暗号通信は、盗聴が原理的に不可能な「究極の暗号」とも言われ、非常に注目され
ている。将来、超高速の量子コンピューターが実現すると、現在、インターネットで一般
的に使われている公開鍵暗号も解読できてしまう可能性があり、その代替として期待され
るからだ。    (中略)
 暗号化したデータを送るインターネットなどの経路と、光ファイバーの経路を別に用意
する。光ファイバーは、以下の説明するように、暗号鍵を「光子」と呼ばれる光の粒で送
信者と受信者が安全に共有するために使う。              (引用終わり)

これだけだときちんと理解できないでしょうし、ボク自身全文読んでも完全に理解できてませんが、
まぁこのくだりは直接乱数そのものには関係してないのでこの程度でスルーさせてください。

 

それにしても乱数というとコインの表裏、サイコロ、ルーレット盤や宝くじルーレットなど想像しますが
ボクはプログラミングでBASICのRND関数やExcelのRAND()などで乱数作ってたのを思い出します。
ただ、前者は物理乱数と呼ばれ、後者は疑似乱数と呼ばれて別物なんですね。
物理乱数でもモノ作りの精度によって偏りのない完全無欠の乱数を得るのは非常に難しいのですが
疑似乱数もこれまた完全ではなくてどうしても規則性がでてしまい問題になるそうなのです。
今ではレーザーを不安定にして1秒間に10億回くらい不規則に点滅するのを利用して
大きな桁の乱数を多く得ているのだそうです。

上記の暗号用としてだけでなく無作為抽出として品質管理や世論調査にも乱数は必要不可欠ですし
コンピューターゲームのプログラミングにも質のよい乱数がないと成り立たないし
また大規模なシミュレーションをするにも大量の質のいい乱数が必要ということです。

どうしてシミュレーションに乱数が必要なのかというと、次のような話です。
                                   (以下引用)
 例えば、台風の進路予測だ。3日後に台風がどのあたりに来るのかが防災上とても重要
な場合がある。各地の観測点の現在の温度や風向、風速などのデータを元に、それらが時
間的にどう変化するかを示す方程式を解いて、台風の進路を予測していく。
 その計算自体に不確かさがあり、それは乱数の形で組み込まれる。また台風が進んでい
る間に入ってくる新しい観測データで計算結果を補正そることができるが、観測データに
も不確かさがあり、その不確かさも乱数で表現される。
 このように乱数を使って数値計算に観測データをうまく取り込み、直接観測が難しい台
風の位置の推定精度を上げることができる。このような手法は「データ同化」と呼ばれ、
質のよい多数の乱数が求められる。                  (引用終わり)

なるほど、不確かなものや曖昧なものを乱数でいろいろ初期値や設定値を変えて
確率的に結果を得るということなわけですね。

ただ、この台風の例でも進路予測は大変だし外れることも多いのに
それこそ地球温暖化のシミュレーションなどどんだけ乱数使ってやってるんだろうというところです。
少なくとも確率的にしか結果は得られないので人為的地球温暖化は絶対だと断言する人は宗教ですね。

ただ、面白いのは量子コンピューターが実現すると量子コンピューター自体が乱数を含んでいるので
このようなシミュレーションには乱数は不要となるだろうということです。
片や暗号通信には乱数にとって量子コンピューターが脅威になるけど
シミュレーションでは乱数が不要となるというのはなんか興味深いですね。

|

« 吊り下げ室内灯の高さ調整が簡単にできることを今さら知った | トップページ | リンガーハット・スマーク伊勢崎店の「ほたてとあさりちゃんぽん」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 吊り下げ室内灯の高さ調整が簡単にできることを今さら知った | トップページ | リンガーハット・スマーク伊勢崎店の「ほたてとあさりちゃんぽん」 »